宮城のビール【穀町(こくちょう)ビール】「杜の都」仙台の食文化を後押しするマイクロブルワリー
「穀町ビール」は杜の都・仙台にある新鋭のマイクロブルワリー。老舗酒蔵で日本酒造りを学んだ醸造者が生み出したクラフトビールは、インターナショナル・ビアカップなどのコンテストで高い評価を受けています。今回は、「穀町ビール」の歴史やビール造り、おすすめ商品を紹介します。
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「穀町ビール」は、東北最大級のターミナル・仙台駅から約3キロのところにある小さな醸造所。杜の都と呼ばれる仙台の地で、なぜビール造りを始めたのでしょうか。
「穀町ビール」誕生の根底に、仙台復興への想い
gandhi / PIXTA(ピクスタ)
まずは「穀町ビール」の基本情報をみていきましょう。
下町の小さな醸造所・穀町ビールとは
「穀町ビール」がある仙台は、仙台藩の初代藩主・伊達政宗が造営した仙台城の城下町として発展しました。ブルワリー名にもなっている「穀町」は、江戸時代に米穀売買の特権が与えられていた町のひとつで、当時は米問屋が多く集まり、商人の町として栄えていたそうです。
醸造所の所在地は仙台市若林区石名坂ですが、穀町商店街からほど近い場所。穀物の町で造られるビールということで、ブルワリー名を「穀町ビール」に決めたそう。
「穀町ビール」の看板銘柄は「穀町エール」。ブルワリーにはブルーバー(ブリューバー/ブリューパブ)が併設されていて、蔵出しのビールがたのしめます。
出典:穀町ビール公式ホームページ
穀町ビールに込められた仙台復興と食文化への想い
杜の都・仙台にマイクロブルワリー「穀町ビール」が誕生したのは、2017年のこと。
オーナーの今野高広さんは、イギリス留学やヨーロッパ各地をめぐる旅路で出会った多くのビールに感銘を受け、ナノブリワリーの立ち上げを決意。ビール造りを学ぶかたわら、地元仙台の老舗酒蔵で日本酒造りに従事します。
じつは今野さんは2011年に東日本大震災が発生して以降、地元・仙台の復興のため、少しでも貢献できないかとその方法を模索していましたが、仙台にクラフトビール醸造所がないことに気づいたのをきっかけに、ビール造りで仙台の食文化と観光の発展を後押ししようと考えるようになったそう。
2016年10月に穀町ビールを設立し、2017年6月には酒類等製造免許(発泡酒)を取得。同年7月にクラフトビール造りがスタートしました。
「穀町ビール」のクラフトビールは、高めのアルコール度数と旨味を重視した味わいで人気
出典:穀町ビール公式ホームページ
「穀町ビール」が造るクラフトビールは、醸造者がとりこになったベルギービールにインスパイアされています。その特徴をみていきましょう。
特長1:アルコール度数の高さ
日本の酒税法では、ビールのアルコール度数は20%未満と決められていますが、国内で流通しているビールの多くは5%程度です。
「穀町ビール」のクラフトビールは、一番低いものでも6%。なかには10%を超えるビールもあります。アルコール度数の高さは日本では珍しい部類で、ビールに個性と濃厚さを与えています。
特長2:上面発酵による華やかな香味
「穀町ビール」のクラフトビールには、上面発酵酵母が使われています。上面発酵(エール)ビールは、下面発酵(ラガー)ビールに比べて、華やかな香りと味わいに仕上がる傾向があります。
特長3:ボトルコンディショニング
シャンパンやスパークリングワインに用いられる瓶内二次発酵を採用。きめ細やかな泡を持つ複雑な味わいのビールに仕上げています。
「穀町ビール」のラインナップ
画像提供:穀町ビール
「穀町ビール」のおすすめ商品を紹介します。
穀町エール(10)
出典:穀町ビール公式ホームページ
イギリス産のモルトとホップ、エール酵母を使った褐濁色のビール。ウィスキーの香りや、いちじくのような果実香が感じられる、個性豊かな1本です。
アルコール度数は10%。
「インターナショナル・ビアカップ2021」バーレーワインスタイル部門金賞受賞。
穀町エール(12)
出典:穀町ビール公式ホームページ
ベルジャン・ストロングというビアスタイルの琥珀色のビール。独特の旨味とトロピカルでスパイシーな風味、奥に感じる苦味が特長で、アルコール感はまろやか。「ジャパン・グレートビア・アワーズ2020」金賞受賞のレシピを見直し、磨きをかけた逸品です。チューリップ型のグラスでたのしんで。
アルコール度数は12%。
穀町ゐっと(5)
出典:穀町ビール公式ホームページ
オランダ語で白色を意味する「ウィット(WIT)」から命名されたベルジャン・ウィット。宮城県松島産「希望の大麦」の麦芽を使用。小麦のまろやかさに加え、コリアンダーとオレンジピールの爽快感がたのしめます。
アルコール度数は6%。
「穀町ビール」のクラフトビールを味わうなら醸造所併設のブルーバー「ビア兄」がおすすめ
出典:穀町ビール公式ホームページ
「穀町ビール」併設のブルーパブ「ビア兄(びあにーに)」では、蔵出しのビールを提供。こだわりのクラフトビールを最適な状態で味わえます。
「ビア兄」はカウンター6席の小規模ブルーバー。不定休なので、営業日などは公式Facebookページで確認してください。
「穀町ビール」が醸造するクラフトビールには、造り手のビールへのこだわりと地元仙台への想いが込められています。仙台駅からのアクセスも良好なので、アルコール度数が高めの個性あふれる味わいを堪能しに訪れてみてはいかがでしょうか。
製造元:穀町ビール
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