新潟の日本酒【緑川(みどりかわ)】素材や製法はもちろん、流通にまでこだわり抜いた酒

新潟の日本酒【緑川(みどりかわ)】素材や製法はもちろん、流通にまでこだわり抜いた酒
出典 : NaturalBox/ Shutterstock.com

「緑川」は、コシヒカリの名産地である新潟県魚沼市の蔵元が手掛けるこだわりの日本酒です。良質の米と水で仕込み、低温発酵、低音長期貯蔵で醸されるその味わいは、淡麗辛口にして繊細。ここでは、ファンを魅了してやまない「緑川」の魅力やその源流を探ります。

  • 更新日:

「緑川」は新潟を代表する地酒

「緑川」は新潟を代表する地酒

janken/ Shutterstock.com

「緑川」を育む新潟県魚沼市の自然

「緑川」の造り手は、国内でも有数の豪雪地帯として知られる新潟県魚沼市の緑川酒造で、明治17年(1884年)に旧小出町で創業しました。平成2年(1990年)10月に、よりよい環境を求めて魚野川沿いの郊外に移転し、今に至ります。

「緑川」のふるさとである魚沼市は山々に囲まれた盆地で、尾瀬国立公園や越後三山只見(えちごさんざんただみ)国定公園の一部を抱く風光明媚な土地。四季の変化に富んだこの地域では、その恵まれた自然と気候を生かし、古くから稲作を中心とした農業や地酒造りが行われてきました。

「緑川」は良質な米と水から造られる名酒

緑川酒造が蔵を構える青島地区は、魚沼産コシヒカリなどの良質な米が育つ田園地帯です。鮎やニジマスが棲息する清らかな魚野川(うおのがわ)が付近を流れ、日本百名山のひとつでもある谷川岳から清冽かつ豊富な水を運んできます。

このような恵まれた環境のなかで育まれる「緑川」は、日本有数の米処で収穫された質の高い米から生まれます。仕込み水には地下約50メートルから汲み上げた軟水が使用され、緑川酒造ならではのこだわりの製法で繊細かつ奥深い味わいに仕上げられています。

「緑川」を醸す緑川酒造とは?

「緑川」を醸す緑川酒造とは?

Tomasz Koryl/ Shutterstock.com

緑川酒造の特徴

「緑川」を手がける緑川酒造は、公式ホームページを持たず、またオンライン通販も行わず、商品の流通は信頼の置ける正規特約店にのみ委託するという独特の営業スタイルを貫く会社です。緑川酒造の商品を扱う特約店にしても、電話申し込みや対面販売などインターネットを介さない販売方法が主流で、インターネット上での商品紹介や宣伝は行わないという暗黙のルールがあるそう。

緑川酒造がもっとも大切にするのは酒造りのこだわりですが、それに負けないほど徹底しているのが、こうした販売ルートです。酒類のEC(Eコマース)市場規模が急速に拡大するなか、時代に逆行しているともとれる販売方法をあえて選択する背景にこそ、緑川酒造ならではのブランディング戦略と自社商品に対する強い思いが根ざしているといっても過言ではないでしょう。

「緑川」に対する蔵元の想い

緑川酒造がネット通販を行わない最大の理由は、「緑川酒造のお酒を本当に気に入ってくれる人に託したい」という蔵元の切なる想いにあります。現社長の大平俊治氏が営業担当とともに5年以上の歳月をかけて全国の特約店を巡り、築き上げてきた関係性こそが、「緑川」をはじめとするこの蔵の酒のブランド力の礎です。そうして全国の特約店が、緑川を愛してくれる人との橋渡し役となっていることに違いはありません。

「緑川」を育む緑川酒造の製法上のこだわり

「緑川」を育む緑川酒造の製法上のこだわり

MoveAsia/ Shutterstock.com

緑川酒造のこだわり1:清潔第一

緑川酒造は、酒造りに対しても並々ならないこだわりを持っています。その筆頭に挙げられるのが、清潔な環境における日本酒造りです。

「緑川」を造る蔵は、清潔第一。旧小出町時代に問題視されていた作業現場の危険を取り除き、蔵人が安心して酒造りを行えるようにと、足元から壁まで整理整頓が行き届いています。もちろん、使用後の片付け方から配置にまでこだわりは光っていて、その徹底ぶりは、専門家による定期的なチェックやアドバイスの賜物との声も聞かれます。

雑菌の繁殖する隙のないこの清潔さこそが、「緑川」の酒質の原点。旨い日本酒造りに適した環境といえるでしょう。

緑川酒造のこだわり2:良質の米と水

蔵元がおもに使用しているのは、「北陸12号」という希少な酒造好適米です。古くから使われてきた酒米ですが、蔵元が目をつけたころにはほとんど生産されなくなっていたそうで、現在も緑川酒造のほかに1蔵が使用しているだけとなっています。

