日本酒の「大吟醸酒」と「純米大吟醸酒」の違いとは?原料などの相違点、香味の特徴などをわかりやすく解説

日本酒の「大吟醸酒」と「純米大吟醸酒」の違いとは?原料などの相違点、香味の特徴などをわかりやすく解説
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大吟醸酒と純米大吟醸酒の違いは、原料と香り、味わいにあります。今回は、大吟醸酒と純米大吟醸酒の原料の相違点や、香りや味わいの違いを紹介。大吟醸酒と純米大吟醸酒を含む、日本酒の特定名称酒の分類についても、図表にまとめてわかりやすく解説します。

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大吟醸酒と純米大吟醸酒の相違点からチェックしていきましょう。

大吟醸酒と純米大吟醸酒の違い(1)|原料

大吟醸酒と純米大吟醸酒の原料の違い

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大吟醸酒と純米大吟醸酒の原料について、まずは違いからみていきます。

醸造アルコールの有無に違いあり!

大吟醸酒と純米大吟醸酒はともに、一定の要件を満たした高品質な清酒である「特定名称酒」の一種です。

特定名称酒は原料、製造方法などの違いによって分類されますが、大吟醸酒と純米大吟醸酒は原料が異なります。

大吟醸酒には原料として、白米重量の10パーセント以下の醸造アルコールが使われています。対して純米大吟醸酒は、その名に「純米」とついているとおり、米と米麹だけで造られる日本酒で、醸造アルコールは使われていません。

醸造アルコールとは、日本酒の原料として使用が認められている高純度のアルコールのことです。詳しくはこちらの記事をチェックしてみてください。

大吟醸酒と純米大吟醸酒は同じ精米歩合

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精米歩合は同じ!

特定名称酒である大吟醸酒と純米大吟醸酒の、原料以外の要件に違いはありません。
精米歩合の要件も、ともに50パーセント以下となっています。

精米歩合とは、玄米をどのくらい精米したか、精米後に残った米の割合を表すもので、数字が低いほどよく精米されていて、雑味の多い外側が削られている米ということになります。

なお、大吟醸酒と純米大吟醸酒の50パーセント以下という精米歩合は、全部で8種類ある特定名称酒のなかでもっとも低いものとなります。

大吟醸酒と純米大吟醸酒の違い(2)|香りや味わい

大吟醸酒と純米大吟醸酒の香りや味わいの違い

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大吟醸酒と純米大吟醸酒は、香りや味わいにも違いがあります。それぞれの香りや味わいの特徴をみていきましょう。

大吟醸酒|華やかな香りと雑味が少ないスッキリとした味わいが特徴的

大吟醸酒は大まかな傾向として、フルーティーで華やかな香りと、雑味が少ないスッキリとした味わいが特徴の日本酒といえます。

フルーティーで華やかな香りは「吟醸香(ぎんじょうか)」とも呼ばれるもので、特有の香り成分を生成する酵母を使用し、低温でゆっくり発酵させる吟醸造りを行うことで生み出されます。

また、大吟醸酒の雑味の少なさは、雑味成分の多い外側をかなり削っている精米歩合50パーセント以下の米を使用することでもたらされるといえるでしょう。

さらに、大吟醸酒の原料のひとつである醸造アルコールには、香りを引き立てたり、味わいをスッキリさせたりする効果があります。

大吟醸酒を飲みたくなったら、こちらの記事をぜひ確認してみてください。大吟醸酒の飲み方やおすすめの銘柄なども掲載されています。

米の旨味も感じられる純米大吟醸酒

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純米大吟醸酒|スッキリとした味わいのなかに米の旨味も感じられる

純米大吟醸酒は一般的に、大吟醸酒同様の華やかでフルーティーな香りと雑味が少ないスッキリとした味わいのなかに、原料米由来の旨味も感じられるという特徴があります。

また、香りが穏やかで、料理に合わせやすいタイプの純米大吟醸酒もあります。

なお、大吟醸酒も純米大吟醸酒も、特定産地の酒造好適米を使用するなど原料を吟味し、精米歩合50パーセント以下まで米の外側を削り、低温で時間をかけて仕込み、手間を惜しまずていねいに搾って造られるお酒です。そのため、特定名称酒のなかでも、比較的高級な商品が多いことは、共通の特徴といえるでしょう。

高級な理由についての詳細や、純米大吟醸酒のおいしい飲み方、おすすめ銘柄などについて、知りたいときにはこちらの記事が参考になります。

日本酒の三大分類とは?

日本酒の分類

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日本酒の特定名称酒は、大吟醸酒、純米大吟醸酒を含めて8種類あり、「本醸造酒」系、「吟醸酒」系、「純米酒」系の3つに分類することができます。

8種類の特定名称酒の分類は以下のとおりです。

◇「本醸造酒」系
本醸造酒、特別本醸造酒
◇「吟醸酒」系
吟醸酒、大吟醸酒
◇「純米酒」系
純米酒、特別純米酒、純米吟醸酒、純米大吟醸酒

ここで紹介した純米吟醸酒と純米大吟醸酒は、「吟醸酒」系に分類されることもあります。

各特定名称酒の使用原料や精米歩合については、下の表をチェックしてみてください。

特定名称酒の使用原料と精米歩合

たのしいお酒.jp編集部作成

また、上の表には入っていませんが、このほかに、特定名称酒ごとそれぞれに「香味等の要件」があります。「香味等の要件」の内容は、以下のとおりです。

◇大吟醸酒/純米大吟醸酒
吟醸造り、固有の香味、色沢が特に良好
◇吟醸酒/純米吟醸酒
吟醸造り、固有の香味、色沢が良好
◇特別本醸造酒/特別純米酒
香味、色沢が特に良好
◇本醸造酒/純米酒
香味、色沢が良好

8種類の特定名称酒には共通して以下の規定もあります。

◇麹米(こうじまい)の使用割合が15%以上
◇原料米は、農産物検査法によって3等以上に格付けされた玄米、またはこれに相当する玄米を精米したものに限られる


なお、特定名称酒以外の日本酒は、一般に「普通酒」などと呼ばれていて、特定名称酒とは区別されています。

原料や、香り、味わいに違いはあるものの、大吟醸酒と純米大吟醸酒の多くは、各蔵元が原料を選りすぐり、培ってきた酒造技術の粋を集めて造られています。高価格帯の商品もそろっていて、大切な人への贈り物や、ハレの日にいただくお祝いのお酒としてもぴったりです。両者の飲み比べもたのしいもの。機会があればぜひ試してみてくださいね。

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