強烈なスモーキーフレーバーが自慢! アードベッグの魅力に迫る
個性的なスモーキーさが特徴のアイラモルト。シングルモルトブームの先駆けともなったアイラモルトのなかでも、圧倒的な存在感を放つのがアイラ島生まれの「アードベッグ」です。今回は、世界中に熱烈なファンを持つ「アードベッグ」の魅力に迫ります。
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アードベッグってどんなウイスキー?
出典:MHD モエ ヘネシー ディアジオ株式会社サイト
「アードベッグ」はアイラモルトを代表する銘柄
「アードベッグ」は、独特のスモーキーフレーバーが特徴の、アイラモルトを代表する銘柄です。
アイラモルトとは、スコットランドのアイラ島で造られるシングルモルトウイスキーのことで、アイラ島では数々の銘酒が造られています。
今回紹介する「アードベッグ」のほかに、アイラの王と称される「ラフロイグ」や、アイラの女王「ボウモア」、アイラの巨人「ラガヴーリン」などがあり、いずれも世界的な人気を誇ります。
アードベッグ蒸留所のふるさと、アイラ島の特徴
アードベッグ蒸留所があるアイラ島は、日本の淡路島ほどの大きさの島で、3,500人ほどの人が暮らしています。
海に囲まれ、島の約4分の1が湿原に覆われたアイラ島は、気温が低く湿度が高いのが特徴。こうした島の環境がウイスキー造りに適していることから、古くからウイスキー造りが盛んに行われてきました。
世界のウイスキー通が「一生に一度は訪れたい場所」と唱えるアイラ島には、8か所ほどの蒸溜所があり、島の住人の多くがウイスキー造りに携わっているといわれています。
また、アイラ島は小さな島ですが「ウイスキーの聖地」としての存在感は抜群で、スペイサイド、ハイランド、ローランド、アイランズ、キャンベルタウンと並ぶ、スコッチウイスキーの6大生産地に数えられています。
「アードベッグ」を救った?! 「アードベギャン」の存在
世界的な賞を次々と受賞し、「アイラのなかのアイラ」と称される「アードベッグ」ですが、現在に至るまでの道のりは、けっして明るいものばかりではありませんでした。
「アードベッグ」の設立は、今から200年以上前の1815年に遡ります。高品質のスコッチの評価は高かったものの、「小さな岬(アードベッグ)」に建つ蒸溜所は幾度となく経営不振に陥り、1980年代には世界的なウイスキーの不況も重なって、ついに閉鎖を余儀なくされました。
そんな「アードベッグ」を支えたのが、世界中に存在する熱狂的な「アードベッグ」のファン「アードベギャン」の存在です。アードベッグ蒸留所は、1997年にグレンモーレンジィ社の傘下に入り稼働を再開しましたが、これは、「世界130か国にもおよぶというアードベギャンたちの熱い想いが後押しして実現した復活劇」といっても過言ではないでしょう。
アードベギャンたちの支持を受け、閉鎖されていたアードベッグ蒸留所は、まさに不死鳥のごとく蘇ったのです。
強烈な個性を持つアードベッグの特徴とは?
出典:MHD モエ ヘネシー ディアジオ株式会社サイト
「アードベッグ」は強烈なスモーキーフレーバーが特徴
「アードベッグ」の大きな特徴は、薬のようなヨード香や磯のようなピート香などが感じられる、力強いスモーキーフレーバーにあります。その香りがいかに強烈なものかは、ピート由来のスモーキーさを数値化した「フェノール値(ppm)」にも現れています。
ほかのアイラモルトとフェノール値を比較してみましょう。
◇ブルックラディ:2~5ppm
◇ボウモア:20~25ppm
◇アードベッグ:55~60ppm
スモーキーさが特徴のアイラモルトのなかでも、比較的スタンダードな味わいといわれている「ボウモア」と比べても、その差は倍以上。世界中のアードベギャンは、この強烈な個性に魅了されているのです。
「アードベッグ」は、まさに「アイラの中のアイラ」と呼ばれるにふさわしい存在といえます。
「アードベッグ」からはフルーティーな甘味も感じられる
アードベッグの魅力はスモーキーさだけではありません。強烈なスモーキーさを持つ一方で、フルーティーな甘さをたのしめるのも特徴です。
このフルーティーさは、蒸溜工程で、ウイスキーの風味に影響を与えるといわれる「精溜器(ピューリファイア)」を使用することで生み出されています。
ほかに類を見ない個性的なスモーキーさと繊細な甘さを併せ持つ「アードベッグ」は、2つの相反する魅力を併せ持っていることから、「ピーティー・パラドックス(矛盾)」の愛称でも親しまれています。
「アードベッグ」の仕込み水やこだわりにも注目!
