広島の焼酎【酔いごころ】日本酒「醉心(すいしん)」で知られる老舗蔵元、醉心山根本店が育む本格米焼酎
「酔いごころ」は、広島県三原市の老舗清酒蔵、醉心山根本店が手掛ける「醉心」ブランドの本格米焼酎。清酒の香りが漂う上品な風味が人気です。今回は、「酔いごころ」の香りや味わいの特徴のほか、醉心山根本店の歴史やこだわり、「醉心」ブランドの魅力などを紹介します。
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「酔いごころ」は、万延元年(1860年)創業の日本酒の老舗蔵元、醉心山根本店が手掛ける本格米焼酎です。まずは、「醉心」という人気銘柄の特徴からみていきましょう。
「醉心」は日本画の巨匠、横山大観が終生愛飲した日本酒銘柄
出典:株式会社醉心山根本店Facebookページ
「酔いごころ」は、日本酒の老舗蔵元、醉心山根本店が手掛ける本格米焼酎です。ここでは、「醉心」の故郷や造り手の情報、その名前の由来などをひもときます。
「醉心」の故郷は古くからの銘醸地として知られる備後三原
「醉心」は、広島県三原市で育まれる日本酒の銘柄です。
備後三原といえば、旧令制国・備後国の西の海際、古くは「吉備」と呼ばれた地域の西端の地です。7世紀後半から8世紀にかけて編さんされた日本最古の歌集「万葉集」に、「吉備の酒」を詠んだ歌があります。
出典 『万葉集』第4巻古人(ふるひと)の 飲(たま)へしめたる 吉備の酒
病(や)めばすべなし 貫簀(ぬきす)賜(たば)らむ
これは酒を贈られた丹生女王(にうのおおきみ)が、贈り主の大宰府の長官、大伴旅人(おおとものたびと)に対して詠んだ歌とされます。「昔の人が飲ませてくださった吉備の酒。飲み過ぎて悪酔いしたら苦しいです。竹の敷物を下さい」(『新日本古典文学大系1』岩波書店)をはじめ、さまざまな解釈があります。また、江戸時代前期に書かれた万葉集の研究書『万葉代匠記』のなかには、
吉備の酒と書きたれば、
今の世にも備後の柞原(みはら)酒など名あれば、
昔も彼の国によき酒作りけむを
と、三原の酒を連想させる興味深い記述もあります。
水運に恵まれた備後三原は交通の要衝として繁栄する一方、米や水、また気候にも恵まれ、酒の産地としても知られていました。江戸時代初期には、当時主流だった濁り酒ではなく「諸白(もろはく)」と呼ばれる上等な酒が醸造されていたことの記録が残されていること、同じく江戸時代初期に編さんされた俳諧書『毛吹草(けふきぐさ)』にも名酒として紹介されていることから、銘醸地として栄えていたことがわかります。
出典:株式会社醉心山根本店ホームページ
「醉心」の醸造元は万延元年創業の醉心山根本店
瀬戸内海沿岸山陽側のほぼ中央に位置する備後三原は、毛利元就の三男で、戦国時代から安土桃山時代にかけて活躍した小早川隆景(こばやかわたかかげ)が築いた三原城の城下町として栄えました。古くから酒の醸造技術が定着していたこの地で、幕末期の万延元年(1860年)に創業したのが、「醉心」の醸造元、醉心山根本店です。
かつては全国五指に入る銘醸地とまでいわれた備後三原。一時は多くの酒造家が技を競い合っていましたが、時代の流れとともに蔵元の数は減少していきました。今となっては、この地に現存する唯一の蔵元となった醉心山根本店。今後も備後三原の日本酒の伝統を守るべく、おいしいお酒を醸し続けることでしょう。
「醉心」の名前の由来
「醉心」の銘柄が生まれたのは明治時代半ばごろのこと。当時20数種あった銘柄を統一しようと考えていた2代目当主の山根英三氏が、夢枕にあらわれた白髪の老人から「醉心(よいごころ)とすべし」と告げられたそうです。その後、お客様から「醉心(すいしん)」と呼ばれるようになり、いつしかそれが銘柄名として定着したといいます。
「醉心」と日本画の巨匠・横山大観
明治・大正・昭和の3つの時代を生きた近代日本画の巨匠、横山大観(よこやまたいかん)氏が終生愛飲したお酒として語り継がれている「醉心」。というのも、大観氏は朝食でお茶碗にかるく1杯程度のご飯を食べる以外は、日々の活動に必要なエネルギーを「醉心」で摂っていたそうで、「醉心」が大観氏の主食であったといっても過言ではないようです。
大観氏ととくに親しかったのは醉心山根本店の3代目当主、山根薫氏。昭和時代の初期、当時、東京の神田にあった醉心山根本店の東京支店に連日のようにお酒を買いに訪れるご婦人があり、お店の人がたずねると、大観夫人とのこと。興味を持った薫氏が大観氏宅を訪ねて酒造りの話をしたところ、「酒造りも絵を画くのも芸術だ」と意気投合。感激した薫氏は一生の飲み分を約束したそうです。
戦時下でもこの約束は守られ、大観氏がその生涯を終えるまで続いたといいます。そのお礼に、大観氏は折にふれて蔵元に作品を贈っていたそう。
「醉心」ブランドのおいしさの秘密
