新潟の酒蔵を見学に行こう! ツアー情報から試飲の可否まで、新潟市や魚沼市ほか地域ごとに紹介

新潟県は、47都道府県トップの日本酒酒蔵数を誇る県。一般の人を対象とした見学や試飲ができる酒蔵も数多くあります。今回は、新潟の酒蔵見学を特集。見学情報や試飲の可否などを、新潟市、魚沼市、下越地区、中越地区、上越地区、佐渡地区に分けて紹介します。
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目次
まずは酒蔵見学の魅力からみていきしょう。なお、以下の情報は2025年2月現在のものです。変更されている場合もあるので、見学の計画を立てる際には、各蔵元のホームページを事前に必ず確認しましょう。
日本でいちばん酒蔵が多い新潟県で酒蔵見学ツアーをたのしもう!

Fast&Slow / PIXTA(ピクスタ)
新潟県は全国有数の酒処。日本酒を醸造する酒蔵の数も日本でいちばん多く、新潟県酒造組合の会員蔵元数は89を数えます(2023年12月現在)。
このなかには、酒蔵見学ができる蔵元もあります。
酒蔵見学の魅力といえば、酒造りの様子が実際に間近で見られること。蔵のスタッフが説明をしてくれる酒蔵もあり、日本酒造りの知識のみならず、蔵元の歴史や酒造りに対する信念への理解も深められます。
また、酒蔵見学のたのしみといえば、試飲や利き酒(テイスティング)も挙げられます。なかには、無料で複数種類の試飲ができる蔵元や、搾りたての原酒をふるまう蔵元もあります。
このほか、見学にとどまらず、実際の日本酒造りが体験できる蔵元もあるなど、新潟の酒蔵見学は多種多様。蔵ごとに特徴があるといっても過言ではありません。以下を参考に、新潟の酒蔵見学ツアーをたのしみましょう。
新潟市内で酒蔵見学ができる蔵元
新潟県の県庁所在地、新潟市の酒蔵見学可能な蔵元から3蔵紹介します。
今代司酒造

出典:今代司酒造株式会社サイト
新潟市の今代司(いまよつかさ)酒造は、江戸時代創業の老舗蔵。全量純米仕込みの蔵元で、手掛ける銘柄には「今代司」のほか、ニシキゴイをかたどったボトルデザインでも知られる「錦鯉」などがあります。特筆すべきは、新潟駅から徒歩約15分という立地のよさ。遠方からでも現地での移動手段を気にせず訪ねることができます。
◇見学:無料/要予約 ※15名までは無料、16名以上は1人400円(税込)
◇試飲:予約不要
詳細は今代司酒造株式会社サイトの酒蔵見学情報ページへ
今代司酒造株式会社
新潟県新潟市中央区鏡が岡1番1号
公式サイトはこちら
高野酒造

出典:高野酒造株式会社サイト
「越路吹雪(こしじふぶき)」ブランドで知られる高野酒造では、大吟醸酒はもちろん、普通酒を含むすべての酒質で長期低温発酵(吟醸造り)での酒造りが行われています。リーズナブルな料金で、1名から参加できる酒蔵見学では、こだわりの酒造りの工程を蔵人ガイドつきで見ることができるほか、試飲も可能です。
◇見学:550円(税込)※20歳未満は無料/要予約
◇試飲:見学に含まれます(敷地内にある直営店「KULABO(クラボ)」には有料で試飲ができる角打ちコーナーもあり)
詳細は高野酒造株式会社サイトの酒蔵見学情報ページへ
高野酒造株式会社
新潟県新潟市西区木山24-1
公式サイトはこちら
笹祝酒造

出典:笹祝酒造株式会社サイト
笹祝(ささいわい)酒造が手掛ける「笹祝」は、「地酒中の地酒」とも呼ばれる、長年地元の人々に愛されてきた銘柄。原料米の全量が地元の新潟市産米で、またスタッフも全員地元に在住者という徹底した地元志向で、「今飲んで美味い」日本酒を提供してきました。見学には記念品として「笹祝平盃」がついてきます。
◇見学:550円(税込)※20歳未満は無料/要予約
◇試飲:あり(6種類以上)/酒蔵見学に参加しない場合は500円(税込)※予約不要
詳細は笹祝酒造株式会社サイトの酒蔵見学情報ページへ
笹祝酒造株式会社
新潟県新潟市西蒲区松野尾3249
公式サイトはこちら
魚沼市内で酒蔵見学ができる蔵元
国内有数の米処・魚沼市にある2つの蔵元の酒造見学情報を紹介します。
緑川酒造

