【ビールde バトンリレー】 横浜ベイブルーイング 醸造士 手嶋 弘樹さん
2021年3月に終了したビール専門の姉妹サイト「ビアパレット」の好評連載記事をたのしいお酒.jpで紹介します。 今回はIBREW 新橋駅前店 赤羽根さんからご紹介いただいた横浜ベイブルーイングで醸造士として働く手嶋さんを取材しました。
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目次
ビールを愛する、横浜ベイブルーイング 醸造士 手嶋 弘樹さん
ビールを愛する、横浜ベイブルーイング 醸造士 手嶋さん
いつの間にか好きになっていたビール
大学の時に、4カ月間中国に留学をする機会がありました。お酒を飲み始めたころは、ビールが苦手でした。しかし、中国にはお酒はビールしかないと聞いていたので、ビールに慣れておこうと思いビールを意識的に飲んでいたら、いつの間にか好きになっていました。
その後クラフトビールを意識し始めたのは、大学4年の時に居酒屋のアルバイト先の社員さんがヤッホーブルーイングの「よなよなエール」を教えてくれて飲んだ時に”あっ美味しい“と思ったのが最初でした。ヤッホーブルーイングのビールは手に入りやすいので、よく飲んでいましたね。
また、その当時は、Green Flashを飲んで、IPAにもハマりましたが、今はラガービールですね。Firestone Walkerのラガーを飲んで、こんなにボディが軽くて、スイスイ飲めるラガーを飲むのは初めての経験でした。今でも大好きで良く飲みます。
出身地にもクラフトビールが浸透していけばいいなと思います
“ビール=大手ビール会社のピルスナー”しかないという認識の人を一人でも変えたい、という想いがあります。大学時代のアルバイト先では、店長やアルバイト仲間、常連さん、みんながお酒好きで、お酒好きに囲まれて過ごしました。
しかし、新卒で入社した会社は、自動車関連の仕事で飲酒に厳しかったということや、車通勤の人も多く、お酒が好きな人が少なくてカルチャーショックを受けました。本社勤務の社員は150人程がいて、お酒好きな人ももちろんいましたが、クラフトビール好きの人は、私以外にはいなかったと思います。
関東に暮らしていると、だいぶクラフトビールというものが浸透していると実感していますが、出身地である愛知県でも、もっとクラフトビールが浸透していってほしいなと思います。
多岐にわたって仕事をしています
ビールを仕込んでいるタンク
現在行っている仕事は、醸造の業務だけでなく営業や原材料の仕入れ、経理、資料作成など多岐にわたっています。仕込みは、週に2,3回しています。醸造に時間がかかる工程の時は、朝9時に出社して、夜遅くまで作業をする時があります。
また半年に一度の輸入麦芽関税の軽減申請書類の作成は、気が進まない仕事ではありますね。麦芽の使用実績と今後の使用計画を書いて提出するのですが、毎回取り掛かるまで気が重いです。
仕事の中で、一番好きなのは、イベント出店の仕事です。今年の秋にも出店するけやきひろばビール祭りや大江戸ビール祭りでは、主に呼び込みの担当をしています。
イベント出店が楽しい!
イベントで提供するビールは、横浜ベイブルーイングは、スタンダードなビールで定番のピルスナーやヴァイツェンなどが多いです。ビールイベントには、必ずしもビールに詳しい方が来るわけではありません。フルーツビールや様々な副原料を使った目新しいビールを求めて来場するお客さんも多い気がします。
その中で、いかにお客さんを呼び込むか、自社のビールを購入の選択肢の中に入れてもらうかを考えて試行錯誤するのが楽しいですね。来場者には、ラフな雰囲気で話しかけることが多いです。ビールを飲んでくれた人に“美味しい”と言われたり、おかわりをしにブースに来てくれたりすると心の中で、ガッツポーズですね!
