アメリカビールの奥深い歴史に迫る

アメリカビールの奥深い歴史に迫る
出典 : Odelia Cohen/shutterstock.com

アメリカビールの歴史は、17世紀にヨーロッパから伝えられたことに始まるとされています。その後、アメリカへの入植が盛んになるとともに普及が拡大。禁酒法の厳しい時代を経て、現在は世界を代表するビール大国として知られるようになっています。

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クアーズ・ライト

1873年にアメリカ・コロラド州ゴールデンで、ドイツ系移民のアドルフ・クアーズが創業したクアーズ社のビール。苦味が少なく、さわやかでクリアな味わいが特徴で、人気のアメリカを代表するビールブランドとして知られています。
シルバー基調のパッケージデザインと、どんどん飲める究極の飲みやすさから“The Silver Bullet(銀の弾丸)”とも呼ばれています。

ここで紹介した大手メーカーの「アメリカン・ラガー」は、いずれもゴクゴク飲めるライトな味わいが人気。現在もアメリカだけでなく世界中のビールファンから支持を集め、市場で大きな存在感を示しています。

アメリカビールにクラフトビールの時代が到来!

アメリカビールにクラフトビールの時代が到来!

Jacob Billings/shutterstock.com

アメリカビールといえば、大手ビールメーカーによるライトビールが定番とされてきましたが、近年では「マイクロブルワリー」と呼ばれる小規模醸造所で造られるクラフトビールが注目されるようになっています。

アメリカでクラフトビールが注目を集めるようになったのは1970年代のこと。大手メーカーによる定番のビールに飽き足らなくなったビール愛好家たちが、自宅で手造りのビールを造り始めたのがきっかけです。また、1972年にオレゴン州で交配育成されたアロマホップ「カスケード」が登場したことも、自家醸造ブームを後押しするかたちとなりました。

その後、1980年代に入ると、ニューヨークの「ブルックリン・ブルワリー」に代表されるようなマイクロブルワリーが造る個性派ビールが、大手ビールメーカーに独占されていたビール市場に割って入るようになりました。
“クラフトビール革命”とも呼ばれるこうした動きは、西海岸からニューヨークを経由して全米、さらには全世界に広まっていきます。2016年末時点では、米国内で5,200を超えるマイクロブルワリーが登場し、販売金額では全米シェアの約2割を占めるまでに成長しています。

こうしたアメリカのマイクロブルワリーの多くは、醸造所に加えてレストランなどの店舗スペースを併設しているところが多く、「ブルーパブ」と呼ばれています。
リゾート地や町中で営業しているブルーパブは、多くのビール好きで賑わい、地元の料理をつまみにクラフトビールを生でたのしむことができます。
アメリカを旅する機会があれば、ぜひ、一度はマイクロブルワリーを訪れてみてください。きっと、新しいビールの世界に出会うことができるはずです。

アメリカビールの新しい潮流、エールビール

アメリカビールの新しい潮流、エールビール

MaxyM/Shutterstock.com

アメリカビールの定番として知られるラガービールですが、このラガーとはいったいどんな意味なのでしょうか。「ラガー」とはビールの製造方法のことで、低温でゆっくりと発酵を進める「下面発酵」で造るビールのことを指します。
18世紀に発明された冷蔵技術の発達とともに広まり、そのすっきりしたのどごしが愛され、世界中で親しまれています。

これに対し、約15~25度の高めの温度で発酵させる「上面発酵」で造るビールが「エールビール」です。
おもにイギリスで発達した製法で、いまでもイギリスでは「ビール」といえばエールビールのことを指します。ちなみに17世紀にイギリスからアメリカに初めてもたらされたビールも、このエールビールだったといわれています。

エールビールは、ラガーに比べると製造が簡単で、家庭でも造ることができます。近年のクラフトビールの流行にともなって、これまでラガービール中心だったアメリカにも、エールビールのちょっとしたブームがまき起こっています。

たとえば、アメリカ産ホップを使った「ペールエール」や「IPA(インディア・ペールエール)」など、「ウエストコーストスタイル」と呼ばれるエールビールが大きな注目を集めています。
アメリカ産ホップは、グレープフルーツを思わせる柑橘系やトロピカルフルーツの香りがはっきりしていて、そのさわやかさも人気の理由です。

それでは、アメリカを代表するエールビールをいくつか紹介しましょう。

アメリカンスタイル・ペールエール

イギリス発祥のペールエールをアメリカ産のホップを使って仕上げたビール。柑橘系の香りと苦味の強いのが特徴です。

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