masa / PIXTA(ピクスタ)
魚沼市の緑川酒造は、信頼のおける契約酒販店のみでの販売を徹底している蔵元。清潔そのものの蔵で、徹底した温度管理のもと造られる「緑川」銘柄の日本酒は、淡くきれいな酒質で知られています。通年受け入れている酒蔵見学は、少人数のみ可能。見学時間は1時間半程度から、質問が多いときなどにはそれ以上になることもあるようです。
◇見学:要予約
緑川酒造株式会社
新潟県魚沼市青島4015-1
公式サイトはありません。
玉川酒造

ナオ / PIXTA(ピクスタ)
1673年の創業以来、350年余りの歴史を有する玉川酒造は「玉風味(たまふうみ)」銘柄で知られる蔵元です。直売所の越後ゆきくら館には酒蔵見学コースがあり、雪中貯蔵庫「ゆきくら」などが見学できます。試飲コーナーでは10種類前後のお酒が無料でたのしめます。また、ゆきくら館の前で飲める仕込み水は持ち帰りも可能となっています。
◇見学:無料/予約不要
◇試飲:無料
詳細は玉川酒造株式会社サイトの酒蔵見学情報ページへ
玉川酒造株式会社
新潟県魚沼市須原1643
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下越地区で酒蔵見学ができる蔵元
新潟県北部の下越地区にある、酒蔵見学ができる蔵元のなかから3蔵を紹介します。
王紋酒造

出典:体感型酒蔵リゾート五階菱サイト
新発田(しばた)市の王紋酒造は、代表銘柄「王紋」をはじめ、良質で芳醇、とてもまろやかな口当たりの日本酒を醸している蔵元です。2022年4月には酒蔵見学のほか、プロジェクションマッピングなどもたのしめる「体感型酒蔵リゾート五階菱」をオープン。王紋酒造以外の新発田市の蔵元の日本酒も取り扱うなど地元の魅力発信にもひと役買っています。
◇見学:大人3,300円、中学生~19歳2,200円、小学生1,650円(すべて税込・お土産つき)/要予約
※物産品販売所は無料
◇試飲:無料(有料試飲あり)
詳細は体感型酒蔵リゾート五階菱サイトの酒蔵見学情報ページへ
王紋酒造株式会社
酒蔵:新潟県新発田市諏訪町3丁目1番17号
本社:新潟県新発田市本町1丁目7番5号
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越後桜酒造

出典:越後桜酒造株式会社サイト
阿賀野市の越後桜(えちござくら)酒造は、華やかな香りとスッキリとした味わいが特徴の「大吟醸 越後桜」をはじめとする「越後桜」ブランドを手掛ける蔵元。現在、コロナウイルス感染拡大防止のため、VRゴーグルを使用する、無料のヴァーチャルリアリティ酒蔵体験ツアーを開催中。売店では、限定商品が飲める無料試飲も実施しています。
◇見学:無料/要予約(6名以上は団体となり1週間前までに予約が必要)
◇試飲:無料
詳細は越後桜酒造株式会社サイトの酒蔵見学情報ページへ
越後桜酒造株式会社
新潟県阿賀野市山口町1丁目7番13号
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麒麟山酒造

出典:麒麟山酒造株式会社サイト
飲み飽きしないスッキリとした淡麗辛口の銘柄「麒麟山(きりんざん)」を醸す麒麟山酒造は、地元・阿賀町産の米を100パーセント使用する酒造りを行う酒蔵です。高級酒ではなく、地元の人々が日々たのしめる定番酒造りに力を入れています。麒麟山酒造の酒蔵見学は6月~9月上旬の期間限定。有料ですがお土産つきで試飲もできます。
◇見学:20歳以上1,000円(税込・お土産つき)/要予約
◇試飲:見学に含まれます。
詳細は麒麟山酒造株式会社サイトの酒蔵見学情報ページへ
麒麟山酒造株式会社
麒麟蔵(製造場):新潟県東蒲原郡阿賀町津川3636
本社:新潟県東蒲原郡阿賀町津川46
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中越地区で酒蔵見学ができる蔵元
新潟県の中央部、中越地区の酒蔵見学可能な蔵元から3蔵紹介します。
朝日酒造

