「獺祭(だっさい/DASSAI)」とは? 世界が注目する純米大吟醸専門日本酒ブランドの魅力を大解剖

「獺祭(だっさい/DASSAI)」とは? 世界が注目する純米大吟醸専門日本酒ブランドの魅力を大解剖
出典 : 株式会社獺祭ホームページ

「獺祭」とは、山口県岩国市の株式会社獺祭(旧・旭酒造株式会社)が手がける純米大吟醸酒ブランド。酒米の帝王といわれる山田錦のみを使用し、造りにとことんこだわった、日本が世界に誇る日本酒のひとつです。今回は、獺祭の基本情報や人気の秘密、おすすめ銘柄などを紹介します。

  • 更新日:

「獺祭」とは、日本を代表する純米大吟醸専門ブランド。フルーティーで洗練された味わいに定評がありましたが、海外におけるSAKE人気の上昇とともに、注目が高まっています。

「獺祭」とは、純米大吟醸酒ひとすじの日本酒ブランド

獺祭のフラッグシップ「獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分」

出典:獺祭Store WEB店

獺祭とは、山口県岩国市の蔵元・株式会社獺祭が手がける純米大吟醸専門のブランド。お米と造りにとことんこだわり、人の手でていねいに育まれるお酒は、日本国内のみならず、アメリカやフランスをはじめとする世界59カ国で愛飲されています。

造り手の獺祭は、1948年の創業ですが、前身となった酒蔵は、江戸時代中期の1770年からお酒造りに携わってきた老舗です。以前は旭酒造という社名で知られていましたが、2023年にニューヨーク州ハドソンバレーに酒蔵とテイスティングルームをオープン。海外での市場拡大にあたり、ブランドとしての認知を強化するべく、2025年6月1日に社名をお酒のブランド名「獺祭(英語名:DASSAI Inc.)」に変更しました。

「獺祭」が誕生したのは、1990年のこと。その歴史は、1984年に3代目で現会長の桜井博志氏が酒蔵を継いだときから始まりました。1980年代といえば、吟醸酒ブームまっさかり。特定名称酒の分類が定められたのは1989年ですから、博志氏が3代目を襲名した当時は、純米大吟醸酒は幻の酒のような存在でした。

その後、紆余曲折のなかでの取り組みが功を奏し、日本を代表する日本酒ブランドのひとつへと成長。2024年度には195億円と、業界トップクラスの売上高を記録しました。

水辺の生き物カワウソ

naoto_n_1021 / PIXTA(ピクスタ)

なお、「獺(カワウソ)」という漢字を使用した「獺祭」のブランド名には、以下のふたつの意味があります。

◆酒蔵の住所「獺越(おそごえ)」から1文字とった
地名の由来は、「古いカワウソが子どもを化かして、村まで追いかけてきた」という言い伝え。

◆中国の経書「礼記(らいき)」に登場する言葉
カワウソがつかまえた魚を岸に並べる様子が、まるで人がお供えをして先祖を祭るようにみえることから、詩や文をつくるときに多くの資料を広げちらすことを「獺祭」といいます。

明治時代の俳人・歌人、正岡子規は、その居を「獺祭書屋(だつさいしょおく)」と号し、「獺祭書屋主人」の雅号(文化人や芸術家などが使う風流さを込めた名前)としました。日本文学に革命を起こしたといわれる子規の精神に、酒造りの世界に革新をもたらそうとする想いを重ね合わせたことから、「獺祭」という酒名がつけられました。

「獺祭」の人気の秘密

獺祭BLUE ニューヨーク蔵

獺祭BLUE ニューヨーク蔵
出典:株式会社獺祭ホームページ

日本酒ファンはもちろんですが、日本酒を飲み慣れていない人にも「獺祭」の名は広く浸透しています。ここでは、「獺祭」の人気の秘密に迫ります。

獺祭のブランド哲学

「獺祭」は、3代目・桜井博志氏の「もっとシンプルな、高品質な商品を届けたい」「もっとよい酒を造ろう」という想いから生まれた日本酒。「従来の酒造りに安住することなく、変革と革新の中からより優れた酒を創り出そう」という想いを酒名に込め、酔うため、売るためのお酒ではなく、味わうお酒を目指してきたといいます。

持ちうる技術と工夫を凝らし、挑戦を続けていくうちにたどり着いた獺祭ならではのこだわりに、「杜氏を置かないデータ重視の酒造り」が挙げられます。

基本を大切に、220人の蔵人が日々手間暇をかけて造りに取り組むいっぽうで、従来杜氏だけが持っていた技術やノウハウをデータとして蓄積し、見える化。杜氏を置かないデータ重視のお酒造りを行うように。現場のスタッフ全員が純米大吟醸酒造りの極意を共有した結果、経験やカンにたよらない安定した製造が可能になりました。

