鳥取の日本酒【八郷(やごう)】大山の豊かな自然に抱かれた地元密着の酒

鳥取の日本酒【八郷(やごう)】大山の豊かな自然に抱かれた地元密着の酒
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「八郷」は、鳥取県伯耆(ほうき)の米処・八郷の名を冠した日本酒です。大自然に抱かれて育った良質の米を、「平成水百選」にも選ばれた大山(だいせん)伏流水と、愛情こもった人の手で醸した酒。口に含めば、澄んだ空気までも感じられるような鳥取の地酒、「八郷」を紹介します。

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「八郷」の蔵元、久米桜酒造のアミューズメント構想

「八郷」の蔵元、久米桜酒造のアミューズメント構想

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「八郷」を醸す久米桜酒造の歴史

「八郷」を醸す久米桜酒造は、幕末の安政3年(1856年)に創業した、150年以上の歴史を持つ老舗です。創業当初は米子城下に蔵を構え、その異名である「久米城」の城址に咲く桜にちなんだ酒名「久米桜(くめざくら)」を、蔵名にも冠しています。
長きにわたり地域に根ざした日本酒造りを続けてきましたが、より清涼な環境を求めて、昭和60年(1985年)に蔵を移転。「伯耆富士」とも呼ばれる名峰・大山の麓、標高300メートルの高原で、雄大な自然に抱かれながら酒造りを行っています。

「八郷」をはじめとした日本酒と、地ビール造りを融合

「八郷」の蔵元、久米桜酒造は、酒造りの新たな可能性を見出すべく、地元企業との連携のもと1997年に地ビール造りを開始。「大山Gビール」のブランドで発売するとともに、醸造所に併設したブルワリーレストラン「ビアホフ ガンバリウス」を開設しました。
現在は「くめざくら大山ブルワリー」として、緑あふれる高原リゾート地で、日本酒と地ビールが一緒にたのしめるアミューズメント化構想を推進。多くの観光客を集め、地域経済の活性化にも貢献しています。

「八郷」は山陰屈指の米処の地名に由来

「八郷」は山陰屈指の米処の地名に由来

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「八郷」は、もともと山陰屈指の米処の地名

「八郷」の蔵元、久米桜酒造が蔵を構える伯耆町丸山周辺は、古くから「八郷」と呼ばれ、良質な米の産地として知られてきました。名峰・大山から湧き出る良質な名水と、標高300メートルの高地が生み出す寒暖差、そして澄み渡った空気など、稲作に最適な環境が揃っているからです。
その米処としての歴史は、八郷の地に伝わる伝説にも語られています。この地の守り神だった大蛇は、長年、大ムカデに苦しめられていましたが、あるとき、農地開拓の神様が訪れて大ムカデを退治。大蛇はその御礼に一夜で用水路を築き、周囲は良質の水田になったのだとか。

「八郷」は米処・八郷で育った「山田錦」で醸す酒

久米桜酒造は、この八郷の地で育った米を酒造りに活かそうと、地元農家の協力のもと、“酒造好適米の王様”と呼ばれる「山田錦」の契約栽培を開始しました。
豊かな自然のもとで愛情を込めて栽培された山田錦を、地下150メートルから汲み上げる大山の伏流水で醸すことで、なめらかな口当たりとコクを持った地酒が誕生。土地の恵みへの感謝を込めて「八郷」と名づけられました。

「八郷」の酒造りを体験できる「八郷酒造りの会」

「八郷」の酒造りを体験できる「八郷酒造りの会」

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「八郷」ファンならずとも参加したい、「八郷酒造りの会」

「八郷」を醸す久米桜酒造では、一般の人も参加できる「八郷酒造りの会」を開催しています。
2019年で15回目を数えたこの会は、春先に会員を募集し、6月に田植え、10月に稲刈り、1~2月に仕込みや搾りなど酒造りを体験し、3月の新酒完成試飲会に参加するなど、年間を通じて「八郷」の酒造りに参加できます。
日常ではなかなか体験することのない経験ばかりで、日本酒ファンはもちろん、そうでない人もたのしめるイベントです。

「八郷」は山陰屈指の米処で、豊かな自然に抱かれて生まれる日本酒。全国の酒屋さんやネット通販でも購入できますが、「八郷」を生んだ大自然のもとでの味わいは格別なはず。機会があれば、大山の麓まで、足を運んでみてはいかがでしょうか。

製造元:くめざくら大山ブルワリー 久米桜酒造有限会社
公式サイトはこちら

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