カクテル初心者必見! 定番カクテルや基本の道具など、カクテルの基礎知識を一挙紹介!
カクテル初心者にとって、カクテル用語はわからないことが多いもの。そもそもカクテルってどんな飲み物? 道具をいろいろ使うけどあれは何?と思っている初心者も少なくないのでは? 今回はカクテルの基本や道具など、カクテルの基礎知識について紹介します。
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カクテル初心者にありがちな疑問、そもそもカクテルって何?
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カクテル初心者は必見! まずはカクテルの定義から
カクテル初心者のために、まずはカクテルの定義からおさえておきましょう。カクテルとは、ベースとなるお酒にジュースや果汁、ほかのお酒などを混ぜた飲み物のこと。お酒の種類としては「混成酒」に含まれます。
カクテルの種類は星の数ほどあり、今も新たなカクテルが生まれ続けています。甘くて飲みやすいカクテルから、ピリッとしたカクテル、香り豊かなカクテルまで、バラエティ豊かな味わいがたのしめます。
カクテルは「ショート」と「ロング」に分かれる
カクテルの分類法はさまざまですが、大きく「ショートカクテル」と「ロングカクテル」の2つに分けられます。それぞれの特徴を紹介しましょう。
【ショートカクテル】
カクテルを作る際にシェイクなどをして適温に冷やし、氷を使わず提供するのが「ショートカクテル」です。おもに小ぶりな逆三角形のグラスを使用します。
温くなる前にショートタイム(短い時間)で飲むのがショートカクテルのスタイル。炭酸などで割ることも少ないので、ショートカクテルのアルコール度数は比較的高めになる傾向があります。
【ロングカクテル】
「ロングカクテル」と聞いて、細長いロンググラスに入ったカクテルをイメージするかもしれませんが、この場合の「ロング」は時間の長さ。氷を入れて、冷たさを長持ちさせたのがロングカクテルです。
ベースとなるお酒を炭酸やジュースなどで割って作ることが多いため、ゆっくりと時間をかけてたのしむことができます。
カクテルのベースになるのはどんなお酒?
カクテルは、ベースとなるお酒によっても分類されます。カクテルベースとして頻繁に用いられる4つの蒸溜酒について、簡単におさらいしておきましょう。
【ジン】
カクテルのベースとして人気なのが「ジン」。大麦やライ麦などの穀物を原料とした蒸溜酒(グレーンスピリッツ)に、ねずの実(ジュニパー・ベリー)をはじめとした香草、薬草類を加えて再蒸溜したジンは、雑味の少ない無色透明のお酒。蒸溜酒のなかでもクセが少なく、カクテル初心者にもぴったりです。
【ウォッカ】
ジンと同じく大麦やライ麦、トウモロコシなどの穀物や、ジャガイモなどの芋類を原料としたのが「ウォッカ」です。蒸溜した原酒を白樺などの活性炭でろ過して造ります。
ロシアや北欧など、極寒の地域でカラダを温めるために飲まれていたため、ウォッカのアルコール度数は約40~60度とやや高め。クセがなく飲みやすいため、カクテルとの相性は抜群です。
【テキーラ】
「テキーラ」はメキシコのハリスコ州、テキーラ地域で造られる蒸溜酒。原料となる竜舌蘭(リュウゼツラン:アガベ)の品種や製造される地域、蒸溜回数などが厳格に定められていて、この基準を満たしていなければ「テキーラ」と呼ぶことはできません。
テキーラのアルコール度数は35~55度とやや高め。香りと味わいをたのしみたいテキーラですが、こちらも飲み過ぎには注意が必要です。
【ラム】
サトウキビを原料とした「ラム」は、キューバなどカリブ海の国々で造られる蒸溜酒。お菓子作りのシーンでもよく使われているお酒です。カラメルを焦がしたような甘味と独特の苦味があるため、ジンやウォッカなどに比べると好みが分かれます。
甘い=カロリーや糖質が高い、と思われがちですが、何杯も飲むお酒ではないため、かえって低カロリーに抑えられることも。同じラムでも風味や色、製法によって細かく分類されます。
初心者も知っておきたい、カクテル作りの道具
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カクテル作りの基本となるのはどんな道具?
