「酒ディプロマ(J.S.A. SAKE DIPLOMA)」は日本酒のプロをめざす資格

「酒ディプロマ(J.S.A. SAKE DIPLOMA)」は日本酒のプロをめざす資格
出典 : Sopholwich Nilmanon / Shutterstock.com

「酒ディプロマ(J.S.A. SAKE DIPLOMA)」は、日本酒の知識を学びたい、日本酒のスペシャリストをめざしたいという人のために創設された、日本酒に関する認定制度です。2017年に誕生したばかりですが、早くも各方面から注目される「酒ディプロマ」を紹介します。

  • 更新日:

「酒ディプロマ(J.S.A. SAKE DIPLOMA)」は日本酒に特化した認定制度

「酒ディプロマ(J.S.A. SAKE DIPLOMA)」は日本酒に特化した認定制度

Sopholwich Nilmanon / Shutterstock.com

「酒ディプロマ(J.S.A. SAKE DIPLOMA)」は、ソムリエとして有名な田崎真也氏が会長を務める「一般社団法人日本ソムリエ協会(以下J.S.A.)」による、日本酒に特化した認定制度です。

J.S.A.は、ワインに携わる人材育成や、ワインを中心としたアルコール飲料の普及に取り組んでいる団体です。
その活動の一環として、厚生労働省の認可のもと、ソムリエ呼称資格認定制度を運営。J.S.A.が実施する認定試験を受験して、一定の成績をおさめれば、「ソムリエ」や「ワインエキスパート」などを公式に名乗ることが認められます。
これら資格認定制度に、2017年から新たに加わったのが「酒ディプロマ」。ワインにおけるソムリエのような存在、つまり日本酒に関する専門知識やテイスティング技量をもったプロフェッショナルを育成するための認定制度です。

「ディプロマ」とは、教育機関が発行する卒業証明書のこと。「ディプロマを取得した」といえば、ある専門分野での課程を修了し、学位や単位を取得したことを意味します。そう考えると、「酒ディプロマ」は“日本酒の博士号”といってもいいかもしれません。

日本酒に特化した認定制度は、世界でも初めてとあって、広く注目を集めています。初回となる2017年度の認定試験には、多くの受験者が集まり、1,458名(うち女性512名)の酒ディプロマが誕生しました。

「酒ディプロマ(J.S.A. SAKE DIPLOMA)」発足の狙いとは?

「酒ディプロマ(J.S.A. SAKE DIPLOMA)」発足の狙いとは?

Stockmelnyk / Shutterstock.com

酒ディプロマ(J.S.A. SAKE DIPLOMA)認定制度が発足した背景には、世界的な和食ブームの高まりがあります。

近年、外国人旅行者が日本を訪れる大きな目的のひとつに、「和食をたのしむこと」が挙げられています。
「和食」はもともと「ヘルシーフード」として注目されていましたが、2013年12月にユネスコの無形文化遺産に登録されたことを機に、世界的なブームとなりつつあります。
栄養バランスにすぐれているだけでなく、四季折々の自然の美しさを表現し、年中行事とも密接に関わった“伝統文化としての和食”に、世界中の人々が熱い視線を注いでいるのです。

和食文化のなかでも重要な位置を占めるのが「日本酒」です。和食ブームを背景に、日本酒の人気は海外でも高まっており、国税庁のデータによると2017年の日本酒の輸出金額は約187億円に達しています。一升瓶に換算すると、約1300万本が出荷されていることになります。2003年には約39億円でしたので、15年の間に約6倍もの規模に拡大していることがわかります。

2020年の東京オリンピック・パラリンピックを控えて、日本酒に対する需要や関心はさらに高まっていくことが予測されます。これにともない、料亭などの飲食店や、ホテルなどで働いている人は、外国人旅行者から日本酒について質問される機会も増えることでしょう。
こうした環境変化のなかで、「日本酒についてもっと学びたい」「正しい知識や味わい方を説明できるようになりたい」という人も増えています。そうした意欲に応えるとともに、日本酒のプロフェッショナルを育てることで、日本の食文化のさらなる普及・発展につなげるために、酒ディプロマ認定制度がスタートしたのです。

※データの出典は国税庁サイトより

「酒ディプロマ(J.S.A. SAKE DIPLOMA)」の受験方法

「酒ディプロマ(J.S.A. SAKE DIPLOMA)」の受験方法

Chinnapong / Shutterstock.com

「J.S.A. SAKE DIPLOMA(酒ディプロマ)」の認定試験は、2017年からスタートし、2018年も夏から秋にかけて第2回の認定試験が実施されました。
試験の内容は、一次試験が筆記試験、二次試験はテイスティングと論述となっており、20歳以上であれば、国籍や職種、経験などは問わず、誰でも受験可能です。

認定試験の流れは、以下のようになります。

【出願】

申込みはWeb出願になります。J.S.A.のWebサイトにアクセスして、募集要項を確認のうえ、出願フォームに必要な情報を入力して、受験料(正会員:17,210円、一般:25,440、各税込)を支払えば完了です。

