【ビールde バトンリレー】STYLE BREW WORKS 植松康佑さん、田中健二郎さん
2021年の3月に終了したビール専門の姉妹サイト「ビアパレット」の好評連載記事をたのしいお酒.jpで紹介します。今回は、BC Beer Trading 草場さんからご紹介頂いた STYLE BREW WORKS 植松さんと田中さんを取材しました。取材日:2020年3月
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目次
ビールを愛する、STYLE BREW WORKS 植松さんと田中さん
ビールを愛する、STYLE BREW WORKS 田中さん(左)と植松さん(右)
大学生の時にクラフトビールにハマりました
植松さん(以下・植松):京都の大学に通っている時に、木屋町通りによく通っていました。木屋町通りは、飲食店とアート、音楽が融合しているような街です。
その街のレコード屋が経営しているカフェに繋がっていたのが志賀高原ビールの「House IPA」でした。ガツンと来るIPAを飲んだ時に、「なんてすごいビールなんだ」と感動したのを覚えています。
このビールを飲んだことをきっかけにクラフトビールにハマっていきました。
田中さん(以下・田中):ビールはお酒を飲み始めた時から好きで、よく飲んでいました。
クラフトビールにハマったきっかけは、京都にある「和知」という地ビールと燻製のお店で飲んだ North Coast Brewing 「Brother Thelonious」でした。自分もこういうビールを造ってみたいなと思うきっかけにもなりました。
植松:田中さんは、大学の先輩で学部は違うんですが、イベントでDJなど音楽をする団体で一緒でした。そのころは、一緒にビールを造るとは思っていませんでした。
ビールの世界には、思い切って入りました
田中:大学卒業後は公務員を目指していましたが、好きな事を仕事にしたいと思い、クラフトビールの世界に入りました。
大阪で開催されていた Craft Beer Picnic のボランティアスタッフとして参加した時に、出店しているお店の中で一番美味しいと感じるビールのブルワリーで働こうと決め、出店しているビールを全て飲んでいきました。
一番美味しいと感じたのは、箕面ビールが造ったビールでした。そこからすぐに電話をして、箕面ビールで働かせてもらう事になりました。電話をしていなければ、ビールの世界に入ることは無かったので勇気をだしてよかったと思っています。
植松:私がクラフトビールの仕事をしたいと思った当時、国内のブルワリーでは、あまり人を募集しておらず、なかなか縁がありませんでした。
知人に紹介してもらったのは、ニュージーランドの Funk Estateというビール工場でした。面接は Skype でもよかったのですが、「ここは現地まで行った方がいい」と思いニュージーランドまで行きました。
そこで、自分の想いを直接伝えることができ、約1年間働かせてもらいました。高い面接費用だったなと思っています(笑)。二人ともビールの世界に入るときは、思い切って行動していますね。
クラフトビールがある空間を楽しんでほしい
僕たちの提供する価値は「楽しめること」
植松:自分がクラフトビールと出会ったのは、音楽を通してでした。自分達がビールを造り、イベントなどを企画する時は、「クラフトビールとアート」や「クラフトビールと音楽」などビール単体ではなく、何かと一緒に楽しめる空間を作りたいなと思っています。
田中:植松さんとクラフトビールを造ろうと思ったきっかけもそうですが、楽しいかどうかというのが重要だなと思っています。自分達がやっていて、楽しいかどうかが仕事をする上でもモチベーションにもなっています。
「STYLE BREW WORKS」「クラフトビール」「お客さん」がどういう空間なら楽しめるのかというのを考えて、ビールのコンセプトや名前を決めています。ビール単体ではないという事が僕たちがビールを造る価値ではないかなと思っています。
パイントでごくごく飲んでほしい
田中:ビールを造る時は、パイントで飲んでもずっと飽きないようなビールを造るようにしています。
UKパイントで出てくるとテンションも上がると思います。造り手からしても、ごくごく飲んでもらえるのは、嬉しいですね。
一方、ゆっくり味わって飲んでもおいしいビールを造れるように心がけています。何も考えることなく、ビールを楽しんで飲んでほしいなと思います。
また、クラフトビールだと思わず、当たり前にビールとして消費してほしいなとも思います。クラフトビールを飲んだことのない人達がクラフトビールを飲んでくれるようになれば嬉しいです。
電車でビールを運んでいました
卸先を1軒1軒開拓した日々
植松:醸造所を持たないファントムブルワリーとして、最初に「STYLE BREW WORKS」を立ち上げた時は、大変でした。