カクテルを作るには専用の道具が必要。そんなイメージを持っている人もいるかもしれません。とはいえ、初心者にとっては、どんな道具を何に使うのかさっぱり。レシピによって道具もさまざまですが、基本的な道具を紹介しましょう。
【バースプーン】
長い柄に小さなスプーンがついた「バースプーン」。基本的なサイズは30センチ程度ですが、25センチ程度の短いものや、35センチ程度の長いものもあります。
真っ直ぐなものだけでなく、直角に曲がったものもあるなど、形状も多様。「このカクテルにはこのバースプーンを」といった決まりはないので、好みや使いやすさに合わせて選びましょう。
【メジャーカップ】
カクテル作りには、ベースとなるお酒の量を計る「メジャーカップ」も必需品。一般に「メジャーカップ」といえば、取っ手がついたカップ状のものをイメージしますが、カクテル用のメジャーカップは上下が対になった砂時計のような形をしています。
計量部分のサイズは30ミリリットルと45ミリリットルが一般的。ほかにも15ミリリットルや60ミリリットルのサイズもあり、作りたいカクテルやグラスに応じて使い分けます。
カクテル作りに必要な道具:シェイクの場合
ここからは、カクテルの混ぜ方ごとに、基本的な道具を紹介していきます。まずは材料となるお酒や飲み物を振り混ぜ、シェイクして作る場合から。
【シェイカー】
初心者が「カクテル」と聞いて思い浮かべるのが、バーテンダーがシャカシャカと上下に振っている光景でしょう。あの工程で使用しているのが、材料を混ぜ合わせる「シェイカー」です。
シェイカーには、混ざりにくい材料を混ぜる、氷と混ぜてカクテルを冷やす、味をまろやかにまとめる、といった役割があり、中央が飛び出た独特の形をしています。
【カクテルグラス】
シェイカーでシェイクしたドリンクを注ぐ器も必要です。そこで登場するのが、先ほども出てきた逆三角形のグラス「カクテルグラス」。ワイングラスなどでも代用できますが、カクテルの雰囲気をたのしみたいなら、ぜひとも用意したいグラスです。
容量の標準は90ミリリットル。グラスの縁に塩をつてスノースタイルにしたり、カットしたフルーツを添えたりして、雰囲気をたのしみます。
カクテルづくりに必要な道具:ステアの場合
カクテルを作る際、シェイクするのでなく、バースプーンで手早くかき混ぜる場合もあります。これを「ステア」と呼びます。そこで使われる道具を紹介します。
【ミキシンググラス】
カクテルをステアするために、氷と材料を入れるグラスがミキシンググラス。注ぎ口のついたものや、ガラス製のものなど、さまざまな種類があります。
初心者には、グラス内のカクテルの状態がわかり、安定感のある透明なガラス製のミキシンググラスがベスト。デザイン性に注目して自分好みのミキシンググラスを探してみるのもたのしいですね。
【ストレーナー】
ミキシンググラスからカクテルを注ぐ際に、グラス内の氷が飛び出さないようにする道具も必要です。それがフタの役目をする「ストレーナー」。
ステンレスの板に耳とバネがついたストレーナーは、ミキシンググラスの縁にはめて使います。本格派のカクテルを作る際は、ぜひとも用意しておきたいアイテムです。
スタンダードカクテルのレシピを製法ごとに見てみよう
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「シェイク」で作るスタンダードカクテル:ギムレット
◇基本材料
ジン 約3/4
ライムジュース 約1/4
◇作り方
ジンとライムジュースをシェイクしてグラスに注ぐ
基本材料はジンとライムジュースのみというシンプルなカクテル「ギムレット」は、19世紀後半に誕生しました。イギリス海軍の軍医、ギムレット卿が健康のためにジンをライムジュースで薄めて飲むよう提唱したのがはじまりといわれています。
さわやかで甘すぎない味わいは、どなたにも好まれます。ライムジュースの味や銘柄によって味がガラリと変わるのもたのしみのひとつです。
「ステア」で作るスタンダードカクテル:マティーニ
◇基本材料
ジン 約3/4
ドライベルモット 約1/4
◇作り方
ジンとドライベルモットをステアしてグラスに注ぐ
カクテル初心者でも「マティーニ」の名前は聞いたことがあるのではないでしょうか。「カクテルの王様」といわれるマティーニは、ジンにドライベルモットを使っただけのカクテルですが、シンプルゆえにバーテンダーの腕前が試されます。
味わいも、かつては甘口だったものが辛口に、スイートベルモットを使っていたのがドライベルモットにと、時代や流行、好みによって変化を続けてきたカクテルです。
「ビルド」で作るスタンダードカクテル:ジントニック
◇基本材料
ジン 約1/4
トニックウォーター 約3/4
ライム 1/2
◇作り方
氷を入れたタンブラーにジンとライム、トニックウォーターを注ぎ、軽くかき混ぜる
カクテルの定番「ジントニック」は、グラスに材料を直接注ぐ「ビルド」という技法で作られるカクテルの定番です。スッキリとしたライムの酸味とトニックウォーターのさわやかさが人気で、最初の一杯として注文することも多いカクテルです。
世界的にポピュラーなジントニックは、銘柄やデコレーション、バーテンダーの腕によって味わいが異なります。店の実力を如実に表す一杯ともいわれており、このオーダーに緊張するバーテンダーも少なくないといいます。
「ブレンド」で作るスタンダードカクテル:フローズン・ブルーマルガリータ
【基本材料】
テキーラ 約1/2
ブルーキュラソー 約1/4
レモンジュース 約1/4
砂糖 ティースプーン1杯
【作り方】
材料すべてをミキサーにかけて、スノースタイルにしたグラスに注ぐ
ブレンダー(ミキサー)を使い、材料をよく混ぜて作るのが「ブレンド」と呼ばれる技法です。シャーベット状のフローズンスタイルに仕上げたカクテルは、カクテルの歴史に新しい味わいをもたらしました。
色鮮やかなブルーキュラソーを使った「フローズン・ブルーマルガリータ」は夏の海辺やホテルのプールサイドにもぴったりのカクテルです。
「カクテル」と一口にいっても、レシピや道具、使用する材料などはさまざまです。洗練されたカクテルは、完成後だけはもちろん、作っている様子を見るのもたのしいもの。カクテルに詳しくなるほど、そのたのしさは広がるのでは。