「ロブ・ロイ(ロブロイ)」カクテルの作り方や由来を解説
ロブ・ロイは、鮮やかな赤色が美しい、スコッチウイスキーに白ワインベースのフレーバードワイン「スイートベルモット」、アロマティックビダーズを混ぜ合わせたカクテルです。甘味があって飲みやすく、「あなたの心を奪いたい」というロマンチックなカクテル言葉の、大人の雰囲気ただようカクテルです。
- 更新日:
「ロブロイ」はスコッチウイスキーで作るカクテル
Brent Hofacker/ Shutterstock.com
「ロブロイ」は「マンハッタン」のベースをスコッチに変えたもの
「ロブロイ(ロブ・ロイ:Rob Roy)」は、鮮やかな赤色が美しい甘口のカクテル。ウイスキーと白ワインベースのフレーバードワイン「スイートベルモット」を混ぜ合わせるだけに、アルコール度数は強めですが、甘味があって飲みやすいと人気のカクテルです。
その見た目は、“カクテルの女王”とも呼ばれる有名なカクテル「マンハッタン」とそっくり。それもそのはず「ロブロイ」は、「マンハッタン」のベースを替えたもの。「マンハッタン」のベースは、ライ麦を原料としたライウイスキー(バーボンウイスキーやカナディアンウイスキーでも可)ですが、スコッチウイスキーをベースにすると「ロブロイ」になります。
【ロブロイの材料】
スコッチウイスキー…45ミリリットル
スイートベルモット…15ミリリットル
アロマティックビダーズ…小さじ1杯
【ロブロイの作り方】
1.材料をカクテルグラスに注いでステア(スプーンで素早くかき混ぜる)
2.カクテルグラスに注いで、レッドチェリーを飾れば完成
「ロブロイ」とはスコットランドの英雄の名前
S Buwert/ Shutterstock.com
「ロブロイ」の由来は義賊ロバート・ロイ・マクレガー
「ロブロイ」のカクテル名は、スコッチウイスキーの産地、スコットランドで17世紀後半から18世紀初頭にかけて活躍した義賊、ロバート・ロイ・マクレガー、通称ロブ・ロイに由来します。
なぜ、義賊の名がつけられたのかというと、スコットランド出身という共通点に加え、ロブ・ロイのトレードマークである赤色の髪の毛と、カクテルの色合いが共通していたから。このため、カクテルをロブ・ロイのニックネームである「赤毛のロバート」と呼ぶことも場合もあります。
カクテル「ロブロイ」は義賊ロブ・ロイの生き様もイメージ
ロブ・ロイはスコットランドのとある一族の長で、もともとは牛のトレーダーなどで生計を立てていましたが、彼の土地や財産を狙う貴族から卑劣な手口で圧迫されました。
仲間や家族も死に追いやられたロブ・ロイは、貴族に対する反乱を決行。その劇的な生き様は、映画や小説で広く知られるようになりました。
もちろんカクテル「ロブロイ」の味わいにも、この義賊の鮮烈なイメージが反映されています。
「ロブロイ」はホテルの祝祭日パーティーのために考案
New Africa/ Shutterstock.com
「ロブロイ」はロンドンのホテルで働くバーテンダーが考案
カクテル「ロブロイ」の生みの親は、ロンドンの名門ホテル「サヴォイ・ホテル」に勤務していたバーテンダー、ハリー・クラドック氏。毎年11月末にホテルで開かれる「セント・アンドリューズ・デー」を祝うパーティーのために生み出されました。
「セント・アンドリューズ・デー」とは、スコットランドの守護聖人であるアンデレが処刑された日のことで、スコットランドの人々にとっては特別な日。郷土の聖人を偲ぶ日に、郷土のウイスキーで作られる、郷土の英雄の名を冠したカクテルを味わうというのは、何とも感慨深いものですね。
「ロブロイ」のカクテル言葉は、その由来となった義賊の生き様とは裏腹に「あなたの心を奪いたい」というロマンチックなもの。気になる異性とお酒を飲み交わす際に、ぜひお試しください。