高知の焼酎【いごっそう】土佐清酒「司牡丹」の蔵元が造る、焼酎の大吟醸ともいうべき至極の逸品

高知の焼酎【いごっそう】土佐清酒「司牡丹」の蔵元が造る、焼酎の大吟醸ともいうべき至極の逸品
出典 : omizu / PIXTA(ピクスタ)

「いごっそう」は、土佐の老舗蔵元・司牡丹酒造が、厳選の米で造る本格長期熟成焼酎です。今回は、坂本龍馬ゆかりの蔵とされる司牡丹酒造の歴史や酒造り、「いごっそう」の味わいや種類、司牡丹酒造のおすすめ本格焼酎などを紹介します。

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「いごっそう」の造り手は、慶長8年(1603年)創業の司牡丹酒造。まずは、日本酒「司牡丹」で名高い土佐の清酒蔵の酒造りからみていきましょう。

「いごっそう」は土佐清酒蔵・司牡丹酒造が手掛ける焼酎銘柄

高知県の蔵元・司牡丹酒造

画像提供:司牡丹酒造株式会社

「いごっそう」を手掛けるのは、第45・48・49・50・51代内閣総理大臣・吉田茂が愛飲した土佐の名酒「司牡丹(つかさぼたん)」で知られる司牡丹酒造。江戸時代の幕開けから続く老舗蔵元の歴史や酒造りを紹介します。

司牡丹酒造は400年以上の伝統を持つ老舗蔵元

「いごっそう」の蔵元・司牡丹酒造が会社を設立したのは大正7年(1918年)のことですが、創業は関ヶ原の戦いから3年後の慶長8年(1603年)までさかのぼります。

徳川家康から土佐一国を与えられた山内一豊(やまうちかずとよ)の入国で土佐藩の歴史が始まりましたが、筆頭家老として佐川1万石を預かることになった深尾和泉守重良(ふかおいずみのかみしげよし)に従ってきた商家のなかに、酒造りを業(なりわい)とする「御酒屋」の名がありました。これが司牡丹酒造の前身です。

以来、佐川(現在の高知県高岡郡佐川町)の地で酒造りの伝統を脈々と受け継ぎ、大正7年に近代企業として株式会社を設立。佐川町出身の維新の志士で明治新政府の宮内相も務めた田中光顕(たなかみつあき)から「天下の芳醇なり、今後は酒の王たるべし」との激励の一筆とともに「司牡丹」と命名されました。

看板銘柄の名前でもある「司牡丹」には、「牡丹は百花の王、さらに牡丹の中の司たるべし」との意味が込められているといいます。

司牡丹酒造の日本酒を愛飲した政界人は、田中光顕だけではありません。第27代内閣総理大臣・濱口雄幸(はまぐちおさち)も愛飲し、首相在任中に「芳醇無比」の賛辞を送ったという記録が社宝として残されているそう。

司牡丹酒造のこだわりの酒造り

画像提供:司牡丹酒造株式会社

司牡丹酒造の酒造り

司牡丹酒造のこだわりは、「米」「水」「技」そして「心」にあります。

米へのこだわり

司牡丹酒造では、特定名称酒の多くに麹米と酒母米に「酒米の王様」の異名を持つ「山田錦」を使用。兵庫県産の「特上山田錦」が中心ですが、近年は高知県佐川町と四万十町にて、環境に負荷をかけない自然な農法「永田農法」で栽培した高知県産山田錦も取り入れています。

水へのこだわり

司牡丹酒造が仕込み水に使うのは、四国山脈の連峰から流れ出る仁淀川水系の湧水(軟水)。仁淀川は、古来、大神に捧げるお酒を醸造していたことから「神河」とも呼ばれ、国土交通省が行う一級河川の水質調査において、2012〜2021年の10年間に8回以上「水質が最も良好な河川」となった全国6河川のひとつです。

技へのこだわり

現社長の曾祖父に当たる竹村源十郎氏は、徹底した品質至上主義を唱え、昭和元年から全国の有名醸造地を巡る旅を開始。6年後には仁淀川水系の軟水による酒造りに適した技を持つ広島杜氏の第一人者を招き入れて、独自の技術を確立します。以来、「全国新酒鑑評会」をはじめとするコンクールで輝かしい受賞歴を重ねてきました。

司牡丹酒造の妥協のない酒造り

出典:司牡丹酒造株式会社ホームページ

心へのこだわり

戦時中の全国的な米不足により醸造石数が激減したときも、「石数は落としても酒質は落とさない」と品質至上主義を貫いた司牡丹酒造。「三倍増醸酒(さんばいぞうじょうしゅ)」が横行していた昭和50年(1975年)に、当時の級別制度で「特級」に相当するすべてのお酒を、平成2年(1990年)に導入された特定名称による分類でいう「純米酒」または「本醸造酒」に切り替えました。

さらに昭和54年(1979年)には「特級」のお酒をすべて「純米酒」に、翌年には「一級」のお酒を「本醸造酒」にしたことで、司牡丹酒造の日本酒は1980年代に巻き起こった地酒ブームの中心銘柄のひとつになります。

令和2年の統計※によると、全国酒造メーカーが製造する特定名称酒の比率は日本酒全体の40%程度ですが、司牡丹酒造では70%以上が特定名称酒。「土佐」「本物」「エコロジー」にこだわった妥協のないお酒造りを行っています。

