「岩井トラディション」は本坊酒造が手がけるブレンデッドウイスキー!種類や味わい、おいしい飲み方を紹介

「岩井トラディション」は本坊酒造が手がけるブレンデッドウイスキー!種類や味わい、おいしい飲み方を紹介
出典 : 本坊酒造株式会社

「岩井トラディション」は総合酒類メーカーの本坊酒造が製造するブレンデッドウイスキー。同社のウイスキー造りに貢献した故・岩井喜一郎氏への尊敬と感謝の念が込められた銘柄です。今回は「岩井トラディション」の種類や味、飲み方などについて紹介します。

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「岩井トラディション」の特長のほか、ブランドが生まれた経緯についてもみていきます。

「岩井トラディション」とは?

岩井トラディションは本坊酒造が手がけるブレンデッドウイスキー

出典:本坊酒造株式会社サイト

「岩井トラディション」とはどのようなウイスキーブランドなのか、まずは基本情報からみていきます。

本坊酒造が2010年にリリースしたブレンデッドウイスキー

「岩井トラディション」は、総合酒類メーカー・本坊酒造のマルス駒ヶ岳蒸溜所(旧マルス信州蒸溜所)が製造するブレンデッドウイスキーです。蒸溜所は長野県の中央アルプス山系「木曽駒ヶ岳」の麓にあり、良質な水に恵まれた豊かな自然のなかで育まれています。

本坊酒造は、1872年(明治5年)に製綿業からスタートし、1909年(明治42年)に酒造業に参入した老舗酒類メーカー。戦前戦中より、旧式焼酎(現在の本格焼酎)造りに始まり、新式焼酎(現在の甲類焼酎)、みりん、合成清酒など幅広い酒類を手がけてきました。

本坊酒造がウイスキー製造免許を取得したのは、戦後間もない1949年(昭和24年)のこと。空襲で全焼した本社・津貫工場を復旧し、同社の顧問で、アルコール精製技術の第一人者でもあった岩井喜一郎氏の指導のもと、ウイスキーの製造が始まりました。1960年(昭和35年)には山梨工場を新設し、岩井氏設計の蒸溜設備でモルト原酒造りに着手。「マルスウイスキー」を世に送り出しました。

「岩井トラディション」が登場したのは、本坊酒造がウイスキー造りを始めてから半世紀以上の時を経た2010年(平成22年)のことです。本坊酒造のウイスキー造りに尽力した岩井喜一郎氏への尊敬と感謝の念を込めてリリースされました。

「マルスウイスキー」といえば、日本の地ウイスキーブームを牽引してきたブレンデッドウイスキーブランド。くわしく知りたい人は、以下の記事も読んでみてください。

岩井氏設計の初代ポットスチル

出典:本坊酒造株式会社サイト

岩井式ポットスチルと岩井氏への功績を讃える記念のウイスキー

「岩井トラディション」は、本坊酒造のウイスキー造りの創生期を支えた岩井喜一郎氏の功績を讃えるべく、2010年に発売されたブレンデッドウイスキーです。

本坊酒造は、岩井氏が設計した「岩井ポットスチル」と呼ばれる蒸溜釜を使用して、1960年から本格的にウイスキー造りに力を注いできました。岩井ポットスチルは、本坊酒造のウイスキーの歴史を語る上で欠かせないものなのです。

2010年といえば、「マルスウイスキー」の歴史を語るうえで欠かすことにできないポットスチルが本格稼働して半世紀後。このポットスチルと、本坊酒造のウイスキー造りの創生期を支えた岩井喜一郎氏への尊敬と感謝の念を込めて「岩井トラディション」と名づけられました。

「岩井トラディション」を製造する本坊酒造と岩井喜一郎氏の関係

本坊酒造と岩井喜一郎氏の関係

出典:本坊酒造株式会社サイト

ここで、本坊酒造と岩井喜一郎氏との関係を、岩井氏の経歴とともに深掘りしておきましょう。

「マルスウイスキー」の生みの親、岩井喜一郎氏の経歴

岩井氏は、NHKの連続テレビ小説『マッサン』の主人公のモデルとなった竹鶴政孝氏(ニッカウヰスキー創業者)の摂津酒造時代の上司であり、竹鶴氏をスコットランドに派遣した人物としても有名です。本坊酒造でウイスキー造りを開始する際には、竹鶴氏がまとめた国産ウイスキーの原点である「ウイスキー実習報告書」、通称「竹鶴ノート」を参考にしつつ、自らの知見と経験に基づいてウイスキー蒸留工場、岩井ポットスチルを設計しました。

岩井喜一郎氏が本坊酒造の顧問に就任したのは、本坊家七男の本坊蔵吉氏が、大阪帝国大学(現・大阪大学)工学部在学中に岩井氏に師事したことをきっかけに、アルコール精製技術の第一人者である岩井氏を生みの親とする、「マルスウイスキー」が生まれたのです。

