ウイスキーなのにバニラの香りがするってどういうこと?

ウイスキーなのにバニラの香りがするってどういうこと?
出典 : New Africa/ Shutterstock.com

ウイスキーの風味について、「バニラのような香り」などと表現することがあります。ウイスキーの主原料は穀物で、バニラのような甘い香りをつけるものは基本的には使用されていません。ではなぜ、バニラの香りがするのでしょうか。今回はウイスキーとバニラ香の関係に迫ります。

  • 更新日:

ウイスキーとバニラの深い関係

ウイスキーとバニラの深い関係

Roman Samborskyi/ Shutterstock.com

バニラ香はモルトウイスキーの世界でも人気のフレーバー

甘い香りやフルーティーな香り、スモーキーな香りやスパイシーさを感じる香りなど、一言でウイスキーの香りといってもさまざまあります。

なかでも甘く華やかなバニラ香は、モルトウイスキーの世界でも人気の高いフレーバーです。ウイスキーを口に含んだときに真っ先に感じられる存在感のある香りで、親しみやすいため、「濃厚で甘いバニラ香のあるウイスキーが好き」という人も多いようです。

ウイスキーのバニラ香はカスタードやバタースコッチの香りと表現されることも

ウイスキーの甘いバニラのような香りは、バニラ以外にもさまざまなワードで表現されます。たとえば、以下のようなお菓子や甘いものの名前でたとえられることが多いようです。

◇バニラカスタード
バニラ風味のカスタードクリーム
◇バタースコッチ
赤砂糖とバターで作るイギリスの伝統菓子
◇クレームアングレーズ
カスタードソースの一種
◇クリームソーダ
コーラなどの炭酸飲料にバニラなどで風味づけした飲み物
◇クレームブリュレ
カスタードプディングに似たフランスの伝統菓子
◇トフィー
砂糖や糖蜜とバターで作るイギリスの伝統菓子

いずれも、テイスティングの際に、上品な甘さを感じさせ、リッチな風味を表現するときに用いられます。

バニラ香の正体は樽材から引き出されたバニリンによるもの

なぜウイスキーのなかにはバニラの香りがするものがあるのでしょうか。いくつか理由がありますが、大きく影響しているのは、ウイスキーの熟成に使用される「樽」です。

ウイスキーの熟成には、一般的にバーボン樽やシェリー樽が使用されます。これらの樽に使われているオーク材の内部に、バニラ香の元となる「バニリン」などの香味成分が含まれているのです。

ウイスキーを樽に詰めて熟成させることで「バニリン」が溶け出し、ウイスキーにバニラ香が付与されるといわれています。

ウイスキーにバニラ香がもたらされるのはなぜ?

ウイスキーにバニラ香がもたらされるのはなぜ?

Megan Snedden/ Shutterstock.com

バニラ香はウイスキーの熟成中に樽材から引き出される

バニリンによるバニラ香は、ウイスキーを樽に貯蔵してから2~3か月ほどで感じられるようになり、2~3年でピークを迎えるといわれています。

またウイスキー中のバニリンの含有量は、どの「フィル」に詰めたかによって違ってきます。フィルとは熟成樽のことで、モルトウイスキーを熟成させた回数によって、「ファーストフィル」「セカンドフィル」などと呼び名が変わります。

一般に、初めてモルトウイスキーを熟成させるファーストフィルの樽には多量のバニリンが残っているため、バニラ香が強めのウイスキーに仕上がりやすくなります。一方、セカンドフィル、サードフィルと熟成回数が進むにつれて徐々にバニリンの量が減っていくので、これらに詰めたウイスキーのバニラ香は穏やかになる傾向があります。

とはいえ、バニリンの量が少なくても香味への影響は十分。ファーストフィルではバニラビーンズを削ったような濃厚な香りが感じられますが、セカンドフィルなどではバニラアイスのような爽やかな香りがたのしめます。

ウイスキーのバニラ香を引き出す「チャー」と「トースト」

ウイスキーから感じられるバニラのような香りには、熟成樽に施す「チャー」と「トースト」という工程も関係しています。

「チャー」とはバーボン樽の内側に直火を当てて焦がす処理のこと。一方の「トースト」とは、じっくり低温加熱することでできる深さ2~3ミリほどの炭化層のことを指します。これらを施すことで、樽材に含まれるバニリンが引き出されやすくなるといわれています。