※参照:国税庁「清酒の製造状況等について 令和2酒造年度分」(令和4年3月)

司牡丹酒造は坂本龍馬ゆかりの蔵元

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司牡丹酒造の主要銘柄は坂本龍馬が飲んだ酒として語り継がれる「司牡丹」

司牡丹酒造の看板銘柄は「司牡丹(つかさぼたん)」。司馬遼太郎著『竜馬がゆく』のなかで竜馬(龍馬)が飲んだお酒として描かれる日本酒です。

高知県といえば、坂本龍馬の生誕地として知られていますが、坂本家の本家である「才谷屋」は、質商に始まり、のちに諸品売買業や酒屋も営むようになった城下屈指の富商です。この「才谷屋」に残る記録のなかには司牡丹酒造の屋号も登場していて、両者の間に姻戚関係があった可能性も示唆されているのだとか。

司牡丹酒造のある佐川の地は多くの維新の志士を輩出していること、蔵元が代々受け継いできた所蔵品のなかに坂本龍馬の手紙があることなどを重ね合わせると、龍馬が実際、のちに「司牡丹」と命名されるお酒を飲んでいた可能性は十分に考えられます。

「いごっそう」とはどんな焼酎? 味わいと名前の由来

本格長期熟成米焼酎「いごっそう」

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「いごっそう」の特徴と、名前に託された想いなどをみていきましょう。

「いごっそう」は芳醇な香りとコク味が特徴の本格米焼酎

土佐の焼酎「いごっそう」は、日本酒造りに適したお米を伝統の製法でじっくり発酵・蒸溜した原酒を、長い年月をかけて熟成させた長期熟成の本格米焼酎。原料由来の芳醇な香りとコク味に熟成焼酎特有のまろやかさと深みが加わった至高の逸品です。

「いごっそう」の名前の由来は?

「いごっそう」とは、「がんこ者」「負けず嫌い」を意味する土佐弁。高知県の男性の気質を表す言葉としても用いられ、漢字では「異骨相」と書かれることがあります。

がんこ者というと、融通が利かない偏屈者をイメージする人もいるかもしれませんが、「いごっそう」は、単なるがんこ一徹の負けず嫌いではなく、南国独特の明るい風土を反映したおおらかさやユーモアも兼ね備えた人に使われる言葉。伝統の技と酒造りへの信念を貫く特別な焼酎にぴったりの名前といえそうですね。

「いごっそう」のラインナップ

「いごっそう」のラインナップ全4種を紹介します。

土佐焼酎「いごっそう 43度」(10年以上熟成)

土佐焼酎「いごっそう43度」

出典:司牡丹酒造株式会社ホームページ

「焼酎の大吟醸」とも評される10年以上貯蔵の本格大古酒。長期熟成焼酎でしか味わえない、円熟した香りとまろやかで深い味わいを堪能できます。

土佐焼酎「いごっそう 25度」(3年以上熟成)

土佐焼酎「いごっそう 25度(3年以上熟成)」

出典:司牡丹酒造株式会社ホームページ

3年間以上じっくり貯蔵・熟成させた本格古酒。ガツンとしたインパクトがありながら、あと口はやわらか。日常酒にもぴったりの1本です。

土佐焼酎「ごっそう25度」(5年以上熟成)

土佐焼酎「いごっそう 25度(5年以上熟成)」

出典:司牡丹酒造株式会社ホームページ

伝統の手法でじっくり発酵・蒸溜させた土佐焼酎「いごっそう」を5年以上熟成させた本格古酒。芳醇な香りとコク味、まろやかな口当たりをたのしんで。

土佐焼酎「ゴールドいごっそう 43度」

土佐焼酎「ゴールドいごっそう 43度」

出典:司牡丹酒造株式会社ホームページ

樫樽で10年以上貯蔵した長期熟成焼酎を、さらに樫樽に貯蔵した、琥珀色の「いごっそう」。ウイスキーやブランデーに引けをとらない芳醇で濃厚な香りと洗練された味わいが魅力です。

「いごっそう」の蔵元が造る本格焼酎を飲み比べ

「いごっそう」が気に入った人は、司牡丹酒造が手掛ける「司白鷺(つかさしらさぎ)」と「大土佐(おおとさ)」も試してみてはいかがでしょう。

本格米焼酎 司白鷺 25度/35度

本格米焼酎「司白鷺」

出典:司牡丹酒造株式会社ホームページ

司牡丹酒造が手掛ける本格焼酎の原点ともいうべき定番銘柄。厳選した米を原料に、昔ながらの製法でていねいに発酵・蒸溜した、米由来の豊かな香味が味わえる1本です。アルコール度数25度と35度からお気に入りを選んで。

清酒取り焼酎 大土佐(25度)

清酒取り焼酎「大土佐」

出典:司牡丹酒造株式会社ホームページ

清酒を減圧蒸溜して造った、土佐ならではの清酒取り焼酎。清酒のほのかな香りとすっきりしたのどごしが特徴です。

「いごっそう」は、土佐の老舗蔵元が培った日本酒造りの技術で造る長期熟成焼酎。米焼酎ファンはもちろん、日本酒好きな人もぜひ一度味わってみてください。

製造元:司牡丹酒造株式会社
公式サイトはこちら

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