じつは体にやさしい?「ブラッディ・マリー」なら悪酔いしない理由

じつは体にやさしい?「ブラッディ・マリー」なら悪酔いしない理由
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「ブラッディ・マリー(ブラッディ・メアリー)」は、直訳すると「血まみれのマリー」という少し怖いネーミングのカクテル。しかし、イギリスでは二日酔いにやさしい迎え酒として長年愛されてきました。今回は、このカクテルの名前の由来と、愛されてきた理由に迫ります。

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「ブラッディ・マリー」のレシピと命名の由来

カクテル「ブラッディ・マリー」は、16世紀のイングランド女王、メアリー1世の異名に由来します。彼女は女王の座に就いた後にプロテスタント300人の処刑を断行したことで、市民たちから恐れられる存在でした。このカクテルが誕生したのは、そんなメアリー1世が統治していた頃のイギリス。真っ赤なお酒を見て、血を連想した市民が彼女になぞらえて、「ブラッディ・マリー」と呼んだのがはじまりだそうです。

「ブラッディ・マリー」には長い歴史があるため、アレンジされたレシピも多いのですが、ここではスタンダードなレシピを紹介します。

<レシピ>ブラッディ・マリー

【材料】
ウォッカ…30ml
トマトジュース…90ml
レモンジュース…少量

【作り方】
1. 氷の入ったグラスにウォッカを入れる。
2. トマトジュースと少量のレモンジュースを入れ、よくかき混ぜて完成!

「ブラッディ・マリー」のレシピと命名の由来

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ウォッカは無味無臭のため味の調整もしやすく、バーテンダーの数だけテイストが存在するのも「ブラッディ・マリー」の面白さ。塩・胡椒やタバスコを入れたり、野菜スティックなどを添えたりするレシピもあります。

ちなみに、トマトジュースとアイリッシュ・ウイスキーを合わせたカクテルの名は、「ブラッディ・モリー」。モリーはアイルランド・ダブリンの民謡に登場する娘、モリー・マローンにちなんで名付けられ、「ブラッディ・マリー」の妹分的なカクテルとして作られました。

「ブラッディ・マリー」が迎え酒として愛されている理由

「ブラッディ・マリー」が迎え酒として愛されている理由

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イギリスでは、二日酔いの迎え酒としても愛されている「ブラッディ・マリー」。お酒を飲んだ翌日にこのカクテルが飲まれてきたのには、どうやら理由があるようです。

まず、トマトにはビタミンとミネラルがたっぷり含まれているため、お酒を飲むと身体から失われるそれらの栄養を補ってくれることが期待できるとか。さらには、トマトに含まれる果糖はアルコールの分解をアシストしてくれるため、二日酔いの人にもおすすめです。

加えて近年、トマトのアミノ酸がアルコール分解酵素のはたらきをよくすることもわかってきました。二日酔いでもお酒を飲みたいときに「ブラッディ・マリー」を選んでしまうのは、身体が本能的にトマトを求めているからかもしれませんね。

このように、おいしさだけではなく、身体にやさしいことも「ブラッディ・マリー」が長く愛されてきた理由ではないでしょうか。

飲みすぎたなと思ったら「ブラッディ・マリー」を飲もう?

「ブラッディ・マリー」は、お酒好きの人々から愛されてきたカクテル。インパクトの強い名前ですが、意外にもアルコールによる身体への負担を和らげてくれるのを感覚的に知っていたからでしょうね。ただ、ウォッカベースでアルコール度数は高いお酒なので、くれぐれも飲みすぎには注意しつつ、歴史のあるカクテルをぜひ試してみてください。

ライタープロフィール

安藤悟

「おいしく、たのしく飲みたい」と思い、JAFAカクテルマイスターの資格を取得。趣味は全国のバー巡り。ビールはジョッキ半分で顔が赤くなります。

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