「都々逸(どどいつ)」江戸時代から続く和蔵(わくら)酒造が生み出す本格米焼酎【千葉の焼酎】

「都々逸(どどいつ)」江戸時代から続く和蔵(わくら)酒造が生み出す本格米焼酎【千葉の焼酎】
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「都々逸」は、千葉県の蔵元・和蔵酒造の貞元蔵(ていげんくら)が手掛ける焼酎銘柄です。良質な米を黒麹(くろこうじ)で仕込んだ米焼酎で、しっかりとしたコクとキレのよい口当たりが魅力です。たのしみ方なども含めて「都々逸」の魅力に迫ります。

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「都々逸」は房総の蔵元が造る米焼酎

和蔵酒造株式会社サイト

「都々逸」は房総半島の蔵元が手掛ける焼酎

「都々逸」は、千葉県の蔵元・和蔵酒造が手掛ける焼酎です。

和蔵酒造は、千葉県の大部分を占める房総半島の南西部、君津(きみつ)市と富津(ふっつ)市にそれぞれ蔵を構えています。付近一帯の西側は、東京湾の出入り口である浦賀水道に面した「内房」と呼ばれる地域で、砂浜と岩石の海岸が交互に続く美しい自然景観で知られています。

「都々逸」は焼酎専用蔵が造る本格米焼酎

「都々逸」は、和蔵酒造の2つの蔵のうち、君津市にある焼酎専用蔵「貞元蔵」で造られている本格米焼酎です。

米焼酎は、原料米と米麹(こめこうじ)を仕込んで発酵させた焼酎用の醪(もろみ)を蒸溜して造るのが一般的。対して「都々逸」では、良質な米と米麹から清酒造りの最終工程に近い醪を造り、それを蒸溜することで造られています。これまで日本酒も醸してきた蔵が、その技術を活かして手間を惜しまず造り上げた逸品が「都々逸」です。

「都々逸」などの米焼酎と日本酒は「麹」が違う!?

「都々逸」などの米焼酎と日本酒は、ともに米を主原料としていますが、多くの場合、使われる「麹」の種類が異なります。ほとんどの日本酒では華やかな香りを生む「黄麹」が、焼酎では「黒麹」やその変異株の「白麹」が使用されるのが一般的です。

古来、焼酎の麹には日本酒同様、黄麹が使われていましたが、明治時代の終わりころから泡盛で使用される黒麹が使われるようになりました。黒麹や白麹は、雑菌の増殖を抑えるクエン酸を大量に生成するため、麹の腐敗が防げるという利点があるのです。

また、黒麹を使うと香りが複雑で重厚なお酒になるともいわれています。黒麹を使用する「都々逸」でも、しっかりとしたコクのある味わいとキレのよい口当たりがたのしめます。

「都々逸」を造る蔵元の歴史と酒造りに対する想い

和蔵酒造株式会社サイト

「都々逸」を造る蔵元の歴史

「都々逸」を造る和蔵酒造は、君津・貞元(さだもと)の地で江戸時代から日本酒「鹿野山(かのうざん)」などを造ってきた原本家と、富津・竹岡の地で明治7年(1874年)から日本酒「聖泉」を醸してきた池田酒造の事業を統合する形で、平成18年(2006年)に誕生しました。現在、旧原本家は焼酎専用の「貞元(ていげん)蔵」、旧池田酒造は日本酒専用の「竹岡(たけおか)蔵」として、酒造りを行っています。

貞元蔵の前身・原本家は、「鹿野山」ブランドの日本酒のほか、早くからさまざまな焼酎も手掛けてきました。その伝統を受け継ぐ貞元蔵では、米焼酎「都々逸」のほか、芋焼酎や麦焼酎、リキュール類も造られています。

「都々逸」の蔵元の酒造りへの思い

「都々逸」の蔵元・和蔵酒造には、「日本の文化である『和』の酒を大切に守り育み、人の『和』をもって良酒を醸す」という願いがあります。その願いを叶えるため、「基本に忠実であること」と「手間を惜しまないこと」を信念とし、伝統的な製法で手造りの酒造りを行っています。

