奈良の日本酒【やたがらす】神の使いを名に冠した吉野の地酒

奈良の日本酒【やたがらす】神の使いを名に冠した吉野の地酒
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「やたがらす」とは、かつて神武天皇が東征した際、吉野の山中で道に迷われていたとき、神が道案内として使わした鳥のこと。由緒ある神鳥の名を冠した「やたがらす」の歴史や特徴を、その背景となる「吉野」の魅力とともに紹介します。

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「やたがらす」は山深い吉野の地で育まれた酒

「やたがらす」は山深い吉野の地で育まれた酒

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「やたがらす」を育んだ山深い吉野の歴史

「やたがらす」を生んだ奈良県南部・吉野の地は、現在では桜の名所として知られていますが、飛鳥から奈良の時代にかけて吉野離宮が置かれ、この地を主題にした歌が「万葉集」に収められるなど、古くからの由緒ある土地柄です。
その後も、源義経が身を隠したり、後醍醐天皇が南朝を開いたり、豊臣秀吉が花見を開催したりと、数々の歴史の舞台となりました。

「やたがらす」の造り手、北岡本店の酒造り

「やたがらす」を造る北岡本店は、今から約400年前、江戸時代の初め頃に創業したと伝えられています。
当時の吉野は、山林労働に携わる人々の宿場町として栄えていて、北岡本店の創業者・惣兵衛氏はその中心地で古金屋(現在の金融業)を営んでいたのだとか。
その後、明治元年(1868年)になって、七代目当主・惣十郎氏が酒造専業に切り替え、以来、吉野の地にふさわしい、人の心をなごませる酒造りに注力し続けてきました。

「やたがらす」は神武天皇を救った伝説の烏

「やたがらす」は神武天皇を救った伝説の烏

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「やたがらす」は日本の神話に登場する瑞鳥(ずいちょう)

「やたがらす(八咫烏)」 とは、日本神話において、神武天皇を熊野から大和の橿原(かしわら)まで案内した“導きの神”として信仰され、“太陽の化身”とも言われています。
こうした伝承から、世界遺産として知られる熊野三山では、やたがらすを神の使い、熊野のシンボルとしています。
やたがらすは足が三本あり、それぞれ天・地・人を表すとの説があります。三本足の鳥は、日本だけでなく中国でも“瑞鳥”とされています。
こうした縁起のよさと、吉野の地に関わりの深い伝説にちなんで、北岡本店は大正時代に「やたがらす」を商標としたのです。

「やたがらす」は交通安全の守り神からサッカー日本代表のエンブレムまで

「やたがらす」は古代の伝承に由来した銘柄ですが、近年、その伝承が広く知られるに伴って、銘柄の知名度も向上しつつあります。
三本足の瑞鳥「やたがらす」は、熊野三山の護符「熊野牛玉法印(ごおうほういん)」に描かれるほか、橿原神宮で交通安全の守護神として祭られています。さらに、現在では日本サッカー協会のエンブレムの意匠に採用され、まさに日本を象徴する存在となっています。
近年の「やたがらす」の人気は、こうした背景にも後押しされているのでしょう。

「やたがらす」がめざすのは「人と人とをつなぐ酒」

「やたがらす」がめざすのは「人と人とをつなぐ酒」

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「やたがらす」の造り手が込めた想いとは?

「やたがらす」の酒質は、香り高くてコクがあり、キレのよさが魅力。飲み飽きせず、料理との相性もよいことから、地酒ファンの人気を集めています。
北岡本店では、「やたがらす」を醸すにあたり、こうした味わいのよさだけでなく、飲む人のコミュニケーションを助け、よりよい関係づくりに寄与することを目標にしています。
コミュニケーションツールとしての酒造りは、「日本古来の酒造り技術を継承し、おいしいお酒を通じて心温まる人間関係の成立に寄与する」という北岡本店の理念にも示されています。

「やたがらす」との出会いをたのしむなら蔵元の直売所へ

「やたがらす」は、奈良県の地酒を扱う専門店などで入手できますが、機会があればぜひ訪れてほしいのが、吉野にある北岡本店の直売所です。
吉野熊野国立公園の入口から、国道168号線を吉野川に沿って進めば、絶景の桜が咲き誇る場所に北岡本店の酒蔵があり、直売所が併設されています。万葉の歌人や戦国武将たちの目をたのしませた風光明媚の地で、「やたがらす」との心あたたまる出会いを堪能してください。

「やたがらす」は、数々の歴史を育んできた吉野の地を象徴する日本酒。かつて神武天皇を吉野の地へと導いたように、「やたがらす」は、これからも飲む人を明るい方向へと導いてくれるでしょう。

製造元:株式会社北岡本店
公式サイトはこちら

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