「アードベッグ」では、蒸溜所の近くにあるウーガダール湖の水を仕込み水に使っています。アイラ島のピート層でろ過された水は、「アードベッグ」の旨味をよりいっそう引き立てます。
また、一般的なウイスキーでは「チルフィルタード」と呼ばれる冷却ろ過の工程を経て造られますが、「アードベッグ」ではあえてそれを行っていません。
冷却ろ過を行わない「ノンチルフィルタード」で仕上げることにこだわっているからこそ、原酒や樽由来の香味成分が残ったそのままの旨味が堪能できるのです。
アードベッグの代表銘柄を一挙紹介!
出典:MHD モエ ヘネシー ディアジオ株式会社サイト
アードベッグ 10年
アードベッグのラインナップのなかでも、最初に挑戦したいのが「アードベッグ 10年」です。アードベッグの復活を世に知らしめたこの1本は、強烈なスモーキーさと繊細な甘さが完璧に調和した「究極のアイラモルト」として、世界中で愛されています。
アルコール度数は46度とやや高め。さわやかで海を思わせるヨード香やフルーティーな香り、重厚で甘美な味わい、スモーキーな余韻が長く続くのが特徴で、2008年にワールド・ウイスキー・オブ・ザ・イヤーを受賞しています。
アードベッグ ウーガダール
「ウーガダール」とは、アードベッグの仕込み水に使われている湖の名前です。「ウーガダール」はゲール語で「暗くて神秘的な場所」を意味しています。
シェリー樽熟成の原酒をブレンドした「アードベッグ ウーガダール」は、「アードベッグ」らしいスモーキーさだけでなく、ドライフルーツのような繊細な甘さもたのしめます。こちらも、2009年にワールド・ウイスキー・オブ・ザ・イヤーを受賞しています。
アードベッグ コリーヴレッカン
ヨーロッパ最大級の渦潮(うずしお)が発生する海峡、「コリーヴレッカン」の名を冠したこのボトルは、力強いスパイシーさが特徴です。先に挙げた2本より、さらに刺激的な味わいと香りが感じられます。
フレンチオークの新樽に由来するスパイシーさと、アードベッグならではの強烈なスモーキーさが、まさに渦のように押し寄せる「アードベッグ コリーヴレッカン」。アルコール度数が約57度と非常に高いため、上級者向けの銘柄です。
アードベッグ アン・オー
「アードベッグ アン・オー」は、バーボン樽、PXシェリー樽、新樽の3種のモルトをブレンド(ヴァッティング)して造られています。ゆっくり時間をかけて馴染ませた、まろやかな味わいが特徴です。
「アードベッグ」ならではのスモーキーさはもちろん健在ですが、強烈なクセよりも先にまろやかな甘さが感じられるため、こちらも「アードベッグ」の最初の1本としておすすめです。
ちなみに、「アン・オー」とはアイラ島の最南端にあるオー岬を由来としたもの。荒波に削り取られた岩肌のごとく、丸みのある味わいがたのしめます。
世界中に広がる熱狂的なファン、アードベギャンから、熱烈な支持を受けている「アードベッグ」。なかには、強烈なクセがやみつきになり、それをきっかけにウイスキーの世界にのめり込む人もいるのだとか。アードベギャンを虜にする「アードベッグ」の魅力に、触れてみてはいかがでしょう。
アードベッグ 公式ブランドサイト
http://www.ardbegjapan.com/
アードベッグ 国内販売元 MHD モエ ヘネシー ディアジオ株式会社
https://www.mhdkk.com/brands/ardbeg/