樽工房では、メーカーや蒸溜所の注文に合わせて、「チャー」の温度や焼きつけの長さを調節したり、「トースト」の厚みを変えたりして、さまざまな樽が造られています。

もちろん樽材や熟成年数、フィルによってもフレーバーは違ってきますが、「チャー」や「トースト」の度合いが異なる樽を使い分けることで、多様なバニラ香が香るウイスキーが生み出されているのです。

ウイスキーのバニラ香をたのしみたいならこの銘柄がオススメ!

ウイスキーのバニラ香をたのしみたいならこの銘柄がオススメ!

Aquarius Studio/ Shutterstock.com

バニラ香がたのしめるスコッチウイスキー

【ジョニーウォーカー ゴールドラベル リザーブ】

世界中で愛されるスコッチウイスキーブランド、ジョニーウォーカーの「ゴールドラベル リザーブ」は、バニラの香りと、ハチミツを連想させる繊細な甘さが魅力のスコッチウイスキーです。ジョニーウォーカーらしいスモーキーさを残しつつ、華やかなフレーバーと上品な甘さがたのしめます。

販売元:キリン
販売サイトはこちら


スコッチといえばジョニーウォーカー!? 知っておきたい代表銘柄と飲み方

【グレンモーレンジィ ネクタドール】

希少なソーテルヌワイン樽で熟成させた「グレンモーレンジィ ネクタドール」。濃厚かつなめらかなテクスチャーが特徴で、甘いバニラの香りや、バニラクリームのような余韻がたのしめるシングルモルトです。

販売元:MHD モエ ヘネシー ディアジオジャパン
販売サイトはこちら

バニラ香がたのしめるアメリカのバーボンウイスキー

バーボンにはバニラ香をたのしめる銘柄が多くあります。ここでは、メジャーな2銘柄を紹介します。

【ジムビーム】

アメリカ・ケンタッキー州生まれの「ジムビーム」は、世界的な人気を誇るバーボンウイスキーです。心地よい飲み口が特徴で、花のような優雅な香りとバニラの上品な香りがたのしめます。レギュラーボトルよりさらにバニラ香を感じたいなら、バーボンベースのハニーリキュール「ジムビーム ハニー」もおすすめです。

販売元:サントリー
公式サイトはこちら

【メーカーズマーク】

甘いバニラ香をたのしみたいなら、赤い封蝋(ふうろう)が目印のクラフトウイスキー「メーカーズマーク」も欠かせません。独自のルールで40秒間のチャーを施した樽により、メーカーズマークならではの魅力的な甘さが表現されていて、ハイボールやカクテルにしても、ほのかに残るバニラのような香りとまろやかな味わいが堪能できます。

販売元:サントリー
公式サイトはこちら

バニラ香がたのしめる日本のウイスキー

日本のウイスキーでもバニラ香はたのしめます。機会があればぜひたのしんでみてください。

【サントリー スペシャルリザーブ】

「サントリー スペシャルリザーブ」は、白州蒸溜所で造られた原酒をキーモルトに使用したブレンデッドウイスキーです。バニラのような円熟した華やかな香りと、深みのあるまろやかな口当たりがたのしめます。

販売元:サントリー
公式サイトはこちら

【イチローズモルト&グレーン ホワイトラベル】

「イチローズモルト」は、埼玉県秩父市に蒸溜所を構えるベンチャーウイスキーが手がけるジャパニーズウイスキー。スタンダードボトルのひとつである「ホワイトラベル」は、スモーキーな香りのなかにバニラのような上品な甘さが感じられる贅沢な1本です。


【人気の地ウイスキー】「イチローズモルト」は世界が評価する埼玉発のウイスキー

一言でバニラ香といっても、濃厚な甘さを強く感じられるものから、上品で爽やかな余韻がたのしめるものまでさまざまです。いくつかのウイスキーを飲み比べて、お気に入りのバニラ香を探してみるのもたのしそうですね。

おすすめ情報

関連情報

ウイスキーの基礎知識

イベント情報

おすすめ情報

Ranking ランキング

おすすめの記事