「シングルグレーン」って?話題のウイスキーを知る
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グレーンウイスキーとはどんなもの?
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ウイスキーは大きく分けて、2つの種類があります。大麦麦芽のみを原料とする「モルトウイスキー」。もう1つが、トウモロコシや小麦、ライ麦、未発芽の大麦などを主原料とした「グレーンウイスキー」です。
この2種類は、原材料だけでなく、蒸留方式も異なります。「モルトウイスキー」は、単式蒸留器によって蒸留されるのが特徴。単式蒸留器は形や大きさでウイスキーの個性を出すことができるため「モルトウイスキー」も個性が強いウイスキーに仕上がります。
一方「グレーンウイスキー」は、連続式蒸留器で蒸留されます。連続式蒸留器は短期間で一気にアルコールを濃縮するため、原材料の風味が残りにくく、クリアな味に仕上がります。
グレーンウイスキーは、連続式蒸留器で大量生産が可能なため、モルトウイスキーよりも価格がお手頃。クセが少なくマイルドなので、複数の蒸留所のモルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドした「ブレンデッドウイスキー」として売られることがほとんどです。現在世界で流通する多くのウイスキーが、この「ブレンデッドウイスキー」にあたります。
しかし、このグレーンウイスキー単体の銘柄も存在します。ここでは、代表的なグレーンウイスキーを紹介しましょう。
原料由来の味わいが生きる「ニッカ カフェグレーン」
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ニッカウヰスキー宮城峡蒸留所で造られる「ニッカ カフェグレーン」は、「カフェ式連続式蒸溜器」で蒸留されています。カフェ式連続式蒸溜器は旧式で、蒸留効率は劣りますが、蒸留液に原料由来の香りや成分がしっかりと残ることで、ウイスキーの個性がより際立ちます。
原料由来のバニラやチョコレートのような香り、軽やかさの中にも、ほのかな甘さがありスッキリとした味わいです。通常はブレンデッドウイスキーのベースとして使われることの多いグレーンですが、それではもったいないほどの奥深い味わいを持つ銘柄です。
気軽に飲みたい「知多」
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知多半島にある知多蒸留所は、サントリーが持つ蒸留所の中でグレーンウイスキーを造る蒸留所です。ホワイトオーク樽を中心に、スパニッシュオーク樽やワイン樽など多彩な樽を使用して樽熟成によってグレーン原酒を造り分けています。
明るい黄金色、ほのかに甘い香りと軽やかな味わいは、ウイスキーを飲み始めたばかりの人が気軽にたのしむのにもぴったり。清々しく、爽やかな「風香るハイボール」として、ランチやちょっとした時間に飲むのにふさわしい味わいです。
甘い香りに酔う「富士御殿場蒸溜所 シングルグレーン25年」
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