その一方で、お酒を通じて潤いのある生活シーンを提案するため、新しい味覚や新ジャンルのお酒にもチャレンジしています。

「都々逸」などの焼酎を造る貞元蔵でも日本酒を醸す竹岡蔵でも、ともに伝統を大切にしつつ新たな挑戦をし続ける、和蔵酒造ならではの「不易流行」の酒造りが行われています。

「都々逸」をはじめとする米焼酎のたのしみ方

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「都々逸」などの米焼酎はお湯割りでたのしむ

「都々逸」など米焼酎は、原料米に由来する香りや味わいがたのしめる焼酎です。甘味や酸味が強い果汁などで割るよりも、ロックや水割り、お湯割りなど、もともとの豊かな風味を堪能できる飲み方がおすすめです。

なかでも、米焼酎にぴったりな飲み方がお湯割り。米の香りがふんわりと立ち上り、口当たりがまろやかになってコクや旨味が増します。

お湯割りのコツは、お湯から先に器に入れること。あとから焼酎をお湯の上に置くイメージでそっと注ぐと、お湯と焼酎がよくなじみ、おいしさがアップします。

「都々逸」をはじめとする米焼酎に合うおつまみは?

「都々逸」をはじめとする米焼酎は、口当たりがまろやかですっきりとした飲み口のものが多く、比較的どんな食べ物にも合わせやすいのが特徴です。とりわけ豆腐料理や野菜料理、刺身や焼き魚といった魚介料理など、素材の味を活かす和食がよく合います。

また、きりたんぽ鍋や寿司など、米焼酎と同じ米を使っている料理との相性も抜群です。寿司といえば日本酒と思っている人は多いと思いますが、機会があればぜひ米焼酎「都々逸」を試してみてくださいね。

「都々逸」の蔵元が造る焼酎のラインナップ紹介

和蔵酒造株式会社サイト

「都々逸」の蔵元の焼酎ラインナップ

「都々逸」の蔵元・和蔵酒造の貞元蔵では、米焼酎のほか地元産の原料を使った芋焼酎や麦焼酎を手掛けています。そのうちの3種を紹介します。

【芋焼酎 善次郎】
貞元蔵の地元・君津市産の「紅あずま」を100%使用し、黒麹で仕込んだ千葉県発「千産千消」の芋焼酎。酒名は、君津地区でのサツマイモ普及の立役者・故平田善次郎氏にちなんでいます。

【芋焼酎 甘藷(かんしょ)先生昆陽(こんよう)】
千葉県産サツマイモと白麹を使用。酒名は、飢饉の際の救荒作物として甘藷(かんしょ/サツマイモのこと)の栽培を進め、のちに「甘藷先生」と呼ばれた青木昆陽(あおきこんよう)に由来します。

【麦焼酎 さだもと】
君津市産の小麦を100%使用し麦麹で仕込んだ麦焼酎。麦の香ばしい香りがたのしめるソフトな飲み口の1本です。酒名には、かつての地名である貞元村の名が冠されています。

「都々逸」の蔵元の新たな焼酎商品とは

「都々逸」を造る和蔵酒造・貞元蔵の焼酎には、令和2年(2020年)に発売された新商品2種もラインナップされています。それぞれの特長を見ていきましょう。

【房総泡盛】
黒麹100%で仕込んだ醪を常圧蒸溜法で蒸溜し、甕のなかで4年熟成させた数量限定品。本来はタイ米を使う泡盛ですが国産米が使用されています。千葉・房総の「泡盛」を心ゆくまで味わってみてください。

【房総芋焼酎】
千葉県多古町産の「紅あずま」と黒麹で仕込み、常圧蒸溜法で蒸溜した本格芋焼酎。甕のなかで4年間静かに寝かせ、原酒のままで出荷される数量限定品です。まろやかな味わいとやさしい芋の香りは絶品。


和蔵酒造の貞元蔵が手掛ける「都々逸」は、手造りでていねいに造られる本格米焼酎。貞元蔵ではユズやマンゴーを使ったリキュールも手掛けています。「都々逸」をはじめとする焼酎ともに、ぜひ試してみてくださいね。

製造元:和蔵酒造株式会社
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