日本酒「〆張鶴 純(しめはりつる じゅん)」は、良質な酒造好適米の産地として知られる米処村上の銘酒

日本酒「〆張鶴 純(しめはりつる じゅん)」は、良質な酒造好適米の産地として知られる米処村上の銘酒
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「〆張鶴(しめはりづる)」は新潟県村上市にある宮尾酒造の人気銘柄です。なかでも、純米吟醸酒「〆張鶴 純」は、40年以上にわたって愛される人気商品となっています。今回は、宮尾酒造の酒造りのこだわりから「〆張鶴 純」の魅力、「純」以外のラインナップまで紹介します。

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宮尾酒造の歴史と酒造り

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新潟県村上市にある宮尾酒造は、江戸時代創業の歴史ある蔵元です。良質な酒造好適米を産出する村上市で、品質にこだわる酒造りを続けています。

宮尾酒造は米処として知られる村上の歴史ある蔵元

宮尾酒造は、江戸時代後期の文政2年(1819年)、大関屋という屋号で創業。「五百万石(ごひゃくまんごく)」や「高嶺錦(たかねにしき)」などの酒造好適米を産出する米処・村上市で200年以上にわたり酒造りを行っています。

村上市は新潟県の最北に位置し、武家屋敷や町屋造りの民家など、江戸時代に城下町として栄えた町並みや史跡を多く残す歴史ある町です。村上市は江戸時代に世界初の鮭の人工増殖に成功した「鮭のまち」として知られるほか、北海道と大阪の間を往来した交易船「北前船(きたまえぶね)」の寄港地として栄えた歴史があります。

宮尾酒造は、江戸時代末期には村上の城下で「北前船」を航海させる廻船業も営んでいたとされ、蔵には当時の航海図なども残されているのだとか。そして、このような廻船業とともに取り組まれていた酒造りは脈々と受け継がれ、伝統の味わいを今に伝えています。

宮尾酒造の淡麗旨口の酒造り

宮尾酒造が醸す「〆張鶴」は、今や村上屈指の銘酒として全国的に知られる人気銘柄です。「〆張鶴」という酒銘は、一説には、もともとの銘柄である「若鶴」に「神聖な酒にしめ縄を張る」という意味を加えて名づけられたといわれています。

「〆張鶴」の魅力は、一言でいうと「淡麗旨口」と表現されます。ふくらみのある味わいと豊かな旨味がありながらキレのあるさっぱりした後味の「〆張鶴」は、飲み飽きず料理との相性も抜群です。

宮尾酒造では、二代目・宮尾又吉氏が創業当時の酒造技術について記した貴重な技術書、「酒造伝授秘宝之巻」が大切に受け継がれています。酒造環境や技術が変化した現在では同書と同じ製法は用いられていないそうですが、宮尾酒造では同書に記された品質第一の教えをひたむきに守り続けています。

日本の酒造業界の動向を振り返れば、過去には太平洋戦争前後の米不足を機に生まれた「三倍増醸清酒」が市場を席巻したり、新潟の「淡麗辛口」の地酒が注目を浴びたりとさまざまな流行の波がありましたが、宮尾酒造ではこれらの流行に乗ることなく、独自の酒造りを貫いてきました。真摯に伝統を守り品質にこだわり続ける姿勢も、多くのファンを魅了するゆえんといえるでしょう。

「〆張鶴 純」は40年にわたって愛される人気酒

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「〆張鶴」は地元村上の良質な水と米から造られます。大量生産に走ることなく品質を追求する酒造りが、村上の風土に根ざした伝統の味わいを生み出しています。

「〆張鶴」は村上の風土に寄り添う地酒

宮尾酒造は、地元村上の良質な水や米を用いて、地元の風土に根ざした酒造りを行っています。宮尾酒造では敷地内の井戸から地下水を汲み上げ、仕込み水や洗い水として使用しています。この地下水は三面川(みなおもてがわ)の伏流水で、きめ細かな甘味を持つ軟水であることが特徴です。

また、宮尾酒造では原料となる米にもこだわり、地元産の良質なものを厳選して使用しています。新潟県が誇る人気の酒造好適米である「五百万石」は、とくに質が高いとされる岩船地区で収穫されたものを使用。「コシヒカリ」や「越淡麗(こしたんれい)」は村上市産のものを使用しています。

岩船地区の農家では量よりも品質を重視する米作りを行っているため、生産できる米の量は多くありません。宮尾酒造ではこれらの貴重な原料を使用し、人気銘柄となった今も大量生産せず品質重視の酒造りを続けることで、村上の風土に寄り添う独自の味わいを守っています。

五百万石を使用した「純」は飲み飽きしない逸品

「〆張鶴 純」は、「〆張鶴」のなかでもとくに人気の高いお酒です。昭和40年代、まだ日本で純米酒が一般的でなかったころに発売され、以後40年以上にわたるロングセラーとなっています。

