「ベアードビール」 世界一美しいブルワリーをめざして【静岡のビール】

「ベアードビール」 世界一美しいブルワリーをめざして【静岡のビール】
出典 : 合資会社ベアード・ブルーイングサイト

「ベアードビール」は、世界一美しいブルワリーをめざす醸造所「ベアード・ブルワリーガーデン修善寺」で育まれる地ビールブランド。ここでは、ビール好きの間で「クラフトビールの聖地」とも呼ばれるブルワリーの魅力と、そこで造られるビールの個性に迫ります。

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「ベアードビール」のモットーは“Celebrating Beer”

合資会社ベアード・ブルーイングサイト

アメリカから来たブライアン氏が日本で醸造家になった理由

「ベアードビール」を造るのは、静岡県沼津市で創業した地ビールメーカー、ベアード・ブルーイング。アメリカから来日し、英語教師を務めていたブライアン・ベアード氏とその妻さゆり氏が設立した家族経営の合資会社です。

ベアード・ブルーイングの創業は2000年(平成12年)ですが、ベアード夫妻が夢の実現に向け動き始めたのは1997年(平成9年)のことでした。二人はこの年、ビール醸造を学ぶべく、東京からクラフトビールブームの発祥地・カリフォルニアへ。本場の技術を修得して沼津へ移ると、「ベアード・タップルーム沼津フィッシュマーケット」をオープンし、翌2001年には醸造免許を取得して、日本で一番小さな醸造所で地ビール造りを始めました。

当初は容量わずか30リットルのタンクからのスタートでしたが、250リットル、1,000リットルと着実に生産量を増やしていき、2008年には念願のアメリカへの輸出を達成。その後も規模を拡大し続け、2014年にはブルワリーの未来にふさわしい修善寺の地に、農園型の醸造所を新設しました。ベアード夫妻の愛情あふれるビール造りにより、今やクラフトビール好きなら知らない人はいないというほどの人気ブルワリーとなっています。

情熱のビール醸造家、ブライアン氏は、ビール造りの地として日本を選んだ理由に「繊細な日本の食文化」を挙げています。海外では理解されにくい繊細な味わいを表現したクラフトビールでも、日本には四季に根づいた食文化があるので、日本人の舌には受け入れられるはず。そう感じて、日本でビール職人として生きていくことを決意したといいます。

日本は職人気質やおもてなしの心を大切にする国。日本特有のこうした文化は、今やベアードビールのDNAに欠かせない構成要素のひとつになっているようです。

クラフトビールのたのしみを一人ひとりに伝えることから

「ベアードビール」は、本場仕込みの技術と独自の醸造哲学、新しい発想の融合から生まれたこだわりの地ビールブランド。

「ベアードビールとは、突き詰めると香りと風味・フレーバーを経験することである」。この言葉に、造り手の深い信念が感じられます。モルトやホップ、酵母といった原材料に対するこだわりも強く、最小限の加工から、最大限の個性を引き出すことに心血を注いでいるといいます。

規模を拡大しても量産はせず、目が届く規模のブルワリーで情熱を持ってていねいに造り上げることで、飲み手の一人ひとりにベアードビールのたのしみを伝えられたら。ベアードビールにはそんな想いが込められています。

目指すのは「バランス+複雑さ=個性」

「ベアードビール」の魅力は、なんといってもその個性にあります。それぞれの銘柄が持つ個性あふれる味わいの秘密は、バランスと複雑さの相互関係を表す「バランス+複雑さ=個性」の基本公式。原材料の絶妙なバランスと素材の複雑かつ奥深い魅力から、ほかでは味わえない個性が生まれるそう。

風味のないビールを造るよりも、個性に満ちあふれたビール造りに情熱のすべてを注ぎたい。万人向けではなく、ベアードビールの個性をたのしんでくれる人のために、妥協のないビール造りを続けたい。ベアードビールの個性には、こうした造り手の熱い想いによって実現しています。

「Celebrating Beer(ビールを祝福する)」

ビールを造る喜びを日々感じているというベアード夫妻のモットーは、「Celebrating Beer(ビールを祝福する)」。「人生のさまざまなシーンでビールをたのしむことにより、“その時”がいっそう豊かで実り多いものになる」と語るブライアン氏が造り出すビールは、まさに「ビールがある生活の喜び」にあふれています。

「ベアードビール」の定番をたのしむ

NaturalBox/ Shutterstock.com

「ベアードビール」の豊富なラインナップのなかでも、ぜひ味わっておきたいのが以下に挙げる12種の定番商品です。

【シングルテイク セッションエール】
フルーティーでスパイシーな特徴を持つベルギーウィットビール系の酵母で発酵させた、さわやかで香り豊かなエールビール。スパイシーかつさわやかな風味のなかに、ベアードビールならではの複雑な奥深さが感じられます。

【ウィートキングウィット】
やや白濁した小麦のビール。スパイスやフルーツを加えることなく、自家製ベルギーウィットビア酵母で引き出したフルーツのようにみずみずしいフレーバーは、一度味わったらやみつきになります。

【修善寺ヘリテッジヘレス】
飲みやすさにこだわった、クリーンで丸みのあるバランスのよいゴールデンラガー。文化遺産とゆかりの深い場所・修善寺と、ドイツのビール文化遺産を祝い感謝するために造られました。「ヘレス」は、ドイツのバイエルン地方に伝わる歴史あるビールスタイルです。

【沼津ラガー】
地面に広げて発芽させた大麦麦芽と沼津の水、世界のホップを使用し、無ろ過、自然発泡で仕上げた下面発酵ビール。ラガーというとすっきり軽やかな印象がありますが、「沼津ラガー」は、さわやかさのなかにも深みと複雑さを持たせたリッチな味わいに仕上げられています。

