バーボンウイスキーとは? 特徴からおすすめの飲み方まで紹介

バーボンウイスキーとは? 特徴からおすすめの飲み方まで紹介
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バーボンウイスキーは、トウモロコシを主原料としたアメリカンウイスキーのひとつ。主産地はアメリカのケンタッキー州で、約9割がこの地で生産されています。今回は、バーボンウイスキーの特徴や選び方、おすすめの飲み方、代表的な銘柄を紹介します。

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バーボンウイスキーとは?

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バーボンウイスキーの定義や語源について紹介します。

アメリカで造られるトウモロコシを原料にしたウイスキー

バーボンウイスキーは、18世紀末にアメリカのケンタッキー州バーボン郡で生まれたアメリカンウイスキーの代表格。「バーボン」と略称で呼ばれることもあります。

トウモロコシ(コーン)やライ麦、小麦、大麦麦芽(モルト)などの穀物を原料としたバーボンウイスキーは、アメリカの連邦アルコール法に定められた以下のような定義に準じて生産されています。

(1)アメリカ国内で製造
(2)主原料のトウモロコシの使用比率が51%以上
(3)アルコール度数80%以下で蒸溜
(4)内側を焦がしたホワイトオークの新樽で、アルコール度数62.5%以下で貯蔵・熟成
(5)水以外を加えずアルコール度数40%以上でボトリング

このほか、「ストレートバーボンと名乗るには2年以上の熟成が必要」「色調整のためのカラメルの添加は認められない」といった決まりもあります。

なお、バーボンウイスキーのおよそ9割がケンタッキー州で造られていますが、産地に規定はありません。条件を満たしていれば、他州で生産されたものでも、バーボンウイスキーと名乗ることができます。

バーボンウイスキーの語源

「バーボンウイスキー」の名は、発祥地であるバーボン郡に由来します。「バーボン郡で生まれたウイスキー」なので、バーボンウイスキーと呼ばれるようになったのです。

ちなみに、バーボンウイスキーの語源となった群名の「バーボン(Bourbon)」は、フランスのブルボン王朝に関係しています。「Bourbon」のフランス語読みはブルボンです。

アメリカ独立戦争(1775~1783年)の際、イギリスに敵対していたフランスは、アメリカに味方して独立を支援しました。これに感謝して、のちに第3代アメリカ合衆国大統領となったトーマス・ジェファーソン(任期:1801〜1809年)が、ケンタッキー州の一部地域にブルボン王朝にちなんで「バーボン」と名づけたといわれています。

バーボンウイスキーの選び方

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ここでは、バーボンウイスキーを選ぶ際のポイントを確認していきます。

熟成年数

一般的にウイスキーは、長い熟成期間を経て完成しますが、バーボンウイスキーは比較的早く熟成が進むため、熟成させる年数(エイジング)についての決まりはありません。

スコットランドのスコッチウイスキーでは「3年以上熟成させること」と規定されているのに対し、バーボンウイスキーでは、「内側を焦がしたアメリカンホワイトオークの新樽で貯蔵・熟成」させていれば、たとえ1年未満の短期熟成であってもバーボンウイスキーとして出荷できます。ただし、前述のとおり「ストレートバーボン」と名乗るには2年以上の熟成が必要です。

また、熟成年数が4年未満の場合は、ラベルに熟成年数を表記することが義務づけられています。バーボンウイスキーでは、ラベルに熟成年数が表記されていないものをよく見かけますが、これは少なくとも4年以上熟成された原酒が使われていることを意味します。

バーボンウイスキーは熟成のピークを迎えるのが早いので、熟成年数が短くても、完成された味わいをたのしめます。とはいえ、本格派のリッチな味わいをたのしむなら、やはりそれなりの熟成期間を経たものがおすすめです。ラベルに熟成年数が表記された銘柄のなかでも、「ワイルドターキー8年」や「I.W.ハーパー 12年」などは飲みやすくて、初心者にも人気があります。

アルコール度数

バーボンウイスキーのアルコール度数は、「PROOF(プルーフ)」で表示されるのが特徴です。プルーフはアルコールの強さを示す単位で、アメリカンプルーフの場合は0.5倍するとアルコール度数がわかります。たとえば、100プルーフなら「100×0.5=50」でアルコール度数50度となります。近年はアルコール度数を併記しているものが多いですが、機会があればラベルで確認してみてください。

ちなみに、イギリスではブリティッシュプルーフが使われていて、0.571倍した数値がアルコール度数となります。

バーボンウイスキーのアルコール度数は67.5%以下と規定されているため、これを超えるボトルはなく、主流はアルコール度数40~50%ほどです。初心者は比較的飲みやすい40%程度のボトルから選び、飲みごたえを求める人はアルコール度数50%以上のボトルを選んで、濃厚な味わいを堪能してもよいかもしれませんね。

香り

バーボンウイスキーは、内側を焦がしたアメリカンホワイトオークの新樽で熟成させるため、熟成樽由来のバニラやココナッツのような甘い香りをたのしめるのが魅力です。

スコッチウイスキーなどと比べると熟成樽のバリエーションが少ないものの、レシピや熟成年数、樽に施すチャーリング(火入れ)の度合いなどによって、香りの違いをたのしめます。メーカーや専門家のテイスティングノートを参考に、好みの香りのタイプから選ぶのも手です。

