京都の日本酒【白木久(しらきく)】食用米だけで造る、ご飯の旨味を味わう酒

京都の日本酒【白木久(しらきく)】食用米だけで造る、ご飯の旨味を味わう酒
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「白木久」を醸す蔵元、白杉酒造は、京都府の京丹後市で江戸時代後期に創業した、小規模ながらも歴史のある老舗蔵。近年では、丹後産の食用米を使用した独自の日本酒で人気を集めています。ここでは、「白木久」に込められたこだわりや魅力について紹介します。

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「白木久」の蔵元を継いだ11代目当主の酒造り

「白木久」の蔵元を継いだ11代目当主の酒造り

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「白木久」の蔵元は京丹後市にある小さな老舗蔵

「白木久」の蔵元である白杉酒造は、江戸時代後期の安永6年(1777年)に創業した老舗。以来、250年近くにわたり、京都府北部の京丹後市で、“淡麗辛口”を中心に酒造りを続けてきました。先代まで、酒造りは兵庫県北部を拠点とする但馬杜氏(たじまとうじ)を中心に行われ、造った日本酒の大半は地元で消費されていました。
そうした酒造りの体制や方針を大きく変革したのが、現在、蔵を取り仕切る11代目当主です。

11代目当主は自ら杜氏として少数精鋭の酒造りを行う

白杉酒造の11代目当主は、2001年に伯父である先代の養子に入り、但馬杜氏に学びながら酒造りを開始。2002年には広島県の酒類総合研究所に入所するなど、酒造りの知見を深めたうえで、2007年に代表取締役を引き継ぎました。
この際、外部の杜氏に頼るのでなく、少数精鋭の蔵人を蔵元自らが指揮する蔵元杜氏となり、丁寧できめ細かな酒造りを牽引。さらに、地域限定的な自社販売から方針を切り替え、全国に向け県外の地酒専門店にも商品を展開するようになりました。

「白木久」は丹後産の食用米を超軟水で仕込んだ酒

「白木久」は丹後産の食用米を超軟水で仕込んだ酒

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「白木久」は食用米を用いたご飯のような味わいの日本酒

「白木久」の大きな特徴として、原料に酒造好適米ではなく、丹後産の食用米を使用していることが挙げられます。
11代目の就任当初は、原料米をすべて京都府オリジナルの酒造好適米である「祝(いわい)」にする目標を掲げていましたが、生産量が少ないことから方針を転換。あえて食用米を用いることで、“お米らしさ”を感じる日本酒の味わいを追求することに。

丹後産の良質な「コシヒカリ」で炊きたてご飯のような日本酒を

もともと丹後産「コシヒカリ」は米の食味ランキングで「特A」を取得するなど、その品質には定評があります。白杉酒造では、契約農家によって栽培されたコシヒカリを原料に、炊きたての白いご飯のような“お米らしさ”が感じられる酒造りを行っています。

「白木久」は超軟水の仕込み水で食用米の魅力を引き出す

日本酒の原料として、米と並んで重要なのが仕込み水。白杉酒造では、裏山から湧く地下水を使用していますが、その特徴は超軟水であること。ミネラル分が少ない水に食用米の旨味が溶け出すことで、豊かな旨味や香りを引き出すことができるのです。

「白木久」が提唱する、地酒と食のマリアージュ

「白木久」が提唱する、地酒と食のマリアージュ

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「白木久」の定番商品は料理との相性もバツグン

「白木久」の魅力のひとつが、純米酒を中心とした多彩なラインナップ。なかでも定番と言えるお酒が「白木久 純米無濾 過生原酒」です。丹後産「コシヒカリ」を100%使用したやや辛口のお酒で、お米のおいしさとフルーティーな酸味が魅力です。
ブルーチーズやハーブ類との相性もよく、食中酒としてもおすすめ。アルコール感が強いと感じる人は、氷や水を少々加えるとより飲みやすく、幅広い料理に合わせやすくなります。

「白木久」の多彩なラインナップをたのしむ

お寿司屋さんのご飯をイメージし、料理を引き立てられる最高の食中酒をめざしたという「白木久 特別純米酒 銀シャリ」は、香り高く、シャープできりっとした味わいが特徴です。
また、近年では、「白木久 特別純米酒 BLACK SWAN(ブラックスワン)」など、おもに焼酎造りで使用される黒麹や白麹を使用してお米の旨味を引き出した新商品も続々と登場。甘酸っぱさとお米のおいしさがマッチした味わいで人気を集めています。

蔵開きイベント「丹後天酒まつり」でも魅力を発信

白杉酒造の酒蔵は、京丹後大宮駅から車で10分程度の所にあり、毎年5月に開催される蔵開きイベント「丹後天酒まつり」では、酒蔵見学に加えて当日限定のお酒もたのしめるそうです。
丹後の土地に根差し、地元と日本酒の魅力を発信する白杉酒造は、近年、ますます注目度を高めています。

京丹後市の小さな老舗蔵である白杉酒造は、食用米を使用した新しい日本酒造りで注目されています。革新的でありながら、日本人なら誰もが愛する白いご飯のおいしさを感じられる「白木久」は、日本酒ファンならずともぜひ試してみたいお酒です。

製造元:白杉酒造株式会社
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