ビールとトマトの赤いカクテル「レッドアイ」に秘められた魅力を探る

「レッドアイ」は、キレイな赤色が魅力のサッパリ爽やかなビアカクテル。このカクテルの人気の秘密は、フレッシュなのどごしと飲みやすさにあります。今回は、健康志向の人にも注目されている「レッドアイ」を紹介します。
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目次
「レッドアイ」ってどんなカクテル?

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「レッドアイ」とは
「レッドアイ」は、ビールとトマトジュースで作る定番のビアカクテル。トマトジュース由来の鮮やかな赤色が印象的です。ビタミンCやビタミンB群などを豊富に含むトマトジュースを使っているうえ、アルコール度数が低くサッパリ飲みやすいことから、おもに健康志向の人やアルコールに強くない人、アルコールを控えている人などに愛されています。
「レッドアイ」の誕生秘話
「レッドアイ」が誕生したのは、1970〜80年代のこと。当時は生卵を丸飲みするという健康法が流行していたこともあってか、ビールとトマトジュースに生卵を加えて作っていたのだとか。1988年製作のトム・クルーズ主演映画『カクテル』でも、「生卵とスパイス入りのレッドアイ」が“バーテンダーの朝食”として登場し、話題になりました。
いつから、あるいはなぜ、生卵を入れなくなったのかは定かではありませんが、現在ではビール類とトマトジュースだけで作るのが一般的となっています。
「レッドアイ」の名前の由来
「レッドアイ」という名前は、二日酔いで目を真っ赤にしていた人たちが好んで飲んでいたことにちなんで付けられたといわれていますが、これには別の説もあります。
映画『カクテル』の原作によると、「レッドアイ=赤い目玉」の正体は、ビールとトマトジュースを混ぜ合わせたカクテルに落としこんだ生卵のことなのだとか。確かに、真っ赤なカクテルの底に沈んだ生卵の黄身は、赤い目玉に見えなくもありませんね。
「レッドアイ」の材料、ビールとトマトが相性抜群といわれる理由

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「レッドアイ」のマイルドな味わいは、苦味×酸味で生まれる
「レッドアイ」のおいしさの秘密は、何といってもビールとトマトの相性のよさにあります。味覚の基本要素は「甘味・辛味・酸味・苦味・塩味」の5つで、これを総称して「五味」といいますが、五味の要素をいくつか混ぜ合わせることで味わいに変化が生まれます。「レッドアイ」の場合は、トマトの酸味がビールの苦味をやわらげ、マイルドな味わいに仕上げてくれます。そのため、ビールの苦味やトマトジュースの酸味が苦手でも、「レッドアイならおいしく飲める」という人が多いのです。
「レッドアイ」は、のどごしや後味もたのしめるカクテル
レッドアイは、マイルドで飲みやすく、サッパリとした味わいながら、コントラストの効いたのどごしや後味をたのしめるカクテルです。ビールとトマトジュースを合わせることで個性はやわらいでいますが、ビールのシュワッとした清涼感によるのどごしや、トマトならではの旨味やコクがもたらす余韻など、それぞれの持ち味は健在。「レッドアイ」を飲んだことがない人は、ビールとトマトの相乗効果で引き出された旨さを、ぜひ味わってみてください。
二日酔いにも効果的!? 「レッドアイ」の魅力をチェック