「〆張鶴 純」は岩船産「五百万石」を自家製米で50%まで磨いて使用した純米吟醸酒。優雅な香りとまろやかな旨味、すっきりとキレ味のよい後味が魅力です。

「〆張鶴 純」は2015・2017・2020年度の「全米日本酒歓評会」の吟醸酒部門で銀賞を受賞したほか、「IWCインターナショナルワインチャレンジ2017」の純米吟醸部門で銅賞、2019年度の「OMOTENASHI Selection」で金賞を受賞するなど、数々の栄光に輝いています。

「〆張鶴」は多彩なラインナップも魅力

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「〆張鶴」は「純」以外にも多数のラインナップがあります。原料となる米や精米歩合、製法などの違いによって異なる味わいがたのしめるのも魅力といえるでしょう。

「純」以外の定番品も高い人気を誇る

「〆張鶴」の「純」以外の定番品としては、以下の商品が挙げられます。

【〆張鶴 純米吟醸 山田錦】

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酒造好適米の王様といわれる「山田錦」を精米歩合50%まで磨いて使用した純米吟醸酒です。「山田錦」の魅力を活かした華やかな香りとふくらみのある味わいが魅力で、とくに薄味の和食との相性が抜群です。20度程度の「冷や(ひや)」、または40度程度の「ぬる燗」でたのしむのがおすすめです。

【〆張鶴 吟撰(ぎんせん)】

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「〆張鶴 吟撰」は精米歩合50%まで磨いた「山田錦」を使用した吟醸酒です。上品で華やかな吟醸香とまろやかな口当たり、キレのある後味が魅力のお酒で、冷やで飲むのがおすすめです。

【〆張鶴 特選】

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「〆張鶴 特選」は精米歩合50%まで磨いた「山田錦」を麹米に使用し、精米歩合55%まで磨いた「山田錦」と「五百万石」を掛米に使用した吟醸酒です。穏やかな香りとなめらかでふくよかな味わいが特徴で、冷ややぬる燗が適しています。

【〆張鶴 雪】

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「〆張鶴 雪」は精米歩合55%まで磨いた「五百万石」などの米を使用した特別本醸造酒です。穏やかな香りと淡麗な味わい、すっきりとしたさわやかな飲み口が魅力のお酒で、食中酒にも適したお酒といえるでしょう。冷ややぬる燗がおすすめです。

【〆張鶴 月】

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「〆張鶴 月」は「五百万石」をはじめとする精米歩合55%の麹米と精米歩合60%の掛米を使用して造った本醸造酒です。やや辛口ですっきりした味わいとさわやかな飲み口が特徴のお酒で、冷酒でも燗でもたのしめますが、ぬる燗にするとより香りや味わいが引き立ちます。

ひと味違った「〆張鶴」がたのしめる限定品も充実

「〆張鶴」は季節限定品も多く出荷されています。その一部を紹介しましょう。

【〆張鶴 純米大吟醸 PLATINUM LABEL 袋取り雫酒】

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「〆張鶴 純米大吟醸 PLATINUM LABEL 袋取り雫酒」は、宮尾酒造のなかでも最高レベルである、精米歩合30%まで磨いた「山田錦」を使用した純米大吟醸酒。醪を入れた袋を吊るし、自然にしたたり落ちる雫だけを取った貴重なお酒です。季節限定、完全受注生産の特別な商品となっています。

同シリーズには、精米歩合35%の「山田錦」を使用して袋取りで搾った完全受注生産品「〆張鶴 純米大吟醸 BLUE LABEL 袋取り雫酒」と、精米歩合35%の「山田錦」から造られ3月中旬に季節限定で販売される「〆張鶴 純米大吟醸 RED LABEL」もあります。

【〆張鶴 金ラベル】

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「〆張鶴 金ラベル」は精米歩合35%の「山田錦」を使用した大吟醸酒で、11月に出荷されます。華やかな香りとまろやかで芳醇な味わいが魅力であり、冷やして飲むのがおすすめです。

【〆張鶴 銀ラベル】

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同じく11月に出荷される「〆張鶴 銀ラベル」は、精米歩合が38%であることが「金ラベル」との違いです。「金ラベル」と比べると香りは穏やかで、キレのよい辛口となっています。

【〆張鶴 吟醸生貯蔵酒】

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「〆張鶴 吟醸生貯蔵酒」は、4月末から7月に出荷されるお酒です。精米歩合50%の「山田錦」を使用した吟醸生貯蔵酒で、フルーティーでフレッシュな香りとまろやかな口当たり、すっきりしたさわやかな味わいが魅力となっています。冷やしたり、オンザロックにしたりしてたのしむのがおすすめです。

なお、宮尾酒造の季節限定商品としては、ほかにも「〆張鶴 純米吟醸 越淡麗」や「〆張鶴 しぼりたて生原酒」「〆張鶴 純米吟醸生原酒」「〆張鶴の梅酒」といったラインナップがあり、それぞれ異なる味わいがたのしめます。


「〆張鶴」を醸す宮尾酒造は、地元村上の原料を用いた品質第一の酒造りを貫いてきた蔵元です。ロングセラーの「純」はもちろん、高い人気を誇るその他の定番品や季節ごとの限定品もぜひ試してみたいですね。


製造元:宮尾酒造株式会社
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