愛知のビール【ミツボシビール】明治生まれの地ビールを現在に復刻
「ミツボシビール」は、ビール造りの文化が深く根差した愛知県犬山市にブルワリーを構える、盛田金しゃちビールのブランドです。明治時代にルーツをもち、新たなスタンダードとして現代に受け継がれた「ミツボシビール」を紹介します。
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「ミツボシビール」は、文明開化の時代に生まれたビール
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「ミツボシビール」は、愛知県犬山市に醸造所を構える、盛田金しゃちビールが製造、販売するクラフトビールです。会社の設立は平成になってからのことですが、ブランドのルーツは文明開化から間もない明治時代、1880年代にまでさかのぼります。
当時、盛田家の11代当主である久左衛門氏は、愛知の地でビール醸造に成功し、「三ツ星麦酒」の名前で販売していました。しかし、他の事業が傾いた影響を受けて、「三ツ星麦酒」のブランドは一度潰えたといいます。
それから約1世紀を経て、久左衛門氏の系譜を継ぐ酒造メーカー、盛田グループが、1996年に尾張名古屋の地ビールメーカーとして盛田金しゃちビールを創業。「三ツ星麦酒」のスピリッツを受け継ぐ新たなブランドとして「ミツボシビール」を立ち上げ、社名を冠した「金しゃちビール」と並ぶ、同社の2枚看板としたのです。
「ミツボシビール」は、世界各地の伝統的なビールがコンセプト
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「ミツボシビール」が掲げるのは、伝統的な製法を用いて本格的なビールを世に送り出すこと。世界のビール産地で脈々と伝えられているビアスタイルをベースとしながら、そこに地元・愛知の伝統を組み合わせています。
たとえばドイツ・バイエルン発祥の「ヴァイツェン」は、酵母由来の香りとなめらかな口当たりが魅力のビール。チェコが発祥である「ピルスナー」は、さわやかなのどこしや引き立つ苦味が特徴です。イギリス生まれの「ペールエール」は、芯の強い旨味と軽やかな飲み口をもちます。そしてオーストリアの「ウィンナスタイルラガー」は、香ばしい香りと適度な苦味が魅力のビールです。
「ミツボシビール」は、こうした世界中で愛されているスタンダードなビアスタイルをベースにしたうえで、地元・愛知で培った技術を駆使して高品質なクラフトビールに仕上げています。
2013年「インターナショナルビアコンペティション」で銀賞、2014年「アジアビアカップ」金賞を獲得するなど、世界的なコンテストで認められた実績が、その本格派ビールとしての品質を物語っています。
「ミツボシビール」のレトロなボトルに込められた想い
出典:盛田金しゃちビールサイト
「ミツボシビール」のボトルは、背が低くどっしりとした安定感のあるフォルムが印象的です。このボトルは、ブランドのルーツとなった「三ツ星麦酒」の歴史の深さを思わせる、レトロな雰囲気に仕上がっています。
どこか懐かしさを感じさせる3つの星と独特のロゴデザインも、ブランドイメージを確立させるのに一役買っています。本格派ビールとしての品質に、これらの要素が融合することで、「ミツボシビール」はハイクラスなクラフトビールとなっているのです。
ちなみに、ラベルに描かれている3つの星は「ミツボシビール」が掲げる3つのコンセプトを示しています。「明治以来の歴史」「培ってきた信頼と技術」、そして、これらを昇華させた「世界に発信するグローバルなクラフトビール」という想いが、ミツボシビールのボトルに詰まっているのです。
「ミツボシビール」は、明治以来続く愛知のビール造りの伝統と、世界中のビアスタイルをミックスさせた正統派かつ本格派のクラフトビールです。伝統と革新を続けるこのブランドは、国内だけにとどまらず、世界中で愛されるに値するものでしょう。
製造元:盛田金しゃちビール株式会社
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