「相模灘(さがみなだ)」さわやかな風味で食中酒にぴったり【神奈川の日本酒】
「相模灘」とは、神奈川県に面した海域一帯の呼称です。その海の名を冠した日本酒「相模灘」を造るのが、神奈川県相模原市の蔵元、久保田酒造。地元の海の名を冠した「相模灘」の魅力を、蔵元の歴史とともに紹介しましょう。
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「相模灘」は江戸時代から醸されてきた歴史あるお酒
出典:久保田酒造サイト
「相模灘」は、神奈川県相模原市にある小さな蔵元、久保田酒造の代表銘柄です。「相模」とは、川崎や横浜を除く、現在の神奈川県の大半の地域を示す旧国名。久保田酒造は、その旧国名が用いられていた江戸時代の末期、弘化元年(1844年)に創業しました。
以来、170年以上におよぶ歴史を重ねてきた久保田酒造ですが、現在も酒造りの拠点である木造の蔵は、今なお創業当初の姿をとどめています。
また、相模原市の北西部にある蔵元の周囲は山間部となり、比較的冷涼な気候で、伝統的な“寒仕込み”に適した立地。現在は、当主の久保田晃氏を筆頭に、その弟の徹氏が杜氏を務め、兄弟で力を合わせつつ、蔵の伝統と歴史を引き継いで「相模灘」を造っています。
「相模灘」は新酒でも長期熟成でもおいしいお酒
出典:久保田酒造サイト
「相模灘」は、伝統的な酒造りの基本を忠実に踏まえながらも、現代的な手法を織り交ぜて造り上げている日本酒です。
「相模灘」のコンセプトは「米の旨味を活かしたバランスのよい食中酒」であり、「新酒でも長期熟成でもおいしく飲める酒」。その実現に欠かせないのが、安定した水質を誇る丹沢山系の湧き水です。この名水を仕込み水に用いることで、「相模灘」は、口当たりのすっきりとした日本酒に仕上がっています。
また「相模灘」では、ろ過を行わず、新酒をそのまま瓶詰めして貯蔵する「無ろ過瓶囲い」という特別な処理法を取り入れています。この製法は、搾りたての新酒の風味を存分にたのしむことができるのが特徴。ろ過をしないため、黄色みや濁りがあることもありますが、それもまた「相模灘」独特の持ち味のひとつになっています。
「相模灘」のさわやかな吟醸香や透明感は食中酒に最適
出典:久保田酒造サイト
「相模灘」には現在、定番6種、限定6種がラインナップされています。純米大吟醸、純米吟醸、特別純米、特別本醸造といった精米歩合の違いと、原料米の品種の違いなどがありますが、いずれも「バランスのよい食中酒」という点は一貫しています。吟醸香は、あくまでほのかに香る程度にとどめ、上品でキレのよい味わいと、旨味のバランスが際立つ日本酒に仕上がっています。
「相模灘」は先述のように「無ろ過瓶囲い」という製法を採用しています。無ろ過のお酒は、搾りたての風味を味わえる反面、雑味が出てしまうリスクもある製法です。その欠点を補うべく、久保田酒造では“米の旨味を引き出しつつ雑味を取り除くこと”を目的として米を磨いています。その精米歩合は平均して約53%、全国平均が約65%といわれていますから、久保田酒造のこだわりの強さがわかるというもの。
「相模灘」のフレッシュな風味と透明感ある口当たりは、久保田酒造の技術とこだわりが生みだした味わいなのです。
久保田酒造の兄弟が受け継いだ伝統と歴史、創意工夫の結晶でもある「相模灘」。開封直後は搾りたてのおいしさを、開封後は日々の変化を、心ゆくまでたのしんでください。
製造元:久保田酒造株式会社
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