ビールを卸す先が1つもない所から始めたので、営業先を1軒1軒回っていきました。配達をする時も都内であれば、10L樽をカバンに入れ、電車で運んでいきました。
田中:自分達で直接ビールを運んだ際に、時間があればそのお店で飲んでいました。納品時にそこで飲むとお店の人とコミュニケーションを取ることができるので、とてもいいなと思っていました。大変でしたけど、楽しかったです。
最初にビールが売れた時は嬉しかった
植松:自分達の造ったビールが初めて売れた時は、飛び跳ねて喜ぶくらい嬉しかったです。
味の保証もないのにお店に置いてくださり、お店でお客さんに提供されているを見た時に、鳥肌が立ちました。お客さんから美味しいと言ってくださった事は、今でも励みになっています。
田中:「STYLE BREW WORKS」でビールを造る前から、箕面ビールや OGA BREWING でビールを造っていたので、飲んだ方の感想を聞く機会はありました。
ですが、「STYLE BREW WORKS」のコンセプトで、自分達が造ったビールを飲んでいるお客さんの姿を見たときは、感動しました。
楽しい空間でお酒を飲むのが好きです
植松:一人の時は、勉強モードで、造りや味わいを意識してビールを飲む時もありますが、みんなで色んな話をしながら楽しく飲む事もあります。様々な飲み方があるのがクラフトビールの良い所だなと思います。
田中:お酒を飲んでいる時の空間が好きなので、みんなでワイワイしながらビールを飲むお酒が好きですね。近所のパブに行けば誰かしら知り合いがいるので、みんなで乾杯して、楽しい空間でお酒を飲むのが好きです。
2020年中にカナダで活動したいと思っています
植松:2020年中にビールの勉強をする為にカナダに行ってきます。現地のブルワーさんはご紹介していただいているので、自分達がどこまでできるのかというのは、未知な部分があります。
引き続き、カナダで「STYLE BREW WORKS」の活動をしていきたいなと思っています。
田中:今後は、自分達のブルワリ―を持つことも目標にあります。もう一つの目標としては、壮大な夢ですが、お互い好きなアーティストがいるので、コラボビールが造れたらと思います。
これからも音楽などのカルチャーと関わっていければなと思います。
好きなビールと休日の過ごし方を聞きました
好きなビールは?
植松:カナダのビールも好きです。ストーリーを知るとぐっとそのブルワリーが好きになります。
田中:ずっと飲んでいたいビールは、箕面ビールのペールエールとスタウトです。私にとっては、永遠のクラシックです。
また、最初にハマった North Coast Brewing の 「Brother Thelonious」は、セロニアス・モンクというジャズピアニストのラベルがきっかけでした。このビールのようにラベルがきっかけで好きになったビールもあります。
休日の過ごし方は?
植松:元々ビアバーに飲みに行くことが趣味でした。ビールの街の横浜にも週一で飲みに行き、そのあとぶらぶらと観光するのが好きでした。今は、ビアバーに行っても営業しに行くという感覚があるので、仕事と遊びで半々くらいですね。
あとは、ピストバイクにハマっています。仕事場まで往復40kmを走っています。走っている時は、色々考えることができるので、楽しいです。
田中:家にいて映画や格闘技を見ることが多いですね。週末だったらボクシングや格闘技の中継を見ています。趣味でDJもしているので、面白い音楽はないかと音楽を探すときもあります。
DJとしても活動する田中さん
植松康佑さん・田中健二郎さん プロフィール
植松さんは東京都・武蔵野市出身、田中さんは長野県出身。京都の大学で先輩後輩として出会う。大学時代は、DJなど音楽活動をしていた。
植松さんは、ニュージーランドでブルワリーの仕事を1年間経験。田中さんは、大学卒業後、箕面ビールでキャリアを積む。植松さんが田中さんに声をかけ、2人で「STYLE BREW WORKS」を立ち上げる。
二人で初めて造ったIPA「Departure」(左)
NZ産の新品種のホップを使用したNZ IPA「Funkin’for Aotearoa」(右)
《撮影協力》【STYLE BREW WORKS】
「STYLE BREW WORKS」のロゴ
【STYLE BREW WORKS】公式SNS
Facebook:https://www.facebook.com/STYLE-BREW-WORKS-106440960715979/
Instagram:https://www.instagram.com/stylebrewworks/
※本記事は「ビアパレット」で掲載していた記事を再編集しています。記事内の情報や商品の価格、営業時間などは取材当時の情報ですので、ご了承ください。