「グレーンウイスキー」とはどんなウイスキー?原料やおすすめの飲み方を解説

「グレーンウイスキー」とはどんなウイスキー?原料やおすすめの飲み方を解説
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グレーンウイスキーとはトウモロコシやライ麦、小麦などの穀物を主原料に糖化のための大麦麦芽を加え連続式蒸溜機で造られたウイスキーのこと。モルトウイスキーに比べクセが少なく飲みやすいのが特徴で、グレーンウイスキーはモルトウイスキーとブレンドして「ブレンデッドウイスキー」として商品化されるのが一般的です。

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「グレーンウイスキー」は穀物で造るウイスキー

「グレーンウイスキー」は穀物で造るウイスキー

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グレーンウイスキーは、穀類を主原料としたウイスキー

「グレーンウイスキー」とは、トウモロコシや小麦、ライ麦などの穀類を主原料に、糖化のための大麦麦芽(モルト)を加えて造られるウイスキーのこと。モルトを主原料とした「モルトウイスキー」に比べて、クセが少なくて飲みやすくなる傾向があります。

グレーンウイスキー躍進のきっかけは産業革命

グレーンウイスキー造りには、多くの場合「連続式蒸溜器」が用いられます。これは、蒸溜するたびに中身を入れ替える「単式蒸溜器」をいくつも並べたようなもので、アルコール度数の高いウイスキーを効率的に造ることができます。
連続式蒸溜器が誕生したのは18世紀後半のイギリス。技術革新を背景とした産業革命のただなかのことで、これがグレーンウイスキーを大量生産するきっかけとなりました。

グレーンウイスキーが大量生産された背景には高額の酒税も

グレーンウイスキー造りが発展した要因は、技術の進歩だけでなく、経済的な理由もありました。
当時、イングランドによる併合にともない、スコットランドのウイスキー造りに高額の酒税が課せられるようになりました。これを逃れるために、スコットランド北部のハイランド地方では密造が活発化。一方、南部のローランド地方では生産コスト削減を目的に、効率的に造れて、モルトウイスキーに比べて原料費を抑えられるグレーンウイスキーの製造が盛んに行われるようになったのです。

「グレーンウイスキー」の役割とは?

「グレーンウイスキー」の役割とは?

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グレーンウイスキーの性格は?

グレーンウイスキーは、ウイスキー好きのあいだで「サイレント(寡黙な)ウイスキー」と呼ばれています。個性の強いモルトウイスキーを「ラウド(声高な)ウイスキー」と呼ぶのに対し、グレーンウイスキーのおだやかでクセのない性質を表しています。
こうした特性の違いを活かして生まれたのが「ブレンデッドウイスキー」です。飲みやすさと個性をあわせ持ったブレンデッドウイスキーは、万人受けする洗練された味わいで、ウイスキーを世界的に広める役割を果たしました。

グレーンウイスキーはブレンデッドウイスキーの脇役? 主役?

コンセプトしだいで変わりますが、ブレンデッドウイスキーを造るとき、最初にベースとなるグレーンウイスキーを決めてから、さまざまなモルトウイスキーを組み合わせ、銘柄ごとの個性を出していく場合も多いのが実情とのこと。
つまり、グレーンウイスキーは、ブレンデッドウイスキーの骨格となる、なくてはならない存在です。銘柄ごとの個性を彩るモルトウイスキーが主役と思われがちですが、見方を変えれば、グレーンウイスキーこそが主役とも言えるのかもしれません。

「グレーンウイスキー」をそのまま味わう、シングルグレーンという選択

「グレーンウイスキー」をそのまま味わう、シングルグレーンという選択

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グレーンウイスキーの魅力をダイレクトに味わう!

グレーンウイスキーは、ブレンデッドウイスキーに用いられるだけの存在ではありません。グレーンウイスキーにも独特の味わいがあり、そこに造り手の工夫や熟成を凝らせば、モルトウイスキーとはまた異なる魅力が生まれます。
「グレーンウイスキーをそのまま味わいたい」という声が出てくるのは無理からぬことであり、そんなニーズに応えるべく、近年、新たな潮流となりつつあるのが「シングルグレーン」です。

グレーンウイスキーの魅力を堪能するならシングルグレーンを

シングルグレーンとは、単一の蒸溜所のグレーンウイスキーだけでできたウイスキーのこと。素材の持ち味を活かしつつ、軽やかで飲みやすい口当たりをたのしめるのが特徴です。
ここでは、日本でたのしめるシングルグレーンの代表銘柄を紹介しましょう。

【ニッカ カフェグレーン】

早くからグレーンウイスキーに注力してきたニッカウヰスキーが造る、日本のシングルグレーンの元祖的な銘柄です。1830年頃に誕生した旧式の連続式蒸溜器「カフェ式連続式蒸留機」ならではの、原料由来の成分が色濃く残った、蜂蜜のようななめらかな口当たりと甘さが特徴です。

製造元:ニッカウヰスキー株式会社
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【サントリーウイスキー「知多」】

グレーンウイスキーを専門にする、サントリー知多蒸溜所で造られるシングルグレーンウイスキー。ホワイトオーク樽やワイン樽など、多様な樽で熟成したグレーン原酒を組み合わせています。
すがすがしい香りとほのかな甘味が特徴で、炭酸水と合わせて「風香るハイボール」としてたのしむのがおすすめです。

製造元:サントリー株式会社
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【富士御殿場蒸溜所 シングルグレーンウイスキー AGE25YEARS SMALL BACH】

「富士山麓」のブランドで知られる富士御殿場蒸留所が造る、キリンオンラインショップDRINX限定商品です。
同蒸留所にはグレーンウイスキー用の蒸溜器が3つもあり、さまざまな風味のグレーンウイスキーを造り分けています。この商品は、そのひとつである「ケトル」と呼ばれる単式蒸留器で造られたグレーンウイスキーだけを瓶詰めした、とてもめずらしいもので、濃厚な香りながら、さらりとした飲み口がたのしめます。

製造元:キリンディスティラリー株式会社 富士御殿場蒸溜所
商品の詳細はこちら

グレーウイスキーは、穀物を主原料とするウイスキーです。近年ではシングルグレーンの登場もあって、グレーンウイスキーを主役としてたのしむ機会も増えています。モルトウイスキーとの飲み比べをたのしんでみてはいかがでしょうか。

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