岐阜の日本酒【小左衛門(こざえもん)】常に挑戦し続ける蔵元の酒
「小左衛門」は、木曽川をはじめ土岐川や屏風山など、豊かな自然に恵まれた岐阜県瑞浪(みずなみ)市の地酒。選りすぐりの原料米を使って生み出される「小左衛門」シリーズの魅力や、蔵元である中島醸造の300年以上にわたる歴史を紹介します。
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「小左衛門」を育んだ蔵元の軌跡
出典:蔵元 小左衛門・始禄公式フェイスブック
「小左衛門」の蔵元、中島醸造は江戸時代中期の元禄15年(1702年)、現在の岐阜県南部にあたる美濃の地で庄屋を務めていた初代中島小左衛門が、年貢米を活かして清酒造りを始めたことを機に創業しました。
以来、300年余にわたって酒造業を営むなかで、大きな転換点となったのが1997年。純米酒や本醸造酒といった特定名称酒の生産割合を高めると同時に、お酒を製造後、1年以上熟成させる古酒造りに着手したことでした。
翌年には、製品のラベルに、スイスの近代画家パウル・クレーの作品を採用するなど、日本酒離れしたラベルデザインにも注力し始めます。
そんな挑戦の日々から、2001年に誕生した銘柄が、初代中島小左衛門の名前を冠した「小左衛門」です。その魅力は、ブームを経て主流となった“淡麗辛口”とはあえて逆をゆく、米の旨味を活かした“旨口”。飲む人に鮮烈な印象を残す味わいで、今や中島醸造を代表する銘柄となっています。
「小左衛門」は選りすぐりの酒米が魅力
出典:蔵元 小左衛門・始禄公式フェイスブック
「小左衛門」は、年貢米を使って家業を興した蔵元のお酒だけあって、とりわけ原料となる米選びに力を入れています。岐阜県産の「ひだほまれ」、地元農家と二人三脚で育てた「美濃瑞浪米」といった地元産はもちろん、良質の酒造好適米を広く全国に求め、生産者の顔が見えるものだけを取り入れてきました。
たとえば、日本酒好きに“雄町”と呼び親しまれている岡山県産「備前雄町」や、そのなかでも赤磐地区で栽培されている「赤磐雄町」、長野県産「美山錦」、山形県産「出羽燦々」など、採用している品種はじつにさまざまです。
珍しいところでは、山田錦を生み出した山田勢三郎氏の後継者、山田正壽氏から特別に譲り受けたという、話題性に富む米も。
そんな原料米の多彩なバリエーションは、「小左衛門」の人気を支えるひとつの要因になっているようです。
「小左衛門」シリーズの通年商品を飲み比べ
出典:中島醸造サイト
「小左衛門」をはじめ、中島醸造が造る日本酒は、「甘・辛・渋・苦・酸」の五味のバランスに優れた、深い旨味が特徴。幅広い料理に合わせやすく、「食中酒」にピッタリです。
多彩な限定品も評判ですが、ここでは通年販売されている3商品を紹介しましょう。
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