幻の日本酒【鍋島(なべしま)】世界が認めた佐賀の酒

幻の日本酒【鍋島(なべしま)】世界が認めた佐賀の酒
出典 : kathayut kongmanee /shutterstock.com

「鍋島」は佐賀県を代表する日本酒ですが、数々の賞に輝いたことで全国に知られる存在となりました。佐賀には行ったことがないという人でも「鍋島」を知ることで、一度足を運んでみたくなる。それほどの魅力をもつ「鍋島」とはどんな日本酒でしょう?

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「鍋島」を育んだのは、古くからの酒どころ、佐賀の風土

「鍋島」を育んだのは、古くからの酒どころ、佐賀の風土

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「鍋島」を生んだ佐賀の地は、海苔の産地としても知られています。良質な海苔が育つのは、豊富な栄養分が流れ込んでくる複雑な海岸線があるためですが、その有明海に面する佐賀県鹿島市浜町で「鍋島」を醸しているのが富久千代酒造です。

この地域は、佐賀県と長崎県の間にある多良岳(たらだけ)山系からの質の良い水が豊富で、酒造り用の米を育てるのに適した土地柄のため、昔から「酒どころ」として知られています。

古くからの酒蔵が今も残されており、酒蔵に適した土蔵作り(土壁の上から漆喰を塗り、耐水性と耐火性をかねて大切なものを守るための蔵)の街並みを形づくっています。
まさに「古き日本の街並み」という雰囲気があり、日本酒に詳しくない人でも、この街並みを写真で目にして「行ってみたい」と思ったことがあるかもしれません。

「鍋島」の味わいは、地元酒店との連携で生まれたもの

「鍋島」の味わいは、地元酒店との連携で生まれたもの

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「鍋島」を生んだ富久千代酒造は、大正時代からの歴史をもつ老舗ですが、現在の代表である飯盛直喜氏が経営を引き継いだ80年代後半、日本酒業界は変革期を迎えていました。
酒類免許が緩和されたことで、コンビニやスーパーなどが台頭し、地域の酒店を主体とした従来の販売網が大きく変貌しつつあったのです。

このままでは日本酒業界で生き残るのは難しいと考えた飯盛氏は、地元酒店の若手後継者と一緒に「佐賀を代表する地酒」「地元の米と水で醸し出す愛される地酒」を目標に、新たな酒造りに着手しました。
3年にわたる試行錯誤の結果、誕生したのが、五感をやさしく刺激するような「自然体」の日本酒でした。

「この日本酒を、地元・佐賀の人々にずっと愛してもらえるような日本酒にしていきたい」という気持ちから、銘柄の一般公募を行ったところ、300年にわたって佐賀の地を治めてきた鍋島家の名をとって「鍋島」という銘柄が生まれたのです。

「鍋島」人気を決定づけた、輝かしい受賞歴

「鍋島」人気を決定づけた、輝かしい受賞歴

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「鍋島」は、今では「幻の酒」と呼ばれるほどの人気を博していますが、1998年に誕生した当初は、そこまでの知名度はありませんでした。

「鍋島」が爆発的な売れ行きを示すようになったのは、2000年代を迎えてから。まさに「21世紀の酒」といえるかもしれません。

「鍋島」の輝かしい受賞歴の皮切りとなったのが、2002年「国際酒祭りin Tokyo」純米酒部門において1位を獲得したこと。翌2003年からは、全国新酒鑑評会において7年連続で「金賞」に輝くなど、その躍進は止まるところを知りません。

国内だけでなく、2011年にはロンドンで開かれた世界的に権威のある大会「インターナショナル・ワイン・チャレンジ」において、純米酒部門で「鍋島特別純米」が、また吟醸酒・大吟醸酒部門で「鍋島大吟醸」が、それぞれ金賞を獲得。まさに、日本を代表する日本酒のひとつとなったのです。

「鍋島」が世界的な知名度をもつ日本酒になったことで、富久千代酒造が酒蔵としての規模を拡大することも可能なはずです。しかし、「クリエイティブで質の良い日本酒を造り続けていきたい」という飯盛氏の想いから、今もなお、これまでと変わらぬ蔵で、ていねいな酒造りを続けています。

地元・佐賀の人々に愛されるお酒、佐賀県を代表するお酒を目指して生み出された「鍋島」が、今や日本を代表する、世界に誇れる日本酒となりました。佐賀の人々にとって大きな誇りとなっているはずです。

製造元:富久千代酒造有限会社
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