画像提供:朝日酒造株式会社
1830年の創業から200年近くもの間、品質本意の日本酒造りを行ってきた長岡市の朝日酒造。創業時の屋号を冠した代表銘柄「久保田」は、淡麗辛口の味わいを確立した日本酒としても知られています。朝日酒造の酒蔵見学は12月~4月下旬に行われる60分コースと、通年開催されている20分コースの2種類。いずれも無料で行われています。
◇見学:無料/60分コースは要予約、20分コースは予約不要(10名以上は要予約)
◇試飲:無料
詳細は朝日酒造株式会社サイトの酒蔵見学情報ページへ
朝日酒造株式会社
新潟県長岡市朝日880-1
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石塚酒造

sarakazu / PIXTA(ピクスタ)
「姫の井」などの銘柄で知られる柏崎市の石塚酒造は、四段仕込みにもち米を使用する製法で酒造りを行っている蔵元です。もち米を使う四段仕込みで造られた日本酒はコクと旨味が強く出る傾向があり、石塚酒造のお酒も「濃厚辛口」の味わいを特徴としています。酒蔵見学にはスタッフが同行し説明。見学後には試飲もできます。
◇見学:無料/予約推奨
◇試飲:無料
詳細は石塚酒造株式会社サイトの酒蔵見学情報ページへ
石塚酒造株式会社
新潟県柏崎市高柳町岡野町1820-2
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白瀧酒造

出典:白瀧酒造株式会社サイト
湯沢町の白瀧酒造は「上善如水(じょうぜんみずのごとし)」ブランドで知られる蔵元。やわらかい雪どけ水で仕込まれる「上善如水」は、清らかな水のようにするりと飲める飲み口のよいお酒です。白瀧酒造の酒蔵見学は完全予約制。1日1回、1時間ほどの見学で、蔵人同行のうえ少人数で行われます。見学後はショールームで試飲もできます。
◇見学:無料/要予約
◇試飲:無料/予約不要
詳細は白瀧酒造株式会社サイトの酒蔵見学情報ページへ
白瀧酒造株式会社
新潟県南魚沼郡湯沢町大字湯沢2640番地
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上越地区で酒蔵見学ができる蔵元
新潟県南部の上越地区で酒蔵見学可能な蔵元のうち、3蔵を紹介します。
武蔵野酒造

出典:株式会社武蔵野酒造サイト
「スキー正宗」を手掛ける武蔵野酒造は、伝統の「飲み飽きしない酒造り」をモットーに、基本に忠実な旨酒造りを行っている蔵元です。酒蔵見学と試飲のコースは3種類。武蔵野酒造の酒造りについて知りたいときには「蔵見学コース」がおすすめです。工程ごとに係員がナビゲート。5~6種類ほどのお酒を試飲することもできます。
◇見学:プレミアムコース700円、楽酔亭コース2,000円、蔵見学コース3,000円(すべて税込)/要予約
◇試飲:コースに含まれます
詳細は株式会社武蔵野酒造サイトの酒蔵見学情報ページへ
株式会社武蔵野酒造
新潟県上越市西城町4-7-46
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千代の光酒造

ぱぱ〜ん / PIXTA(ピクスタ)
妙高市の千代の光酒造は、「千代の光」銘柄などの日本酒を手掛ける蔵元。淡麗さとやわらかさをあわせ持つ酒質のお酒を醸し出しています。酒蔵見学は2種。通年行われている酒蔵見学では仕込蔵などが見学できます。11月~3月に行われている「神秘の蔵見学」は、機械の電源を落とした夜に開催。もろみの発酵音を聞くことができます。
◇見学:要問合せ
◇試飲:要問合せ
詳細は千代の光酒造株式会社サイトの酒蔵見学情報ページへ
千代の光酒造株式会社
新潟県妙高市窪松原656
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加賀の井酒造

画像提供:加賀の井酒造株式会社
糸魚川市の加賀の井酒造は、「加賀の井」銘柄の日本酒を手掛ける蔵元です。中硬水の仕込み水を使用し「芯の通った旨味と、後味のキレのバランス」を追求。食事とともに飲む、料理に合う日本酒を造り出しています。加賀の井酒造の酒蔵見学は、製造工程にしたがってスタッフが建物の外側より案内する形で行われます。なお試飲については予約が必要です。
◇見学:2名以上は要予約
◇試飲:希望の場合は要予約
詳細は加賀の井酒造株式会社サイトの酒蔵見学情報ページへ
加賀の井酒造株式会社
新潟県糸魚川市大町2-3-5
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佐渡地区で酒蔵見学ができる蔵元
佐渡島(さどがしま/さどしま)内で酒蔵見学可能な蔵元のうち、3蔵を紹介します。
尾畑酒造