岩井氏の想いが詰まった、本坊酒造のウイスキーブランド「マルスウイスキー」は、現代でもファンに愛されています。

本坊酒造のウイスキー造りの歩み

Jake Hukee / Shutterstock.com

岩井氏が尽力した本坊酒造のウイスキー造りの歩み

本坊酒造のウイスキー造りの歴史を、岩井氏の貢献という観点からみていきます。

本坊酒造は岩井氏の指導のもと、今から70年以上前にウイスキーの製造免許を取得し、鹿児島県内でウイスキー造りを開始。1960年(昭和35年)に岩井氏が設計した蒸溜設備を山梨工場(現・マルス山梨ワイナリー)で本格的に稼働させ、「マルスウイスキー」が誕生しました。

その後も、岩井氏は昭和41年(1966年)に他界するまで、本坊酒造の顧問として活躍し、現在の「マルスウイスキー」の礎を築いたといわれています。

1985年に竣工したマルス駒ヶ岳蒸溜所は、ウイスキーの需要低迷を受けて蒸留を休止したり、貯蔵原酒の商品化のみが行われていた時期もありましたが、「岩井トラディション」発売の翌年、満を持して蒸留を再開。

その後は世界的なウイスキーブームの時流にのって、2016年(平成28年)に創業地である鹿児島県南さつま市加世田津貫に「マルス津貫蒸溜所」を新設。2020年(令和2年)には、ウイスキー蒸溜棟を新設し、マルス駒ヶ岳蒸溜所がリニューアルオープン。長野県と鹿児島県で質の高いウイスキー造りが続けられています。

「岩井トラディション」が評価される理由は?

評価の高い岩井トラディション

AlenKadr / Shutterstock.com

「岩井トラディション」は、手ごろな価格で飲みやすいウイスキーです。正統スコッチウイスキーを超えるべく、原点に忠実に、本物のウイスキー造りへの情熱から生まれる質の高い味わいは、ウイスキー愛好家にも支持されています。日本のみならず世界的なウイスキーコンペティションでも高く評価されていて、その実力は折り紙つきです。

ちなみに、本坊酒造では、岩井ポットスチルから生まれた「マルスウイスキー」というブランドも展開しています。「マルス エクストラ」は、地ウイスキーブームの1980年代、「北のチェリー、東の東亜、西のマルス」と呼ばれ、西の雄として絶大な人気を誇ったウイスキーです。地ウイスキーならではの手に入りにくさと高品質な味わいから、ウイスキー通の間では「幻の逸品」と称されていました。

「岩井トラディション」の生産量はそれほど多くなく、「岩井の会」会員店限定で流通しています。

「岩井トラディション」の種類

「岩井トラディション」の種類を紹介します。

岩井トラディション|上品で重厚感ある味わい

岩井トラディション

出典:本坊酒造株式会社サイト

岩井喜一郎氏への尊敬と感謝の念を込めて生み出された、「岩井の会」限定、販売店限定のブレンデッドウイスキー。複雑で心地よい香りが特長で、口当たりはやわらかく、上品かつ重厚な味わいです。ピート感や熟成感も感じられます。

岩井トラディション ワインカスク フィニッシュ|ワイン樽で追加熟成

岩井トラディション ワインカスク フィニッシュ

出典:本坊酒造株式会社サイト

「岩井トラディション」を、ワイン樽に詰めて1年以上追加熟成したブレンデッドウイスキー。使用している樽は、同社マルス山梨ワイナリーとマルス穂坂ワイナリーの赤ワイン樽です。

口当たりは上品でやわらか。ワイン樽由来の甘いバニラの香りとシェリー樽の古木香が調和した、厚みのある味わいをたのしめます。

岩井 トラディション シェリーカスク フィニッシュ|シェリー樽で追加熟成

岩井トラディションシェリーカスクフィニッシュ

出典:本坊酒造株式会社サイト

「岩井トラディション」を、シェリー樽で追加熟成したブレンデッドウイスキー。極甘口のシェリー「ペドロ・ヒメネス」に使用した樽由来のブラウンシュガーやメープルシロップのような香り、上品な甘さがバランスよく感じられます。「岩井トラディション」本来の豊かな風味も健在です。

※すべて販売店限定、本数限定商品です。

「岩井トラディション」のおいしい飲み方

岩井トラディションの飲み方

Maksym93

「岩井トラディション」は、ストレートやロック、ハイボールなど、どんな飲み方にも合うウイスキーです。

いずれの種類もアルコール度数は40%。ウイスキーのなかでは比較的アルコール感が弱めなためストレートでも飲みやすく、やわらかく上品な口当たりや豊かな味わいをたのしめます。ロックにして液体が冷やされると、口当たりがさらになめらかになり、甘味が際立って感じられるようになります。

初心者にとくにおすすめなのはハイボール。スッキリ爽快な味わいで、食中酒としても最適です。

いろいろな飲み方を試して、おいしい飲み方を見つけてみてください。

「岩井トラディション」は、本坊酒造のウイスキー造りに尽力した故・岩井喜一郎氏への尊敬と感謝の念を込めて造られたウイスキーです。国産ウイスキーの黎明期に端を発する本格ウイスキーを、ぜひ味わってみてはいかがでしょう。

製造元:本坊酒造株式会社
公式サイトはこちら
「岩井トラディション」ブランドサイトはこちら

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