お水だけではない?ビールが「チェイサー」に適しているとされる理由とは?
ビールをチェイサーにして、アルコール度数の高いお酒を飲むスタイルは、日本ではなじみがないかもしれませんが、海外では普通のことなのだとか。今回は、ビールをチェイサーに飲む“通好み”のお酒の飲み方について紹介します。
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ビールも立派なチェイサーになる!
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「チェイサー」とはそもそも何?
「チェイサー」とは、辞書で調べると「強い酒のあと、または合い間に飲む飲み物」とあります。チェイサーは英語の「chaser」で、もともとの意味は「追いかける人」。ウイスキーなどのアルコール度数の強い酒を飲んだあと、追いかけるように飲むことから、そう呼ばれるようになったのだとか。
チェイサーを飲むのは、ウイスキーなどの繊細な味わいをたのしむため、口のなかをスッキリとさせ、舌をリセットすること。加えて、あいだにチェイサーを口にすることで、強いアルコールを急激に摂取するのを避け、胃を守ったり、悪酔いや二日酔いを防ぐといった目的もあります。
チェイサーは「水」だけではない
日本では、バーなどのお店でウイスキーを注文すると、チェイサーとしてミネラルウォーターが出されることが多く、「チェイサーと言えば水のこと」と思っている人が多いかもしれません。
しかし、チェイサーとなる飲み物は、とくに限定されていません。水だけでなく、お茶や炭酸水、ジュースなどでもOK。比較的アルコール度数の低いビールも立派なチェイサーになります。
「ビールをチェイサーに」は世界では常識?
海外では、ウイスキーなどを飲む際に、ビールをチェイサーにするのは決して珍しいことではありません。実際、日本でも海外からの旅行者が多いパブやバーなどでは、よく見られる光景です。
また、メキシコではテキーラを飲む際に「サングリータ」と呼ばれるトマトジュースを飲むのが一般的とされていますが、最近では、サングリータの代わりにビールをチェイサーとして飲む人も増えているのだとか。
ビールがチェイサーに適している理由
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ウイスキーとビールの相性は抜群
ビールとウイスキーは、どちらも麦を原料とするお酒なので、もともと相性がよく、ビールの苦味とウイスキーの豊かな香りが絶妙にマッチします。
アメリカでは、「ボイラーメーカー」と呼ばれるウイスキーとビールを合わせたカクテルが人気を集めていることからも、ビールとウイスキーがいかに好相性かがわかります。
炭酸のきいたビールは「口直し」に最適
香りの強いウイスキーをストレートで飲んでいると、やがて口のなかがマヒしてきて、香りを感じ取れなくなってくることがあります。
そんなときこそチェイサーの出番。炭酸がきいたビールは、口のなかをスッキリとさせてくれる効果があり、口直しとしてのチェイサーにピッタリの飲み物といえます。
チェイサーに適したビールの選び方・飲み方
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チェイサーに適したビールとは
ウイスキーのチェイサーとしては、ウイスキーの味や香りをジャマしない、スッキリとしたタイプのビールがオススメ。国内銘柄で言えばアサヒビールの「スーパードライ」、海外ではドイツ伝統のビール「レーベンブロイ」などが挙げられます。
クラフトビールに多いIPA(インディア・ペールエール)などエール(上面発酵)タイプのビールの多くは、個性が強い傾向があり、チェイサーには不向きかもしれません。あまりクセのないビールを選んだほうが無難でしょう。
ビールをチェイサーとして飲む時のポイント
チェイサーとしてビールを飲む際のポイントが、ビールの温度。ビールはキンキンに冷やして飲むものとのイメージもあるかと思いますが、それはビール単独でたのしむときのこと。冷えすぎたビールは、かえって舌をマヒさせてしまいかねません。
とくにウイスキーを常温のストレートでたのしみたいときには、チェイサーとして飲むビールも冷やさず常温で飲むのがよいとされています。
いくらビールがウイスキーのチェイサーに合うからといっても、ビールも水とは違ってアルコールを含んだお酒です。飲みすぎにはくれぐれも注意しましょう。