清酒生産量全国1位の兵庫県。 その中心地「灘五郷」を訪ねました<前編>

清酒生産量全国1位の兵庫県。 その中心地「灘五郷」を訪ねました<前編>

日本酒生産量で全国の3割近く、ダントツのシェアを誇る兵庫県。その県内でナンバーワンの生産地が神戸市・西宮市沿岸部に展開する「灘五郷(なだごごう)」で、『大関』『菊正宗』『沢の鶴』『日本盛』『白鶴』といった有名酒蔵がずらり。その歴史や風土、醸造技術などを学びにフードジャーナリストの里井真由美さんとともに伺いました。

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灘の酒が発展した要因はまだまだあります。灘五郷が海岸地域にあったおかげで、最大の消費地・江戸に運ぶ際に海路を使用でき、陸地からの輸送よりも早く大量の酒を出荷することができました。その際に使用されたのが「樽廻船」。運搬するために用いた樽の杉の香りが酒に移りより華やかに、樽熟成することで酒質も向上したそうです。

ちなみに、江戸へ下っていく酒を見守ってきた「今津灯台」は、航路標識としては日本最古。

ちなみに、江戸へ下っていく酒を見守ってきた「今津灯台」は、航路標識としては日本最古。

阪神タイガースの応援歌で有名な「六甲おろし」とは、おもに冬の時期に吹く季節風。乾燥した六甲おろしが抜けるような向きに蔵を建てることで、窓の開閉だけで酒造りに適した温度湿度の管理ができるようになっています。六甲おろしは無料で利用できる、自然のエアーコンディショナーのような存在なのです。

阪神タイガースの応援歌で有名な「六甲おろし」とは、おもに冬の時期に吹く季節風。乾燥した六甲おろしが抜けるような向きに蔵を建てることで、窓の開閉だけで酒造りに適した温度湿度の管理ができるようになっています。六甲おろしは無料で利用できる、自然のエアーコンディショナーのような存在なのです。

灘五郷で良質の酒が安定して生産されるのは、このような歴史と風土、技術などがあってこそ。資料館を併設している酒蔵も多いので、ぜひ現地を訪れて灘の酒に触れ、試飲を楽しんでみてはいかがでしょう。

■今回同行いただいた、里井真由美さん
全国47都道府県、着物で世界20カ国以上を食べ歩くフードジャーナリスト。1級フードアナリストや米・食味鑑定士、唎酒師など多くの食資格を持つ。世界の高級レストランから和食・デパ地下グルメスイーツなど幅広い分野で情報発信し、テレビ出演も多数。現在、農林水産省 食料・農業・農村政策審議会委員、フードアクション・ニッポンアンバサダー、フランス観光開発機構オフィシャルレポーターにも任命され、国際的に活躍中。

■今回同行いただいた、里井真由美さん 全国47都道府県、着物で世界20カ国以上を食べ歩くフードジャーナリスト。1級フードアナリストや米・食味鑑定士、唎酒師など多くの食資格を持つ。世界の高級レストランから和食・デパ地下グルメスイーツなど幅広い分野で情報発信し、テレビ出演も多数。現在、農林水産省 食料・農業・農村政策審議会委員、フードアクション・ニッポンアンバサダー、フランス観光開発機構オフィシャルレポーターにも任命され、国際的に活躍中。

「灘の酒をもっと身近に感じてもらえる」イベントや試みを実施。大変盛り上がった1年となりました!

「灘の酒をもっと身近に感じてもらえる」イベントや試みを実施。大変盛り上がった1年となりました!

有名な灘の酒ですが、若い人たちにその実力の高さが浸透していないのも事実。そこで2017年に灘五郷をあげて取り組んできた試みを、いくつか紹介しましょう。

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