石川の日本酒【黒帯(くろおび)】金沢の老舗料亭で愛される通好みの酒
「黒帯」は江戸時代から続く伝統的な蔵元、福光屋が、ゆっくりじっくりと時間をかけて造った日本酒です。おいしいものが集まる地、金沢において、長きにわたって名声を維持し続けている理由を探ってみました。
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「黒帯」は、食通によって鍛え、育てられた酒
出典: 福光屋サイト
「黒帯」を造る福光屋は、江戸時代初期の寛永2年(1625)に創業した、食通・酒通が多い金沢の地で最古の歴史をもつ蔵元です。
日本酒の級別制度が廃止された1990年代、福光屋はハウスブランドである「福正宗」に加え、「加賀鳶(かがとび)」「百々登勢(ももとせ)」「瑞秀(みずほ)」「風よ水よ人よ」「ITAYA」など、それぞれ特徴あるブランドを次々と立ち上げました。こうしたマルチブランド化の成果のひとつが「黒帯」です。
「黒帯」という名は「有段者のための酒」という意味でつけられただけあって、料亭など食のプロが扱う酒と位置づけられています。
金沢グルメとの相性がよく、料理の味を引き立てつつ、自らもさらに旨さを増す相乗効果に驚くはずです。金沢の老舗料亭からも認められるほどの実力で、多くの料理人から愛されています。
「山田錦」と「金紋錦」という2種類の酒米をあえて使用した「黒帯」は、個性の異なる米の味わいをバッティングさせることによってコクとふくらみ、品を感じる味わいに仕上げています。
「黒帯」の命名者は著名な英文学者
出典: 福光屋サイト
「黒帯」の蔵元、福光屋へと足しげく通った著名人として、英文学者の吉田健一氏が知られています。「黒帯」の命名者である彼が残した言葉は、日本酒の真理を示すものとして語り草になっているそうです。
「酒を造る苦心は並大抵のものではないが、造り手の苦労を見せず、飲む人に“ただの酒”と思わせるものでなければならない」。
実際、黒帯ができるまでには、蔵人たちが多大な労力と時間、そして情熱を注いでいます。
たとえば「黒帯 燦々 五年熟成 純米」は、熟成蔵にある原酒をよりすぐりで組み合わせ、贅沢にブレンドしたものです。蔵内で熟成する時間だけでも数年をかけ、それらが相乗効果を発揮するような組み合わせを試行錯誤しながらベストなバランスを追求。それだけの苦労があって、はじめてコクとキレの見事な調和が生み出されるのです。
「黒帯」は「燗あがり」する軽妙洒脱な酒
出典: 福光屋サイト
「黒帯」の大きな特徴のひとつが、燗をすることで旨さが引き立つこと。日本酒用語でいうところの「燗あがり」する酒です。
風流な酒器を選び、厳選した料理と合わせることで、よりおいしく、たのしめる日本酒です。
コクがある「黒帯 飄々 古々酒 純米吟醸」は、酒の旨味を引き立たせる37度くらいの人肌燗がおすすめ。どっしりとした風格を感じる「黒帯 堂々 山廃純米」は熱燗、あるいはぬる燗など、商品ごとに飲み方を変えてもたのしめます。
日本酒のなかには「こう飲んで欲しい」という造り手の想いに左右されるものもありますが、黒帯はそうではありません。どの温度帯にもきちんと対応できるところが、黒帯の大きな強みであり、「燗の王者」と呼ばれるゆえんです。
「黒帯」のようなおいしい日本酒を、上等な酒器でしみじみとたのしむと感慨深い気持ちになります。著名人にも愛された至高の味わいを、ぜひ体験してみてください。
製造元:株式会社 福光屋
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