画像提供:尾畑酒造株式会社
佐渡の尾畑酒造は「真野鶴(まのつる)」銘柄などを醸造する蔵元です。廃校を再生した尾畑酒造の2番目の蔵「学校蔵」では、佐渡に1週間滞在し、製麹(せいきく)から三段仕込みまでの工程を体験できる「1週間の酒造り体験プログラム」があります。また、学校蔵を数時間で満喫する特別テイスティングコースも、おつまみつきのものなど複数用意されています。
◇酒造り体験:酒造り体験プログラム100,000円、ショート・テイスティングコース3,000円ほか(すべて税込)/要予約
◇試飲:有料/要予約
詳細は尾畑酒造株式会社サイトの学校蔵情報ページへ
尾畑酒造株式会社
新潟県佐渡市真野新町449
尾畑酒造 学校蔵
新潟県佐渡市西三川1871
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天領盃酒造

shige hattori / PIXTA(ピクスタ)
「雅楽代(うたしろ)」や「天領盃(てんりょうはい)」などを手掛ける佐渡の天領盃酒造は、「挑戦し続けること、変化や失敗を恐れないこと、お酒に対して誠実であること」をモットーとする蔵元です。酒蔵見学は4月~12月に行われていて予約が必要。このほか予約なしで参加できる飲み比べテイスティングも行われています。
◇見学:要予約(飲み比べテイスティングは予約不要)
◇試飲:飲み比べテイスティングは有料
詳細は天領盃酒造株式会社サイトの酒蔵見学情報ページへ
天領盃酒造株式会社
新潟県佐渡市加茂歌代458
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北雪酒造

画像提供:株式会社北雪酒造
「北雪(ほくせつ)」銘柄で知られる佐渡の北雪酒造は、水・米・人を大切にする実直な酒造りを行う一方、もろみを搾る工程に遠心分離装置を取り入れるなどチャレンジ精神も持つ蔵元です。酒蔵見学は酒造り期間となる冬期には行われないこともあるので予約時に確認しましょう。試飲コーナーでは日本酒のほか、焼酎やリキュールもたのしめます。
◇見学:無料/要予約
◇試飲:無料
詳細は株式会社北雪酒造サイトの酒蔵見学情報ページへ
株式会社北雪酒造
新潟県佐渡市徳和2377番地2
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知っておこう! 酒蔵見学のマナー

Maks_lab / Shutterstock.com
日本酒は、麹菌や酵母といった微生物の力を借りて造られるものです。日本酒造りに悪影響を与える可能性がある、納豆菌や乳酸菌、青カビや酸を酒蔵内に持ち込まないため、見学前に以下を食べるのは絶対に避けましょう。
◆納豆
納豆菌は非常に強く、麹などに悪影響をおよぼす可能性あり。
◆ヨーグルトなどの発酵食品
乳酸菌はもろみに悪影響をおよぼす可能性あり。
◆柑橘類などの果物
青カビ菌や酸が麹菌に悪影響をおよぼす可能性あり。
また、日本酒の香りが感じられなくなったり、においが移ったりする可能性が生じることから、以下を身につけるのも絶対にやめましょう。
◆香水
◆においが強い整髪料など
なお、コンプライアンスや衛生面、安全面への配慮から、以下についても注意が必要です。
◇試飲や利き酒などでお酒を飲んだら、車やバイク、自転車の運転は絶対にしない
◇蔵の設備や備品には絶対に触れない
◇許可を得ていない場所へは絶対に立ち入らない
◇許可を得ていない写真撮影はNG
◇土足厳禁の場合があるので、歩きやすく脱いだり履いたりしやすい靴で参加する
◇そのほか、蔵元や案内者の指示には絶対に従う
日々研鑽し、時間と手間を惜しまずおいしい日本酒を造り出している蔵元に敬意を表するためにも、マナー違反やルール違反は厳禁です。節度を保ったうえで、酒蔵見学やテイスティングを心ゆくまでたのしみましょう。
※酒蔵見学や試飲などについては2025年2月現在の情報です。