イベントに来たお客さんをクラフトビールの沼に引きずりこみたい
せっかくのビールイベントに遊びに来て、“クラフトビールは美味しくない”や“口に合わない“という想いをする人が出ないように、自社ビールの押し付けはしないように気を付けています。
お客様にどんなビールが好きか好みを聞いて、自社ラインナップに好みのビールが無ければ迷わず他社ビールを薦めます。自社の売上も大事ですが、一番は「クラフトビールの沼に引きずり込む」ことなので。業界全体が盛り上がって欲しい想いが勝ちます。
イベントで、ビール好きになった方が巡り巡っていつか横浜ベイブルーイングのビールを飲んでくれることを期待したいと思います。
ビール人生最大の出来事は横浜ベイブルーイングに入社したこと
醸造所で飼っているネコと一緒に
ビール好きになり、自動車部品の商社から、横浜ベイブルーイングに転職したことは最大の出来事です。他のブルワリーでは、醸造部門、営業・広報部門と部署が分かれているところが多いと思いますが、醸造だけでなく、様々な経験ができるので、ベイブルーイングに入ることができてよかったと思っています。
横浜ベイブルーイングの福利厚生の一つに、2年以上の勤務で「チェコ研修」というものがあります。チェコで毎年2月に「GOLD BREWERS SEAL」というコンペティションとビアフェスが一体化したイベントが開催されています。社長が毎年審査員として参加しており、それに同行させてもらえるというものです。私は今年参加させてもらいました。審査員として参加して、良し悪し様々なビールに触れ、大きな経験を積めました。
期間中、ピルスナーウルケルやブドバーのブルワリーツアーにも行き、その他単身でドイツにも行きました。ドイツでは、3都市程回り、燻製ビールの本場、バンベルクや大都市ミュンヘンで飲みまわりました。しかし、やっぱりこの研修で一番感激したのはチェコで飲むピルスナーウルケルでした。チェコは物価も安く、ビールも美味しく、また訪れたい国です。
同業者の交流の場としてビールイベントを訪れています。
休日にビールイベントがあれば遊びに行っています。自分が出店している時は、沢山飲むことはできないので、他のブルワリーへの挨拶をしながら、気になるビールを飲んだりしています。作り方が気になると聞くことができるので、同業の交流の場としてすごくいいなと思っています。休みの日でもお酒は飲んでいます。
最近は、深夜ラジオが好きで、「佐久間宣行のオールナイトニッポン0」と、「creepy nutsのオールナイトニッポン0」を毎週楽しみにしています。アプリを使うとどこでも聞くことができるので、仕事の事務作業をしている時やご飯を食べている時に聞いています。
横浜ベイブルーイングのオススメのビール
左:ベイヴァイス 右:ベイピルスナー
ベイピルスナー(PINT:900円,HALF:600円)を是非飲んでほしいと思います。
クラフトビールのお店やビールイベントでピルスナーは選択肢に入りにくいものだと思いますが、お客さんには、あえてピルスナーを選んで飲んでほしいなと思います。“ピルスナーはいつも飲んでいるし…”と選択肢からはずすのではなく、ピルスナーの中でもまた違う味わいや楽しみ方ができることを知ってほしいなと思います。
ビールの街、横浜
横浜ベイブルーイングの直営店である、関内本店と戸塚店にぜひお越しください!横浜、特に関内、野毛エリアはクラフトビールのお店が豊富でビール好きにはたまらない街です。
私は工場勤務でお店に立つことはありませんが、戸塚工場では月に一回タップルームでビールを飲むことができます。毎月第一土曜日に開催し、フード持ち込み自由、自社ビールがハーフパイント500円から楽しめます。お時間が合えば是非お越しください!
また、毎年1月に、横浜の大さん橋で「JAPAN BREWERS CUP」を主催しています。ビール職人たちがビールフェスティバルの前日に、ビールの審査会を行い、ビールカテゴリーごとに順位を付けます。翌日から開催されるビールフェスティバルの来場者は、受賞者のビールを楽しむことができます。
※記事中の価格等は、2019年8月21日現在のものです。
【手嶋 弘樹さん プロフィール】
愛知県豊橋市出身。新卒で工業用部品の商社で働き始めるが、ビール熱が高じて2017年5月に転職、横浜ベイブルーイング入社。醸造だけでなく、経理関係、営業、イベント出店、JAPAN BREWERS CUPの運営等多岐に渡る業務を担当。
<取材協力>横浜ベイブルーイング 戸塚工場、関内本店
横浜ベイブルーイング
横浜ベイブルーイングは、横浜のクラフトビールブルワリー。2011年8月に横浜の関内駅近くに、直営店をオープン。現在関内本店、戸塚店の2店舗を構える。2012年1月からオリジナルビールの製造を開始。2016年10月には、戸塚工場での醸造を開始。
横浜ベイブルーイングHP
https://www.yokohamabaybrewing.jp/
〈横浜ベイブルーイング戸塚工場〉
・TEL
045-443-9972
・所在地
〒245-0053
神奈川県横浜市戸塚区上矢部町2006
・公式Facebook
https://ja-jp.facebook.com/YokohamaBayBrewing/
〈横浜ベイブルーイング関内本店〉
・TEL
045-341-0450
・所在地
〒231-0044
神奈川県横浜市福富町東通2-15-1F
・アクセス
JR関内駅徒歩4分 地下鉄関内駅徒歩2分
・営業時間
平日:16:30〜23:30
土日祝:13:00〜23:30
〈横浜ベイブルーイング戸塚店〉
・TEL
045-392-6066
・所在地
〒244-0816
神奈川県戸塚区上倉田507-3-1F
・アクセス
JR戸塚駅東口徒歩3分
・営業時間
平日:17:00〜24:00
土曜:13:00〜24:00
日祝:13:00〜23:00
・定休日
月曜日
※本記事は「ビアパレット」で掲載していた記事を再編集しています。
記事内の情報や商品の価格は取材当時の情報ですので、ご了承ください。