【ライジングサンペールエール】
ホップの風味に富む爽快な味わいのなかに、複雑さと奥深さが絶妙なバランスで共存した、ブライアン氏一押しのペールエール。「バランス+複雑さ=個性」の公式や生ホップがもたらす個性を心ゆくまで堪能できます。

【わびさび ジャパンペールエール】
クラフトビール界で人気のペールエールとIPA(インディアペールエール)を組み合わせ、日本の美的理念でもある「わびさび」を盛り込んだユニークなビール。ハーブ系の個性を持つホップと地元産のわさびと緑茶を使用した、簡素で清澄、閑寂な趣を封じ込めたおすすめの1本です。

【レッドローズ アンバーエール】
エール酵母を使って低温で上面発酵させた、独創的なアンバーエール。ブライアン氏が、ラガー酵母を使いエールのように高温で発酵させる「スチームビール」からインスピレーションを得て、逆の発想に挑んで造られました。エールならではのリッチでフルーティーな魅力と、ラガーの爽快感がたのしめます。

【アングリーボーイ ブラウンエール】
幼少期に大好きなフットボールチームが負けるたびに怒っては、母親から「アングリーボーイ」の名で呼ばれていたというブライアン氏。そんな彼が、甘さや苦味、スパイシーさなど、自身の内面をビールに投影して造り上げた、幾重にも重なるフレーバーがたのしめる個性豊かな1本です。

【帝国IPA】
土と花の香りがただようホップの風味と、ビスケットのようなモルトの個性が絶妙なバランスで絡み合うビール。ホップの強い香りと苦味が特徴のIPA(インディアペールエール)も、ブライアン氏の手にかかれば、複雑で奥深いニュアンスのビールに仕上がります。

【スルガベイ インペリアル IPA】
生ホップで二度のドライホッピングを行うことで引き出された強い苦味が際立つ、インパクトのある味わいのIPA。度数8.5%と高アルコールながら飲み心地はスムーズで、定番商品のなかでもとくにおすすめの逸品です。

【島国スタウト】
アイルランド発祥のビールスタイルの真髄ともいうべき「ドライスタウト」のベアード版。焙煎された穀物由来のスモーキーなアロマが特徴で、リッチでドライな味わいとは裏腹に、アルコール度数は控えめです。飲み飽きしない黒ビールに仕上がっています。

【黒船ポーター】
ポーターといえば、ロースト香を特徴とする黒ビールの一種。「黒船ポーター」は、なめらかで力強く、口当たりは驚くほどスムーズ。チョコレートやコーヒーを思わせるビタースイートな余韻は、くつろぎの時間のお供に最適です。

「ベアードビール」が造られる緑豊かなビールの楽園

合資会社ベアード・ブルーイングサイト

「ベアードビール」が運営する「ベアード・ブルワリーガーデン修善寺」は、伊豆半島の天城山系から北流し、駿河湾に注ぐ狩野川沿いに位置する農園型の醸造所。豊かな自然に囲まれたこのブルワリーは、敷地面積約3ヘクタールと、日本のクラフトビール業界では最大級で、年間2,000キロリットルものビールを醸造できる設備を有しています。「ベアードビール」は、敷地内の地下から汲み上げた水を仕込み水に、自家農園で丹精込めて育てたホップを一部に使用することで造られています。

ビール醸造のほかにも、恵まれた自然環境を活かした無農薬農法による野菜、フルーツなどの栽培や、ビール好きが宿泊できるキャンプ場の運営などが行われていて、まさに「ビールの楽園」として注目を集めています。その傍らで、地域コミュニティにも積極的に関わり、農園型ブルワリーという特性を活かした各種イベントや野外フェスティバルなども開催されています。

ベアード・ブルーイングは、「世界一美しいブルワリー」という夢に向かって、さまざまなことにチャレンジしながら成長を続けています。

なお「ベアード・ブルワリーガーデン修善寺」では、工場見学ツアー(新型コロナウイルス感染拡大防止のため、現在は休止中)がたのしめるほか、できたてのベアードビールを試飲できるテイスティングルーム「ブルワリーガーデンタップルーム」や、周囲の風光明媚な景観を一望できるビアデッキやギフトショップなども併設されています。最高の環境で、「ベアードビール」の魅力を心ゆくまで味わえるでしょう。

「ベアードビール」を飲むなら「キャンプ・ベアード」がおすすめ

合資会社ベアード・ブルーイングサイト

「ベアードビール」の醸造所「ベアード・ブルワリーガーデン修善寺」が建つ広大な敷地は、もともとキャンプ場があった場所。アウトドア好きが再びこの地でキャンプをたのしめるだけでなく、アウトドアのたのしさをビール好きな人にも共有していたい。その想いで、ベアード・ブルーイングでは、クラウドファンディングで支援を集め、2018年にキャンプ場「キャンプ・ベアード」を正式オープンさせました。

木立が整然と並ぶ緑豊かな敷地内には、20か所のキャンピングスペースがあり、個性あふれるベアードビールをたのしみながら、雄大な自然を満喫できるのが魅力。

自然を愛するベアード・ブルーイングの従業員チームが、ビールを愛することに負けないくらいの情熱で、随時規模を拡張しながらキャンプ場の運営に勤しんでいます。

キャンプ・ベアード





「ベアードビール」のブルワリーは、ビールファンの間で「クラフトビールの聖地」と評判の場所。「ベアードビール」はどこで飲んでもスペシャルな味わいをたのしめますが、自然のなかでいただく「ベアードビール」はまた格別です。機会があったらぜひ訪れてみてはいかがでしょう。

製造元:合資会社ベアード・ブルーイング
公式サイトはこちら

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