このように生産量の少ない酒米ですが、北陸12号で醸すと、控えめな味わいと軽い飲み口、寝かせても重くならないといった特長があり、緑川酒造の目指す酒質には好適です。そのため、蔵元は、種もみから増やした北陸12号の栽培を、地元の契約農家に依頼して調達しています。なお、緑川酒造では、ほかの酒米もすべて県産米を使用しているのが特徴です。

それから、緑川酒造は仕込み水にもこだわっています。「緑川」の仕込み水に使用しているのは、鉄分が少なくクセのない良質な軟水。旧小出町から現在の住所へ移転先を定めたのも、水ありきのことでした。

緑川酒造のこだわり3:徹底した温度管理

緑川酒造の製法上のこだわりは、緻密な温度管理にあります。

魚沼地区は元来、酒造りに適した環境が整っていて、古くから数々の銘酒が生まれてきた土地です。しかし、緑川酒造ではその恵まれた環境だけに頼ることなく、独自の冷蔵設備を導入して、気候の変化に影響されない安定した酒造りを行っています。

そうして、発酵、熟成とも低温下で行うことで、繊細で落ち着いた酒質を実現。熟成の魅力とフレッシュさが共存する日本酒に仕上げているのです。

「緑川」は味も香りも上品な究極の食中酒

「緑川」は味も香りも上品な究極の食中酒

jazz3311/ Shutterstock.com

「緑川」の特徴と魅力

新潟の日本酒といえば淡麗辛口が特徴ですが、なかでも「緑川」は、あえて主張を抑えた飲みやすさのなかに、香りや旨味がふわっと感じられる、繊細かつ奥ゆかしい魅力が人気を集めています。このような個性は、良質の米と水、低温発酵と低温熟成の賜物です。「緑川」を手に取る際は、ほのかな香りとふくらみのある味わいを堪能してください。

「緑川」は究極の食中酒

「緑川」は、「食事の席にあったらつい飲んでしまうような日本酒を作りたい」という蔵元の理想のもとに、精魂込めて育まれたお酒です。ガツンというインパクトはありませんが、食事の風味を損なわず、またどんな料理とも絶妙に引き立て合える味わいに仕上がっています。後味のキレもよく飲み飽きしない、まさに理想の食中酒といえるでしょう。

「緑川」のラインナップを紹介

「緑川」のラインナップを紹介

Nishihama/ Shutterstock.com

「緑川」を初めて飲むならこの1本

「緑川」を初めて飲む人はもちろんのこと、日本酒ビギナーにも自信を持っておすすめしたいのが「純米 緑川」。淡麗さのなかにも旨味が感じられる純米酒で、ただ飲みやすいだけでなく、深い味わいと上品な香りがたのしめる、新潟の日本酒を代表する1本です。冷やまたはぬるめの燗で、その魅力を余すところなく堪能してください。

「緑川」のラインナップを飲み比べ

「緑川」には、「純米 緑川」」のほかにも人気商品がズラリ。ここでは一度は飲みたいおすすめ商品を紹介します。

【純米吟醸 緑川】
低温でゆっくり時間をかけて熟成された飲みやすい純米吟醸酒。吟醸香と純米ならではの味の厚みがたのしめます。

【大吟醸 緑川】
緑川酒造の伝統技術の粋を堪能するなら、「大吟醸 緑川」がおすすめ。高級感あふれる味と香り、長期熟成ならではのなめらかな口当たりに、舌鼓を打つはずです。

【霞しぼり 緑川】
北陸12号を100%使用し、澱(おり)を絡めた搾りたての生酒。フルーティーな香りがたのしめる春先だけの限定商品です。

【雪洞貯蔵酒 緑】
冬季に絞った純米吟醸酒を約0度の雪洞で貯蔵し、夏がくる前までゆっくり熟成させた季節限定商品。フレッシュでやわらかな味わいの逸品です。

「緑川」には、ほかにも純米大吟醸酒や純米吟醸酒、大吟醸酒、本醸造酒など、原材料や精米歩合の異なる定番商品や、こだわりの季節限定商品が多数ラインナップされています。


緑川酒造が醸す日本酒「緑川」は、米と水にこだわって造られる人気銘柄です。購入するには正規特約店を探して電話で注文するか、実店舗へ足を運ぶ必要がありますが、チャンスがあったらぜひ味わってみたいものですね。

新潟の日本酒【緑川(みどりかわ)】売り方にまで妥協しない酒《SAKE DIPLOMA監修》

おすすめ情報

関連情報

日本酒の基礎知識