【一次試験】

一次試験は全国47都道府県の指定会場で開催されます。内容は筆記試験(60分)で、試験問題は出願登録後に郵送される「J.S.A. SAKE DIPLOMA 教本」から出題されます。
日本酒に関する幅広い知識が求められますので、まずは教本をしっかりと読み込む必要があります。

【二次試験】

一次試験合格者のみが進める二次試験では、テイスティング(30分)と論述試験(20分)が行われます。二次試験に合格すると、めでたく「酒ディプロマ」として認定されます。
また、二次試験を通過できなかった場合も、翌年以降、3年間は一次試験が免除され、再度のチャレンジが可能です。

※いずれも2018年度の事例です。

「J.S.A. SAKE DIPLOMA(酒ディプロマ)」の問題を見てみよう

「J.S.A. SAKE DIPLOMA(酒ディプロマ)」の問題を見てみよう

sasirin pamai / Shutterstock.com

「酒ディプロマ(J.S.A. SAKE DIPLOMA)」の認定試験には、どんな問題が出題されるのか、気になるところです。
J.S.A.サイトに「模擬問題」が掲載されていますので、いくつか抜粋してみました。まずは、腕試しにチャレンジしてみてください。

問1
日本酒製造業界において、醸造用水の条件として細菌酸度は何ミリリットル以下が基準とされているか、適しているものを選び解答欄にマークしてください。
1.2ミリリットル
2.3ミリリットル
3.5ミリリットル
4.10ミリリットル

問2
搾った日本酒を割り水し、ろ過後そのまま火入れせずに瓶詰め出荷される酒として適当なものを選び、解答欄にマークしてください。
1.生貯蔵酒
2.無ろ過生原酒
3.生酒
4.生原酒

問3
日本酒造りで用いられる、比重の単位を選びなさい。
1.デキストリン
2.ラティック
3.ボーメ
4.エステル

問4
上方から「下り酒」と尊ばれ、一大酒造地として繁栄した場所を選び解答欄にマークしてください。
1.広島
2.伏見
3.灘
4.宮城

問5
樽酒の木の香りをさらに引き立てるのに効果的な飲み方に用いる器として適しているものを選び、解答欄にマークしてください。
1.ぐい呑み
2.切子の器
3.升
4.錫の器

<解答>
問1=1(2ミリリットル)、問2=3(生酒)、問3=3(ボーメ)、問4=3(灘)、問5=3・升

いかがでしたか? 一次試験に合格するためには、分厚い教本をしっかり読み込む必要があります。この教本で日本酒についての知識を深めることで、これまで以上に日本酒をたのしめるかもしれませんね。

「酒ディプロマ(J.S.A. SAKE DIPLOMA)」以外にもたくさんある、日本酒の資格

「酒ディプロマ(J.S.A. SAKE DIPLOMA)」以外にもたくさんある、日本酒の資格

kitsune05 / Shutterstock.com

「酒ディプロマ(J.S.A. SAKE DIPLOMA)」認定制度の創出によって、「日本酒のプロになりたい」「日本酒について資格を取りたい」という声が高まりを見せています。
じつは、酒ディプロマ以外にも、日本酒の資格はさまざまなものがありますので、いくつか紹介しましょう。

【唎酒師(ききさけし)】

「唎酒師」とは、飲む人それぞれの好みに合わせた日本酒や、そのたのしみ方を提供する、まさに「日本酒のソムリエ」。日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会(SSI)が主催する資格です。
この資格を得るためには、日本酒の原料から製造方法、歴史、テイスティング、さらにはセールスプロモーションまで、多岐にわたる知識や技能が求められます。

【酒匠(さかしょう)】

「酒匠」は「唎酒師」の上位資格に位置づけられる、テイスティングの専門家としての資格です。2日間かけて、200を超えるサンプルを用いて、原料別や製法別、タイプ別のテイスティングを学んだうえで、四次にわたる試験を経て認定されます。

【日本酒学講師】

「日本酒学講師」は、日本酒に関するセミナー講師をめざす人や、消費者に日本酒の魅力を伝えたい人におすすめの資格です。この資格を取得すれば、SSI公認の「日本酒ナビゲーター」認定セミナーを主催し、認定証を発行する権利が得られます。

「酒ディプロマ(J.S.A. SAKE DIPLOMA)」は、今後、国際的な認定制度として、世界各国での導入をめざしています。世界中どこでも、「酒ディプロマ」が選んでくれる日本酒をたのしめる日が、遠からず訪れるかもしれませんね。

日本ソムリエ協会サイト
公式サイトはこちら
認定制度「J.S.A.SAKE DIPLOMA」についてはこちら

関連情報

What's New! 新着情報

大人の基礎知識

  • ビールの基礎知識
  • 日本酒の基礎知識
  • ワインの基礎知識
  • ウイスキーの基礎知識
  • 焼酎の基礎知識
  • カクテルの基礎知識