愛媛の日本酒【城川郷(しろかわごう):中城本家酒造】小蔵元が地域の人々と造り上げた旨い酒

愛媛の日本酒【城川郷(しろかわごう):中城本家酒造】小蔵元が地域の人々と造り上げた旨い酒
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「城川郷」は、愛媛県西予市城川町の蔵元、中城本家酒造の日本酒です。山間の町の小蔵元が、地域の人々とともに、ていねいに醸す「城川郷」。その旨味のあるやさしい味わいは、日本酒ファンの間で評判を呼んでいます。今回は「城川郷」の魅力を紹介します。

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「城川郷」の蔵元の酒造り

「城川郷」の蔵元の酒造り

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「城川郷」の蔵元の名に「本家」が入っているわけ

「城川郷」は、明治31年(1898年)創業の、120年以上の歴史を持つ中城本家酒造の日本酒銘柄です。

中城本家酒造は、その名のとおり代々中城家が当主を務めている蔵元ですが、その屋号になぜ「本家」が入っているのでしょう。

中城本家酒造の初代、中城孫太郎氏の子どもには男子が多かったため、孫太郎氏は子息それぞれを醸造業の道で独立させました。そのなかで、息子たちの中心である長男が継いだ蔵を「本家」と呼び、屋号に「本家」の文字を冠したと伝わります。中城本家酒造は、初代の長男の流れを汲む日本酒蔵なのです。

「城川郷」は蔵元と地域の人々の試行錯誤から生まれた良酒

「城川郷」を醸す中城本家酒造は、昭和60年(1985年)に4代目の中城英敏氏が製造責任者となって以来、杜氏に頼らない日本酒造りを行っています。中城氏いわく「素人集団の酒造り」からのスタートでしたが、地元出身の蔵人とともに試行錯誤を積み重ねて、おいしい酒を醸すことをめざしてきたそう。

蔵元の代表銘柄「城川郷」は、創業100年となる平成10年(1998年)に、全国新酒鑑評会の金賞を受賞。蔵の節目の年に、少量生産のていねいな酒造りから生まれた「城川郷」が評価され、その名が広く知られるところとなりました。

「城川郷」は地元産の原料で造られる酒

「城川郷」は地元産の原料で造られる酒

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「城川郷」の味わいを引き出す水

「城川郷」には、地下水をろ過した水が使われています。

この地下水は、四国カルスト水系のものといわれています。四国カルストは、愛媛県と高知県にまたがる石灰岩質のカルスト台地。中城本家酒造から50キロメートルほど東北東に行った山間部にあり、標高は高いところで1,400メートルを超えます。

四国カルストを源とする水は中硬水で、日本酒造りに不可欠な「酵母」の栄養となるカルシウムなどのミネラル分が、豊富に含まれています。中硬水で仕込んだ日本酒は、ほどよくまろやかになる傾向があります。「城川郷」の旨味のあるやさしい味わいも、中硬水の地下水が引き出したものなのです。

「城川郷」は地元産の米を原料とする酒

「城川郷」には、おもに地元愛媛県産の米が使われています。品種は、酒造好適米の「山田錦」や「しずく媛(ひめ)」のほか、一般米ながら日本酒造りに適している「松山三井(まつやまみい)」なども用いられています。

このうちの「しずく媛」は、愛媛県で誕生した酒造好適米です。同じく愛媛県で育成された「松山三井」を品種改良したもので、「松山三井」より大粒であるなどの特徴があります。

この米を原料として造られた日本酒は、旨味があり、やわらかい酒質になるといわれています。旨味のあるやさしい味わいを個性とする「城川郷」を醸すのに適した、地元生まれの原料米なのです。

「城川郷」のおすすめラインナップ

「城川郷」のおすすめラインナップ

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「城川郷」の蔵元がめざす酒

「城川郷」の蔵元、中城本家酒造は、「自らが美味しいと思える日本酒本来の旨さを表現したい」という考えのもと、酒造りを行っています。

当主の中城英敏氏が「つくり手の思いが目に見えないカタチとなった、飲んで‘おいしい’と言われる酒」をめざす一方、英敏氏の長男で、現在製造責任者を務めている5代目の文吾氏は、搾り機を一新するなど、設備の高度化にも取り組んでいます。

伝統を大切にしながら新しい技術も取り入れて、理想の酒造りを追求しているのです。

「城川郷」は文字どおりの地酒

「城川郷」を醸す中城本家酒造が蔵を構える城川町は、西予市南東部の高知県との県境に接する山間の町です。かつて「東宇和郡城川町」だったこの町の名前をつけ、地域の人々とともに地元産の原料を使って造る日本酒「城川郷」は、文字どおりの地酒。そのラインナップを見ていきましょう。

【尾根を越えて】

西予市産の米を多く用いた特別純米酒。城川町の龍澤寺(りゅうたくじ)を詠んだ「尾根を越えて 尾根のたかえの 花の寺」という句から命名されました。さまざまな料理に合う、やわらかな味わいと旨味をもつ人気酒です。

【純米吟醸】

愛媛県で生まれた酒造好適米「しずく媛」を50%まで磨いて使用。「城川郷」ならではのやさしい味わいの酒で、冷やして飲むのがおすすめです。

【特別本醸造 原酒】

松山三井を使い、麹米50%、掛米58%の精米歩合で醸した、「吟醸」を名乗ってもおかしくないレベルの良酒。米の旨味とさわやかなキレがあり、アルコール度数は17~18度と高めながら飲みやすさもある1本です。

生産量が少なく、希少価値が高い「城川郷」。年々人気を高めている、旨味とやさしさがあふれるその味わいを、ぜひ堪能してみてください。


製造元:中城本家酒造合名会社
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