「グレーンウイスキー」とはどんなウイスキー?【ウイスキー用語集】

「グレーンウイスキー」とはどんなウイスキー?【ウイスキー用語集】
出典 : Mont592/ Shutterstock.com

「グレーンウイスキー」と呼ばれるウイスキーを知っていますか? 「グレーン」とは穀物のことですが、一般的なウイスキーとはどう違うのでしょう? ここでは、グレーンウイスキーの特徴や歴史、さらには「シングルグレーン」と呼ばれる新たな潮流も含めて、わかりやすく紹介します。

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「グレーンウイスキー」は穀物で造るウイスキー

「グレーンウイスキー」は穀物で造るウイスキー

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グレーンウイスキーは、穀類を主原料としたウイスキー

「グレーンウイスキー」とは、トウモロコシや小麦、ライ麦などの穀類を主原料に、糖化のための大麦麦芽(モルト)を加えて造られるウイスキーのこと。モルトを主原料とした「モルトウイスキー」に比べて、クセが少なくて飲みやすくなる傾向があります。

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グレーンウイスキー躍進のきっかけは産業革命

グレーンウイスキー造りには、多くの場合「連続式蒸溜器」が用いられます。これは、蒸溜するたびに中身を入れ替える「単式蒸溜器」をいくつも並べたようなもので、アルコール度数の高いウイスキーを効率的に造ることができます。
連続式蒸溜器が誕生したのは18世紀後半のイギリス。技術革新を背景とした産業革命のただなかのことで、これがグレーンウイスキーを大量生産するきっかけとなりました。

グレーンウイスキーが大量生産された背景には高額の酒税も

グレーンウイスキー造りが発展した要因は、技術の進歩だけでなく、経済的な理由もありました。
当時、イングランドによる併合にともない、スコットランドのウイスキー造りに高額の酒税が課せられるようになりました。これを逃れるために、スコットランド北部のハイランド地方では密造が活発化。一方、南部のローランド地方では生産コスト削減を目的に、効率的に造れて、モルトウイスキーに比べて原料費を抑えられるグレーンウイスキーの製造が盛んに行われるようになったのです。

「グレーンウイスキー」の役割とは?

「グレーンウイスキー」の役割とは?

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グレーンウイスキーの性格は?

グレーンウイスキーは、ウイスキー好きのあいだで「サイレント(寡黙な)ウイスキー」と呼ばれています。個性の強いモルトウイスキーを「ラウド(声高な)ウイスキー」と呼ぶのに対し、グレーンウイスキーのおだやかでクセのない性質を表しています。
こうした特性の違いを活かして生まれたのが「ブレンデッドウイスキー」です。飲みやすさと個性をあわせ持ったブレンデッドウイスキーは、万人受けする洗練された味わいで、ウイスキーを世界的に広める役割を果たしました。

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グレーンウイスキーはブレンデッドウイスキーの脇役? 主役?

コンセプトしだいで変わりますが、ブレンデッドウイスキーを造るとき、最初にベースとなるグレーンウイスキーを決めてから、さまざまなモルトウイスキーを組み合わせ、銘柄ごとの個性を出していく場合も多いのが実情とのこと。
つまり、グレーンウイスキーは、ブレンデッドウイスキーの骨格となる、なくてはならない存在です。銘柄ごとの個性を彩るモルトウイスキーが主役と思われがちですが、見方を変えれば、グレーンウイスキーこそが主役とも言えるのかもしれません。

「グレーンウイスキー」をそのまま味わう、シングルグレーンという選択

「グレーンウイスキー」をそのまま味わう、シングルグレーンという選択

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グレーンウイスキーの魅力をダイレクトに味わう!

グレーンウイスキーは、ブレンデッドウイスキーに用いられるだけの存在ではありません。グレーンウイスキーにも独特の味わいがあり、そこに造り手の工夫や熟成を凝らせば、モルトウイスキーとはまた異なる魅力が生まれます。
「グレーンウイスキーをそのまま味わいたい」という声が出てくるのは無理からぬことであり、そんなニーズに応えるべく、近年、新たな潮流となりつつあるのが「シングルグレーン」です。

グレーンウイスキーの魅力を堪能するならシングルグレーンを

シングルグレーンとは、単一の蒸溜所のグレーンウイスキーだけでできたウイスキーのこと。素材の持ち味を活かしつつ、軽やかで飲みやすい口当たりをたのしめるのが特徴です。
ここでは、日本でたのしめるシングルグレーンの代表銘柄を紹介しましょう。

【ニッカ カフェグレーン】

早くからグレーンウイスキーに注力してきたニッカウヰスキーが造る、日本のシングルグレーンの元祖的な銘柄です。1830年頃に誕生した旧式の連続式蒸溜器「カフェ式連続式蒸留機」ならではの、原料由来の成分が色濃く残った、蜂蜜のようななめらかな口当たりと甘さが特徴です。

製造元:ニッカウヰスキー株式会社
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【サントリーウイスキー「知多」】

グレーンウイスキーを専門にする、サントリー知多蒸溜所で造られるシングルグレーンウイスキー。ホワイトオーク樽やワイン樽など、多様な樽で熟成したグレーン原酒を組み合わせています。
すがすがしい香りとほのかな甘味が特徴で、炭酸水と合わせて「風香るハイボール」としてたのしむのがおすすめです。

製造元:サントリースピリッツ株式会社
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【富士御殿場蒸溜所 シングルグレーンウイスキー AGE25YEARS SMALL BACH】

「富士山麓」のブランドで知られる富士御殿場蒸留所が造る、キリンオンラインショップDRINX限定商品です。
同蒸留所にはグレーンウイスキー用の蒸溜器が3つもあり、さまざまな風味のグレーンウイスキーを造り分けています。この商品は、そのひとつである「ケトル」と呼ばれる単式蒸留器で造られたグレーンウイスキーだけを瓶詰めした、とてもめずらしいもので、濃厚な香りながら、さらりとした飲み口がたのしめます。

製造元:キリンディスティラリー株式会社 富士御殿場蒸溜所
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「シングルグレーン」って?今話題のウイスキーを知る

グレーウイスキーは、穀物を主原料とするウイスキーです。近年ではシングルグレーンの登場もあって、グレーンウイスキーを主役としてたのしむ機会も増えています。モルトウイスキーとの飲み比べをたのしんでみてはいかがでしょうか。

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