冷たい日本酒はグラスで…酒器は日本酒の温度で選ぶ

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日本酒をよりたのしむために、酒器の特徴を知る
日本酒の酒器には、陶器や磁器、ガラス、漆器、錫、銅など、さまざまな素材や大きさのものがあります。
それらを選ぶ際に、目安にしたいのは日本酒の温度です。温度で酒器を選べば、よりその日本酒の持つ香りや味わいを引き出すことができます。保温性の高い素材、冷酒向きの形、また香りを立たせる飲み口の形もあります。それぞれの酒器の特徴を知り、自分好みの器を選ぶとよいでしょう。
ワイングラスもOK! 冷酒や常温にぴったりのグラス
一般に冷酒や常温の日本酒に適しているのは、温度が上がりにくい磁器やガラス。涼やかな気分を演出してくれます。うすはりなど薄いグラスは、繊細な飲み口が日本酒の味わいを引き出してくれます。またワイングラスのように脚のあるものはグラス部分に直接触れないので、酒の温度が上がりにくく、冷たくして飲みたいお酒向きです。またワイングラスは口径が閉じているので、香りを閉じ込めやすく、繊細な香りを少しずつたのしみたい吟醸タイプの日本酒にぴったりです。

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熱伝導率の高さに優れた金属の器、保温性に優れた陶器
金や銀、銅、錫など、金属を加工した酒器は、熱伝導率が高いことから世界中で使われています。特に錫は水を浄化して酒の味をまろやかにするといわれ、日本酒にも適しています。器が常温でも、冷たいものを入れれば器もすぐに冷たくなり、熱いものを入れれば器もすぐに熱くなるので、温度変化が少なくたのしめます。
ただし、熱伝導率がよい分、外気の影響も受けやすいので、保温の目的なら陶器やガラスの方が優れています。燗酒をゆっくりたのしむなら、陶器をあらかじめ温めておきましょう。
口径より下に膨らみを持たせたぽってりした形のおちょこなら、ふくよかな香りをやさしく包み込み、お米本来の甘みを感じられます。いろいろなタイプの器で温度の違う日本酒を試して、好みの組み合わせをみつけられたらたのしいですね。

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