また、バーボンウイスキーのブランドのなかには、「フレーバードウイスキー」と呼ばれる種類もあります。バーボンウイスキーの原酒にハニーやアップル、シナモンなどのフレーバーが添加されたもので、「ジムビーム ハニー」などが有名です。

フレーバードウイスキーはアルコール度数が低めなうえ、甘い風味で飲みやすいため、世界的にも人気のジャンルとなっています。初心者はもちろん、バーボンウイスキーを飲み慣れた人も、ぜひ一度試してみてください。

なお、日本の酒税法では、フレーバードウイスキーはリキュールに分類されます。

バーボンウイスキーのおすすめの飲み方

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バーボンウイスキーは力強い味わいが魅力のウイスキーですが、クセが少ないので初心者にも比較的飲みやすいといわれています。おすすめの飲み方で、たのしんでみてください。

定番の飲み方はストレート&ロック

バーボンウイスキーの定番の飲み方は、ストレートやロック。初めて飲むボトルなら、一杯目はぜひストレートで、香りや味を確かめてみてください。

また、大きめの氷が入ったグラスにバーボンウイスキーを注いで飲むロックもおすすめです。飲み始めはストレートのような風味ですが、氷が溶けるにつれて香りや味わいが変化していきます。

なお、バーボンウイスキーのアルコール度数は低いものでも40%程度あるので、ストレートやロックで飲む場合は、よく冷やしたミネラルウォーターなどのチェイサーを用意して、交互に少しずつ飲むことをおすすめします。ミネラルウォーターを飲むことで、舌の感覚がリセットされる効果も得られます。

トワイスアップはプロや愛飲家も好む飲み方

トワイスアップは、ウイスキーのプロや愛飲家が好む飲み方。グラスに、バーボンウイスキーと常温のミネラルウォーターを1対1の割合で注いでたのしみます。

一般的に、ウイスキーの香りが引き立ちやすいのは、アルコール度数20~30%程度といわれています。40%程度のバーボンウイスキーをトワイスアップにすれば、ちょうどよい度数になるので、立ち上る豊かな香りを存分に満喫できます。

また、水で割ることでアルコール度数が下がって舌への刺激が抑えられるため、バーボンウイスキーの味わいが捉えやすくなるのもトワイスアップの魅力です。

初心者におすすめの飲み方はハイボール

バーボンウイスキーのハイボール、いわゆるソーダ割りは、爽快なのどごしで飲みやすく、初心者にもおすすめの飲み方です。

作り方は、氷で満たしたグラスに適量のバーボンウイスキーを注ぎ、炭酸水またはソーダで割るだけ。シンプルですが、作り手によって味わいが変わるので奥深い飲み方でもあります。

一般的なウイスキーハイボールの黄金比は、ウイスキー1に対して炭酸水3~4くらいといわれているので、自宅でバーボンウイスキーのハイボールをたのしむ場合も、これを基準に好みの濃度に調節してみてはいかがでしょう。

バーボンウイスキーの代表的な銘柄

ケンタッキー州で造られているバーボンウイスキーの、代表的な2銘柄を紹介します。親しみやすい味わいと価格なので、初心者にもおすすめです。

ジムビーム

サントリーホームページ

「ジムビーム」は、バーボンウイスキーのパイオニア的存在。創業者一家のビーム家は、約220年にわたって、代々受け継がれてきたレシピとこだわりにより、世界で愛されるバーボンウイスキーを生み出してきました。

「ジムビーム」は、4代目ジェームズ・B・ビーム氏の愛称です。また6代目のブッカ―・ノー氏は、「革新者」の異名をとるマスターディスティラーで、プレミアムバーボンを世に出した立役者として知られます。

ラインナップのなかでも定番の「ジムビーム」は、トウモロコシやライ麦、大麦麦芽などを原料に、4年熟成で造られます。バニラやキャラメルのような甘く軽やかな風味と、洗練されたスムースな口当たりで、とくにハイボールで飲むのがおすすめ。

人気のフレーバードウイスキー、「ジムビーム ハニー」「ジムビーム アップル」もハイボールにぴったり。アルコール度数が35%と低めなので、初心者はこちらから始めてもよいですね。

輸入販売元:サントリー株式会社
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メーカーズマーク

サントリーホームページ

ボトルトップの赤い封ろうがトレードマークの、クラフトバーボンウイスキー「メーカーズマーク」。創業以来230年以上もの間、機械まかせではなく人の手で造ることを大切にして、ていねいに生産されてきました。ボトルに赤い封ろうを施すディッピング作業も、一本一本、手作業で行われています。

「メーカーズマーク」が、ほかのバーボンウイスキーと異なる点は、ライ麦の代わりに小麦を使用していること。蒸溜所の周辺で育った冬小麦が、まろやかさを生み出すのです。

通常約6~7年の熟成を経て完成する「メーカーズマーク」は、オレンジやハチミツのような香りや、バニラの風味とともに、小麦由来の甘味も感じられます。ストレートやロック、ハイボールはもちろん、甘さを活かしたカクテルにも最適です。

輸入販売元:サントリー株式会社
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アメリカンウイスキーの代表格であるバーボンウイスキーは、力強い味わいながら、バニラやカラメルのような風味があり、初心者でも比較的飲みやすいのが魅力。ストレートやロック、ハイボールなどの多彩な飲み方で、存分に堪能してみてくださいね。

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