出典:株式会社醉心山根本店ホームページ
「醉心」のおいしさの秘密を紹介します。
「醉心」のおいしさの秘密:超軟水仕込み
現在、「醉心」の仕込みには、広島県中央部にそびえる鷹ノ巣山の山麓の井戸で汲み上げる水が使われています。
ミネラル含有量が少ないとされる日本の水道水の硬度の平均値は約49mg/L。WHOの基準によると、硬度60mg/L未満は「軟水」、硬度60~120mg/L未満は「中程度の軟水」に分類されるので、日本で一般的に飲まれている水は軟水といえます。対して、鷹ノ巣山山麓の井戸水の硬度は約14mg/L。「超軟水」と呼んでもさしつかえないでしょう。
醉心山根本店では、幾人もの杜氏たちが何年もかけて、独自の「超軟水仕込み」を作り上げてきました。その過程で、麹造り、酒母、もろみの仕込みなど、「超軟水」にあわせて酒造りを全般的に見直していったといいます。その結果、キメ細やかでなめらか味わいの純米吟醸、上品な香りでみずみずしい風味の純米大吟醸など、多彩な酒が生み出されたのです。
山頂付近にブナの原生林を抱く鷹ノ巣山にちなみ、この水を使って醸し、初めて広く商品化したお酒は「ぶなのしずく」と名づけられました。
今では、「醉心」の酒造りに広くその超軟水が使われています。なかでも、醉心山根本店の主軸商品である「純米吟醸 醉心稲穂」には「超軟水」による酒造りの特長がよく表れていて、その味わいは多くの料理との相性が楽しめる、まさにお米を炊いた「ご飯」のようともいわれるそうです。
Takasah / PIXTA(ピクスタ)
「醉心」のおいしさの秘密:お米へのこだわり
昭和30年代前半より、「醉心」の酒造りには、兵庫県三田市産の「山田錦」が使われています。以来、三田市産「山田錦」は「醉心」の酒造りの主要な部分に多用され、味わいの根幹を担っています。なかでも、30%にまで磨かれた「山田錦」と「超軟水」で醸される「究極の醉心 大吟醸」は、トップブランドとして人気を集めています。
また、醉心山根本店は、地元産のお米を使った酒造りにも挑戦しています。蔵元がある三原市で生産された「大粒ダイヤ」、三原と同じく旧備後国に含まれる福山市で生産される「恋の予感」などから、特長のある酒が生まれています。
「よいごころ」は「醉心」ブランドの米焼酎
出典:株式会社醉心山根本店ホームページ
「酔いごころ」は、看板銘柄「醉心」、超軟水が生んだ「ぶなのしずく」で培ってきたこだわりが活きた本格米焼酎。独自の「超軟水仕込み」で仕上げたもろみを搾り、それを減圧蒸溜した原酒を数年じっくりと熟成させています。ほのかで上品な日本酒の香りと米の豊かな風味、まろやかな飲み口が特長で、食中酒にも最適。料理に合わせて、多彩な飲み方がたのしめます。
「酔いごころ」以外の本格米焼酎もおすすめ
「醉心」には、「酔いごころ」のほかにもおいしい本格米焼酎があります。
醉心「宿禰島(すくねじま)」本格米焼酎
出典:株式会社醉心山根本店ホームページ
瀬戸内海三原沖に浮かぶ無人の小島「宿祢島(すくねじま)」の名を冠した本格米焼酎。
「宿祢島」を舞台に故・新藤兼人(しんどうかねと)監督が作り上げた映画『裸の島』(1960年製作)は、英国アカデミー賞をはじめ世界の賞レースで脚光を浴び、モスクワ国際映画祭でグランプリを受賞。日本映画史に残る作品となりました。
この「裸の島(宿祢島)」を愛する会とのコラボレーションで生まれ、限定ラベルで登場したのが、醉心「宿禰島(すくねじま)」本格米焼酎。まろやかで豊かな風味が特長です。
なお、この焼酎の売り上げの一部は、「宿祢島」の保護活動に活用されるそう。
醉心 本格米焼酎「樽貯蔵」
出典:株式会社醉心山根本店ホームページ
独自の「超軟水仕込み」で仕上げたもろみを搾り、減圧蒸溜した原酒を数年かけてじっくり熟成。仕上げにオーク樽(シェリー酒の古樽)で貯蔵し、風味豊かに仕上げた逸品です。氷を盛ったグラスに注いで、なめらかな口当たりとスッキリしたのどごしを満喫してみては?
醉心 本格焼酎「橅(ブナ)の年輪」樽貯蔵
出典:株式会社醉心山根本店ホームページ
独自の「超軟水仕込み」で仕上げたもろみを搾って減圧蒸留した原酒をホーロータンクで10年以上熟成させ、さらに25年熟成させた原酒をブレンド。仕上げにオーク樽で貯蔵・熟成させた、スペシャルな本格米焼酎。この上なくまろやかで豊かな風味を満喫できます。小振りなグラスでゆっくりと味わって。
2018年 秋季全国酒類コンクールで第1位を獲得。
「酔いごころ」は、備後三原の日本酒「醉心」のこだわりが光る本格米焼酎。日本酒を想わせる上品な香りと豊かな米の風味、「超軟水仕込み」ならではのまろやかな飲み口を心ゆくまで堪能してください。
製造元:株式会社醉心山根本店
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