「獺祭」は人の手でていねいに造られるお酒

出典:獺祭Store WEB店

日本酒造りに対するこだわり|山田錦・磨き二割三分・遠心分離

「獺祭」は、お米と造りにこだわったお酒。お米は「酒米の王様(帝王)」と呼ばれる「山田錦」のみを使用しています。

お米の品質に対するこだわりは果てしなく、2025年で7回目を迎えたお米生産者向けコンテスト「最高を超える 山田錦プロジェクト」では、グランプリと準グランプリに合わせて5,500万円の賞金(2025年の例)を提示したほど。優勝米で造られた「獺祭」は製品化され、ニューヨークのオークションハウス「サザビーズ(Sotheby's)」に出品され、約115万円という落札価格で取引されたことも。

お米の精米加工にも並々ならないこだわりがあります。「純米大吟醸酒」を名乗るには、玄米を中心に向かって半分以上(精米歩合50パーセント以下にまで)削る必要がありますが、獺祭の主力商品のひとつ「獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分」の精米歩合は23パーセント。なかには、その先への挑戦過程を形にした高精米商品も存在します。

上槽工程においては、商業ベースでは日本で初めて遠心分離機を導入。無加圧状態でもろみからお酒を分離することで香りやふくらみなどの美点を余すことなく表現したこだわりのお酒「獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分 遠心分離」が製品化され、話題を呼んでいます。

獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分 遠心分離

獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分 遠心分離
出典:株式会社獺祭ホームページ

フルーティーな味わいと手ごろな価格

「獺祭」が人気を博している最大の理由は、その味と手ごろな価格でしょう。

日本酒の概念を覆したともいわれるフルーティーで繊細な味わいは、日本酒になじみがなかった層にも受け入れやすいものでした。まるでメロンやバナナのような甘い香りと、すっきりとした後味から「ワイングラスで飲みたい日本酒」といわれたのもうなずけます。
これまでとは違う層にもアプローチできたことが、知名度向上につながったと思われます。

また、「獺祭」シリーズはハイスペックな日本酒でありながら、価格は比較的抑えめに設定されています。

純米大吟醸酒は価格の幅が広いお酒ですが、2026年1月現在、四合瓶(720ml)のボリュームゾーンは、4,000〜6,000円程度。お米や製法にこだわった高級酒や限定酒は、6,000円を超えている印象ですが、お米の磨き歩合としては日本最高峰クラスとされる獺祭のフラッグシップ、「獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分」は、5,720円(税込)。スタンダード商品の「獺祭 純米大吟醸45」は、2,183円(税込)と、良心的な価格設定も魅力です。

「名酒」と呼ばれる酒には高価なものも少なくありませんが、「獺祭」が高額路線を歩まない背景には「高くておいしいは当たり前、誰もがたのしめるお酒を」という蔵元の心意気があるのでしょう。

レセプションイメージ

Hakim Graphy / Shutterstock.com

海外でも高評価!2025年には米アカデミー賞®祝賀会で注目の的に

「獺祭」が広く知られるようになった背景のひとつに、メディア露出が挙げられます。

「獺祭」の名が晴れの舞台で報じられたのは、第二次安倍政権下でのこと。山口県の出身の安倍元首相から、2013年10月にロシアのプーチン大統領へ、翌年4月にはアメリカのオバマ元大統領へ「獺祭」が贈呈され、話題になりました。その後も、オバマ元大統領主催の晩餐会の乾杯酒に最高級品の「獺祭 磨き その先へ」が選ばれるなど、外交シーンにおいて重要な役割を果たしました。

もともと高級酒の印象はありましたが、これを機に最高品質の日本酒というイメージが定着。クールジャパンを象徴的する代表的な日本酒という位置づけとして、日本酒ブームを牽引してきました。

また、人気アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の劇中に登場した際には、放映後にネットで「獺祭」を検索する人が続出したのだとか。

さらに、ユニクロでは、新店オープンの乾杯酒に「獺祭」を使用しており、新たな店舗が報じられる度に「獺祭」の樽が登場しています。

ちなみに、安倍首相と「エヴァンゲリオン」シリーズの庵野監督、またユニクロの柳井社長は3人とも「獺祭」と同じく山口県出身であることから、地元の名酒「獺祭」を使ったようです。

「獺祭」の知名度は海外でも高まりをみせており、2025年にはアカデミー賞授賞式後の祝賀会で、「獺祭ブルー」がセレブたちに振る舞われました。このセレモニーで日本酒が採用されたのは初めてのことだったそう。

