山梨に行って飲んでみたい! おすすめの日本酒(地酒)【甲信越編】

山梨に行って飲んでみたい! おすすめの日本酒(地酒)【甲信越編】
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山梨県はフルーツの名産地、ワインの銘醸地として有名ですが、ミネラルウォーターの出荷量や日照時間も日本一。おいしい水と澄んだ空気、良質な米ができる日照時間と冬の寒さなど、日本酒造りの条件が揃った山梨県では、軽やかで繊細な酒が生まれています。

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山梨は名水の里! 自然のなかで磨きぬかれた酒

山梨は名水の里! 自然のなかで磨きぬかれた酒

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山梨県は、南に富士山、北に八ヶ岳、西には南アルプスと、名山に囲まれた土地です。森林や清流も多く、天然のフィルターでろ過された伏流水など、豊かで清らかな水に恵まれた山梨県は、ミネラルウォーターの生産量が日本一。国内で市販されている商品の4割までが山梨県の水だそうです。
日本酒はその約8割が水でできているわけですから、おいしい水が豊富な山梨県は、日本酒造りに適した地といえますね。

富士川、笛吹川、釜無川の上流近くや南アルプスの麓・白州など、名水で知られる地域には、これらの水を使う酒蔵があります。その水に惹かれた造り手たちが、大自然の恵みを最大限に引き出して美酒を醸しているのです。

山梨=ワイナリーだけじゃない! 魅力あふれる酒蔵の数々

山梨=ワイナリーだけじゃない! 魅力あふれる酒蔵の数々

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山梨県は甲州ブドウの産地で、日本のワイン発祥の地でもあり、今も新旧約80のワイナリーが集まっています。酒の種類が違うので、一概には比較できませんが、「酒どころ」といわれる新潟県の酒蔵の数が89ですので、「ワイン王国」の面目躍如といったところでしょうか。

このようにワインのイメージが強い山梨県ですが、じつは、ワイン醸造が始まる以前から、この地で日本酒を醸し続けている蔵も少なくありません。
八ヶ岳山麓水系の谷櫻酒造や八巻酒造、南アルプス山麓水系の山梨銘醸や太冠酒造、桂川流域の笹一酒造、富士北麓水系の井手醸造店など、県内各地の名水の地には、200年以上の歴史をもつ酒蔵があり、それぞれの個性を守りながら、今も伝統の酒造りを続けているのです。

山梨の人気銘柄

山梨の人気銘柄

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山梨県の日本酒は、「名水の里に銘醸あり」といわれるように、名水を活かしたすっきりした味わいが特徴です。なかでも県内外で人気の銘柄を紹介します。

白州の名水を活かした地産地消の酒造り【七賢(しちけん)】

「七賢」の蔵元、山梨銘醸は、江戸時代中期の寛延3年(1750年)創業の老舗蔵。260年以上もの長きにわたって日本酒を造り続け、明治天皇御巡幸の際に「行在所(あんざいしょ)」となった由緒ある蔵です。
その主力銘柄「七賢」は、名水の地として知られ、現在は大手ウイスキーメーカーの蒸溜所もある白州の地で育まれた日本酒。甲斐駒ヶ岳の伏流水を活かして、地元産の酒造好適米を醸した、地産地消の酒造りから生まれた逸品です。

製造元:山梨銘醸株式会社
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ワイン王国発の革新的な旨酒【旦(だん)】

笹一酒造は、寛文元年(1661年)に桂川流域の大月の地で創業した300余年の歴史をもつ老舗。当初の屋号は「花田屋」でしたが、古来、清酒は「笹」と呼ばれていたことから、「酒の一番」をめざして大正8年(1919年)に現在の屋号で再創業しました。
この老舗蔵が、日本一の酒をめざして立ち上げた新銘柄が、「日」と「一」を組み合わせた名を冠した「旦(だん)」です。能登杜氏の伝統を汲む伊藤正和杜氏を中心に、若い蔵人たちが研究を重ね、きれいなだけでなく、しっかりと米の旨味も引き出した吟醸酒。「ワイン王国から出た革新的な旨酒」として、日本酒業界のみならず、世界的なワイン評論家のロバート・パーカーJr.氏も評価する、注目の一本です。

製造元:笹一酒造株式会社
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歌人・与謝野晶子ゆかりの酒【春鶯囀(しゅんのうてん)】

寛政2年(1790年)創業という歴史ある酒蔵、萬屋(よろずや)醸造店は、創業以来の「一力政宗(いちりきまさむね)」という銘柄で知られていました。昭和初期、歌人・与謝野晶子が甲斐路を訪れ、蔵に宿泊した際に詠んだ歌「法隆寺などゆく如し 甲斐路の御酒 春鶯囀のかもさるゝ蔵」に感銘を受けた6代目当主が、銘柄を「春鶯囀」に改名したのだとか。晶子直筆の文字をラベルに使用していたその酒は、風流な名にふさわしい、すっきりした味わいで人気を集めています。

製造元:株式会社萬屋醸造店
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小さな蔵の若き杜氏の挑戦【青煌(せいこう)】