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「レッドアイ」は飲みやすいのが魅力
マイルドでスッキリ爽快な味わいが魅力の「レッドアイ」。
アルコール度数5%程度のビールとトマトジュースを半々で混ぜ合わせると、アルコール度数約2.5%の「レッドアイ」が完成します。この程度なら、お酒にあまり強くない人や、体調や翌日の予定に合わせてアルコールを控えている人でも安心してたのしめそうですね。
「レッドアイ」は見た目が美しく、料理との相性もよいカクテル
華やかな見た目も「レッドアイ」の魅力。ビビッドな赤色が、トマトに含まれるリコピンの色だと知れば、みずみずしくヘルシーな印象が際立ってくるから不思議です。
またビールと料理の相性のよさと、トマトという食材の万能性を考えれば、「レッドアイ」が食事のお供にぴったりだということにもうなずけるはず。ビールに合うおつまみはもちろん、トマトを使った料理やサラダ、肉・魚料理などに、幅広く合わせられますよ。
「レッドアイ」は二日酔いの緩和に効果的!?
「レッドアイ」を、飲みすぎた日の翌朝に酔い覚まし(迎え酒!? )として飲む人もいるようですが、二日酔いをやわらげる効果は本当に期待できるのでしょうか。
アサヒグループホールディングスとカゴメが共同で発表した研究結果のなかに、トマトが飲酒後の血中アルコール濃度を低下させたという報告があります。一連の研究では、トマトがアルコールの代謝を促進することも確認されているとのこと。
また、トマトに含まれる「リコピン」は二日酔いの原因となる「アセトアルデヒド」の働きを抑制し、「クエン酸」はアルコールで疲れた胃の粘膜を修復する働きがあるともいわれています。
しかしながら「レッドアイ」は、れっきとしたお酒なので、翌朝の酔い覚ましとして効果があるかどうか、科学的には怪しいところです。
「レッドアイ」のおいしいレシピ

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「レッドアイ」の定番レシピ
「レッドアイ」の材料はビールとトマトジュースのみ。グラスは背の高い「トールグラス」を使うのが一般的です。作り方はいたってシンプル。ビアカクテルなので氷は使わず、冷蔵庫で冷やしたトマトジュースをグラスに注ぎ、続いてビールを注いで軽くかき混ぜれば完成です。ビールとトマトジュースの分量比は1:1がおすすめですが、それぞれの割合を変えて好みの味を見つけるのもたのしいですよ。
「レッドアイ」のアレンジ例
定番レシピに、塩やこしょう、レモン、タバスコなどを加えると、味にメリハリが加わります。「ソルティドッグ」のように、グラスの縁に塩を付けてスノウスタイルでたのしむのも一興です。
また映画『カクテル』に登場した「レッドアイ」の作り方も紹介しておきましょう。よく冷えたトマトジュースをトールグラスに注ぎ、同量のビールを加えてマドラーなどで軽く混ぜます。そこへ生卵を落とし入れたら完成。かき混ぜずにそのままいただきます。お好みで、塩こしょうや、ペッパーソースなどのスパイスをプラスすれば、刺激的な味わいになりますよ。
ビールの代わりに日本酒を使った「レッドサン」も人気

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「レッドアイ」のビールを日本酒に変えれば「レッドサン」
「レッドアイ」がお好みなら、ビールの代わりに日本酒を用いた「レッドサン」もおすすめです。作り方は、「レッドアイ」のように日本酒とトマトジュースを1:1で混ぜ合わせるだけとカンタン。好みに合わせてレモン果汁を加えれば、より爽やかな味わいをたのしめます。
「レッドサン」は、一般的な日本酒のアルコール度数が15〜16度のため、やや強めのお酒に仕上がります。ただし氷を入れたグラスで飲むのが「レッドサン」の定番スタイルなので、氷が溶ければ多少は薄まります。それでもアルコールの強さが気になる場合は、お好みでトマトジュースの分量を調整するとよいでしょう。
「レッドアイ」にそっくりなウォッカ×トマトベースのカクテル
レッドアイに似たカクテルはほかにもあります。「レッドバード」は、「レッドアイ」にウォッカを加えたカクテル。ビール、ウォッカ、トマトジュースの比率を、2:1:1にして作るのがおすすめです。
「ブラッディマリー」は、ウォッカとトマトジュースをベースにしたカクテルです。氷を入れたグラスにウォッカとトマトジュースを1:2くらいの比率で入れ、レモン果汁(レモンジュース)と塩、こしょう、タバスコをお好みで加えて作ります。
どちらもトマトジュース入りなので、赤色が印象的なカクテルができあがります。
「レッドアイ」も「レッドサン」も自宅でカンタンに作れるヘルシーカクテル。ビールや日本酒、トマトジュースの銘柄によっても味わいは変わってくるので、いろいろ試してお気に入りの味を見つけてください。