「獺祭」の種類は多彩

獺祭の種類は多彩

出典:獺祭Store WEB店

「獺祭」は山田錦のみで造る純米大吟醸酒ですが、精米歩合や製法、お米の産地、製法などが異なる多彩なラインナップが存在します。

◆定番商品
主力商品「獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分」を筆頭に、エントリー商品「獺祭 純米大吟醸45」、精米歩合39パーセントの「獺祭 純米大吟醸 磨き三割九分」、炭酸のさわやかさが特徴の「獺祭 純米大吟醸45 にごりスパークリング」、明治大学・故早田教授との共同開発で生まれた「獺祭 早田 純米大吟醸 磨き二割三分」、遠心分離機で搾った「獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分 遠心分離」、「獺祭磨き二割三分」を超える最高峰の定番酒として開発された「獺祭 磨き その先へ」などがあります。

◆DASSAI BLUE
「獺祭ブルー(DASSAI BLUE)」は、アメリカ・NYの酒蔵で醸造した「獺祭」シリーズ。2026年1月現在、「獺祭 BLUE 23 from NY」「獺祭 BLUE 35 from NY」「獺祭 BLUE 50 from NY」などがあります。

◆新生シリーズ
獺祭の発酵過程から発見された清酒濃縮物「獺祭エクソソーム」に着目したシリーズ。「新生獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分」は、きれいな甘味と複雑な味わいが魅力です。

◆新しい形
オーストリア連邦産業院のハラルド・マーラー総裁とのコラボレーション「獺祭 未来を作曲」、等外米を精米歩合8%にまで磨き上げた「獺祭 未来へ 農家と共に」、「最高を超える山田錦プロジェクト」から生まれたお酒「獺祭 挑む」をはじめ、チャレンジングな逸品も多数ラインナップされています。「獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分 温め酒」「獺祭 純米大吟醸 磨き三割九分 寒造早槽」などの季節限定酒も要注目です。

一度は飲んでみたい!「獺祭」のおすすめ3銘柄

「獺祭」ブランドの純米大吟醸酒のなかから、おすすめ銘柄を3つ厳選して紹介します。

獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分(DASSAI 23)

獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分

出典:株式会社獺祭ホームページ

山田錦を23%まで磨き上げ、雑味を極限まで削ぎ落とした獺祭のフラッグシップ。華やかな上立ち香、ハチミツを想わせるきれいな甘味、心地よく続く余韻が魅力です。

山田錦・精米歩合23%
容量:1800ml / 720ml / 300ml / 180ml
価格:5,720円(税込)

獺祭 純米大吟醸45(DASSAI 45)

獺祭 純米大吟醸45

出典:株式会社獺祭ホームページ

獺祭のスタンダード。精米歩合を45%にとどめ、華やかな香りと米由来の繊細な甘味を残した、飲みごたえのある1本です。

山田錦・精米歩合45%
容量:1800ml / 720ml / 300ml / 180ml
価格:4,367円(税込)

獺祭 磨き その先へ(DASSAI Beyond)

獺祭 磨き その先へ

出典:株式会社獺祭ホームページ

精米、洗米、製麴、仕込み、搾り…獺祭が現時点で持てる最高の技術・知識をギュッと凝縮した、理想型ともいうべき逸品。「磨き二割三分」を1、2杯たのしんだあとに味わうと、魅力がよりいっそう際立ちます。

山田錦・精米歩合 非公開
容量:720ml / 2300ml(マグナムボトル)
価格:41,800円(税込) / 209,000円(税込)

「獺祭」のおいしい飲み方とおすすめペアリング

獺祭のおいしい飲み方

出典:株式会社獺祭ホームページ

温め用を除く「獺祭」は、10〜12度に冷やして飲むのがおすすめ。特徴的な香りをたのしみたいときは小ぶりのワイングラス、香りが強い料理に合わせるときは口幅の広い盃を使うとよいでしょう。

「獺祭」は、和食はもちろん、フレンチやイタリアンなどさまざまなジャンルの料理に合いますが、フルーティーな香りや透明感のある味わいを心ゆくまで味わいたいときは、刺身やお寿司、白身魚、野菜料理など、素材の輪郭がはっきりした料理と合わせてみてください。

「獺祭」は、華やかな香りときれいな甘味を特徴に持つ純米大吟醸専門ブランド。日本が世界に誇る奥深い味わいを、最高のシチュエーションで味わってみてください。

※商品価格は記事執筆時点のものとなります。ご購入の際には価格が異なる場合がありますのでご注意ください。

製造元:株式会社獺祭
公式サイトはこちら

おすすめ情報

関連情報

日本酒の基礎知識
広告掲載について

ビア検(日本ビール検定)情報

イベント情報

おすすめ情報

Ranking ランキング

おすすめの記事