慶応元年(1865年)に八ヶ岳高原にある北杜市高根町で創業した武の井酒造は、年間80石という、日本でもっとも生産石高の少ない小さな蔵といわれています。名水百選にも選ばれている「三分一湧水」の湧き出る八ヶ岳山麓の伏流水を用いて、ていねいな手造りで主力銘柄「武の井」を醸してきた蔵が、2007年に出した新銘柄が「青煌」です。若き醸造家・清水紘一郎杜氏が、仕込みの作業をほぼ一人でこなし、花酵母「つるばら酵母」を使用して醸し出す、まさに“こだわりの酒”に地酒ファンの注目が集まっています。

製造元:武の井酒造株式会社
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ルーツは灘の日常酒【福徳長(ふくとくちょう)】

福徳長酒類は、寛政4年(1792年)に酒造りの地として知られる兵庫・灘で創業した歴史ある蔵元。現在はオエノングループの子会社として山梨県韮崎市のほか、福岡、鹿児島の国内3拠点で酒造りを展開しています。
韮崎工場で生産されている「福徳長 甲斐の国鬼ころし」は、飲み口はすっきり、味わいはしっかりと飲み応えがあり、飲み飽きしない定番のお酒です。

製造元:福徳長酒類株式会社(オエノングループ)
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山梨のそのほか注目銘柄

山梨のそのほか注目銘柄

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山梨県には、これまで紹介した銘柄以外にも、地酒ファン注目の銘柄が少なくありません。そのいくつかを紹介します。

南アルプスで醸すめでたい酒【榊正宗(さかきまさむね)】

甲斐の地酒として親しまれる「榊正宗」を製造するのは、明治5年(1872年)創業の横内酒造。南アルプス山麓の大自然のなかに蔵を構え、南アルプス前衛の櫛形山中腹から湧き出る水を仕込み水に、厳選された山田錦や美山錦を使用した酒造りを行っています。
「榊正宗」は、多くの人に愛されるめでたい名前をつけようと、神木である「榊」を冠にして命名されたもの。その名にふさわしい清らかな味わいが「淡麗にてスッキリした酒」との評判を獲得しています。

製造元:株式会社横内酒造店
公式サイトはありません

たった一人での酒造り【養老(ようろう)】

養老酒造は山梨市内で唯一の酒蔵です。笛吹川の伏流水を仕込み水に、杜氏である主人がただ一人で、昔ながらの技法を用いて、すべて手作業による酒造りに挑んでいます。
「養老」ブランドのなかでも人気は原酒の「養老 櫂(かい)」。搾ったそのまま、アルコール度数が20を超える力強いのどごしに、甘くてまろやかな口当たり。甘さと強さの不思議なギャップがクセになるというファンも多いようです。

製造元:養老酒造株式会社
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八ヶ岳の大自然が育んだ地酒【谷櫻(たにざくら)】

谷櫻酒造は江戸時代末期の嘉永元年(1848年)に創業。酒造好適米のなかでも良質として知られる山田錦や美山錦などを有機栽培した米を使用。麹は蔵人が丹精込めてていねいに造り出し、水は深井戸にこんこんと湧く名水・八ヶ岳南麓湧水群の伏流水(弱軟水)を使用しています。これらこだわりぬいた原料から生まれる代表銘柄「谷櫻 古銭屋」は、精米歩合45%の純米大吟醸。名前の「古銭屋」は創業当初の蔵の呼称からとっています。

製造元:谷櫻酒造有限会社
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地元の英雄を冠した濁り酒【黒駒の勝蔵(くろこまのかつぞう)】

大正13年(1924年)、笛吹川にほど近い御坂町で創業した腕相撲酒造。一度聞いたら忘れられない名前は、初代社長が大の腕相撲好きだったことからつけられたのだとか。
代表銘柄である「黒駒の勝蔵」は、幕末から明治維新へと向かう激動の時代に生きた地元の英雄、元侠客にして尊王の志士だった黒駒勝蔵の名を冠した濁り酒。今や全国から注文が殺到する人気商品です。

製造元:腕相撲酒造株式会社
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蔵が自信をもって薦めるキング・オブ・地酒【太冠(たいかん)】

太冠酒造は、自然豊かな南アルプスの地に、明治10年(1877年)に創業した酒蔵です。「太冠」とは出世した武官がその祝いにかぶる冠のことで、祝い事にあう日本酒を造る酒蔵をめざして、その名がつけられました。
最上位酒「太冠 超特選大吟醸」は、山田錦を40%まで磨くなど、究極の手間をかけた大吟醸酒で、全国新酒鑑評会金賞をはじめ数々の賞を獲得し、入手困難なことから“幻の酒”とも呼ばれています。

製造元:太冠酒造株式会社
公式サイトはこちら

ここに紹介した銘柄のほかにも、山梨県では「お館様(おやかたさま)」「陣(じん)」「本菱(ほんびし)」「甲斐男山(かいおとこやま)」「甲斐の開運(かいのかいうん)」などが人気です。

山梨県はワインのイメージが強いですが、日本酒に情熱を傾ける酒蔵の存在も忘れてはいけません。おいしい水の里だからこそできる、美しい酒がそこにあります。

山梨県酒造協同組合
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