鳥取の日本酒【瑞泉(ずいせん)】山陰地方を代表する鳥取の“田舎酒”

鳥取の日本酒【瑞泉(ずいせん)】山陰地方を代表する鳥取の“田舎酒”
出典 : KPG Payless2 / Shutterstock.com

「瑞泉」は、鳥取県東部の小さな蔵元、高田酒造場が醸す山陰の地酒。「好きな人だけが飲んでくれればいい」という職人気質のガンコな酒造りが、全国の地酒ファンの支持を集めています。ここでは、そんな「瑞泉」と高田酒造場について紹介します。

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「瑞泉」の造り手は、かつて「ビンボー酒屋」と呼ばれた蔵

「瑞泉」の造り手は、かつて「ビンボー酒屋」と呼ばれた蔵

Toru Kimura/ Shutterstock.com

「瑞泉」は山陰の小規模な蔵が醸す“田舎酒”

「瑞泉」の造り手、高田酒造場が創業したのは明治40年(1907年)のこと。創業当初は資金も乏しく、地域の人々からは親しみも込めて「ビンボー酒屋」と呼ばれていたのだとか。
それから1世紀を経た現在も、規模は小さいながら、質にこだわった酒造りを続けていて、代表銘柄である「瑞泉」は山陰を代表する“田舎酒”として、全国の地酒ファンに愛されています。

「瑞泉」は田舎町の古刹にちなんだ銘柄

「瑞泉」を醸す高田酒造場が蔵を構える岩美町は、鳥取県の最東端、兵庫県との県境に位置しています。透明度の高い山陰海岸沿いにある小さな町ですが、鳥取砂丘からも近く、温泉や海の幸にも恵まれていて、かつては、住みたい田舎ランキング(「田舎暮らしの本(宝島社)」2016年2月号掲載)で、日本一にも選ばれたこともある町です。
蔵近くには、天台宗の古刹・吉祥院(きちじょういん)があり、「瑞泉」という銘柄名もその山号にちなんだもの。まさに山陰の田舎町で育まれた“田舎酒”と言えるでしょう。

「瑞泉」は地元産の酒造好適米を鳥取の名水で醸した酒

「瑞泉」は地元産の酒造好適米を鳥取の名水で醸した酒

Benjamin Lissner/ Shutterstock.com

「瑞泉」は“地酒造り”にこだわって醸される酒

「瑞泉」は、蔵元の高田酒造場が“地酒造り”を強く意識して醸す酒。原材料は地元で調達することを基本としています。
原料米は地元農家との契約栽培による酒造好適米だけを厳選して使用。仕込み水は、地域では「滋味豊かな天然水」として知られる地下水を、蔵内の井戸からくみ上げて使用しています。

「瑞泉」をたのしむなら、まずはこの2本から

「瑞泉」ブランドのなかでも定番とされるのが、「瑞泉 純米」と「瑞泉 上撰本醸造」です。
「瑞泉 純米」は、辛口ながら濃醇タイプの純米酒。「五百万石」「玉栄」という2種類の酒造好適米が織りなす豊かな味わいは、織物の技法にたとえて「絣(かすり)の味わいの田舎酒」と評されます。
「瑞泉 上撰本醸造」は、鳥取地方では珍しい甘口の酒。口に含んだ印象は甘口ながら、味わっているうちに旨味と辛味が広がるという、深みのある味わいがたのしめます。

「瑞泉」の「好きな人にだけ呑んで欲しい」との心意気

「瑞泉」の「好きな人にだけ呑んで欲しい」との心意気

Beeboys / Shutterstock.com

「瑞泉」が少量生産を続けている理由とは?

「瑞泉」は、山陰を代表する“田舎酒”として、今や地元はもちろん、全国的にも高い知名度を有しています。蔵元の高田酒造場が「ビンボー酒屋」と呼ばれたのも、遠い過去のこととなりましたが、知名度が高まった今でも、量を追うことなく少量生産での酒造りを続け、公式サイトを設けて広く宣伝することもありません。
それは、「好きな人にだけ飲んでほしい」という方針のもと、消費に見合った量しか製造せず、その流通も信頼できる取引先に任せているからだとか。
「誰におもねることのない、自己流の酒造り」という職人気質のガンコな酒造りが、多くの愛飲家に支持される要因となっているのでしょう。

「瑞泉」は、自然豊かな山陰の地・岩美の恵みを活かして、少量ずつ、ていねいに醸された、まさに“田舎酒”。時間に追われる都会暮らしの人々にこそ、ゆったりとした気持ちで飲んで欲しい1本です。通販サイトでの取り寄せも可能ですが、機会があれば、山陰・岩美の豊かな自然のもとでたのしみたいものですね。

製造元:有限会社高田酒造場
公式サイト

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