岩手に行って飲んでみたい!おすすめの日本酒(地酒)【東北編】

岩手に行って飲んでみたい!おすすめの日本酒(地酒)【東北編】
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岩手県は、北上山地に育まれた名水の地で、日本三大杜氏の筆頭とされる南部杜氏の里でもあるだけに、おいしい日本酒の宝庫。伝統の技を基本としながら、それぞれの酒蔵が独自の酒造りに挑戦し、日本酒好きの間で話題となる酒を次々に生み出しています。

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日本三大杜氏の筆頭 南部杜氏による洗練された酒造り

日本三大杜氏の筆頭 南部杜氏による洗練された酒造り

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岩手は日本三大杜氏(南部杜氏、越後杜氏、丹波杜氏)の筆頭といわれる南部杜氏の里として知られています。

杜氏(とうじ)は、冬季の間だけ酒造りをする技能集団として、江戸時代の中頃に発生したといわれており、以来、長きにわたって独自の醸造技術を伝承してきました。
全国には三大杜氏をはじめ、さまざまな杜氏の流派がありますが、なかでも岩手発祥の南部杜氏は、最盛期には加盟者が3,000人を超えることもある最大のグループ。その酒造りの技術は高く評価されており、岩手のみならず全国の蔵で南部杜氏が活躍しています。

南部杜氏の酒造りの技術は、寒冷な気候にあわせて工夫されたもので、その技を活かして造られる岩手の酒は「雑味のない、きれいな味わい」と表現されています。
その味わいは、すっきりとしながらもコクのある「淡麗旨口」のものが多く、どんな料理にもあわせやすいのが魅力です。

岩手の日本酒を育んだのは、山々に囲まれた豊かな自然

岩手の日本酒を育んだのは、山々に囲まれた豊かな自然

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岩手県は、本州一の広さを誇り、日本最長の山脈に囲まれた自然豊かな地域です。日本酒の味を大きく左右する「水」にも恵まれ、北上山地の伏流水をはじめ数々の名水があり、口当たりがやわらかいといわれる岩手の酒造りを支えています。

酒の味を決めるのは「米と水」といわれますが、岩手は水には恵まれていたものの、米はオリジナルの酒造好適米がなく、おもに長野県で生産される「美山錦」を使用していました。

しかし、メーカーや杜氏からの強い要望を受け、1992年に岩手オリジナルの酒造好適米の開発がスタート。8年もの歳月を費やして誕生したのが、吟醸用の酒に合う「吟ぎんが」でした。

その後、「ぎんおとめ」を開発。岩手の銘酒として知られる「南部美人」や「あさ開」などにも使われています。

岩手の人気銘柄

岩手の人気銘柄

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南部杜氏の伝統と技を受け継いだ岩手の日本酒のなかから、日本酒ファンが注目する人気銘柄を紹介します。

次世代の日本酒【赤武(あかぶ)】

岩手県大槌町の酒蔵、赤武酒造が造る「赤武」は、「復活の酒」と呼ばれる人気銘柄です。その理由は、東日本大震災で完全流失した蔵を建て直し、再出発に際して新しく立ち上げた銘柄だからです。
この難事業を手掛けたのは、現社長の長男、古館龍之介氏でした。東京農業大学を卒業したばかりの22歳で史上最年少の杜氏となった古館氏が生み出した「赤武」は、フルーティでミネラル感あふれる味わい、さらにふわりと香る吟醸香が上品な酒。雑誌などでも「次世代の日本酒」と評されています。酒造りを始めてわずか数年とは思えない完成度の高さですが、経験を積むことでさらなる進化が期待されています。

製造元:赤武酒造株式会社
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地元で愛される酒【浜千鳥(はまちどり)】

人気銘柄「浜千鳥」の名前は、風光明媚な陸中海岸の浜辺に群れなす千鳥をイメージしてつけられたものだとか。岩手県の海と山の恵みを受けながら醸される「浜千鳥」は、さらりとした口当たりと深い味わいが特徴です。
その造り手は、同じ名をもつ蔵元。かつては地域の名前から「釜石酒造商会」と名乗っていましたが、近年になって銘柄と同じ社名にしたそうです。
フルーティで繊細な吟醸酒、穏やかな味わいの純米酒に加え、最近では素材がすべて岩手産の「ゆめほなみ」も製造しています。

製造元:株式会社浜千鳥
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地元の素材を活かす酒【月の輪(つきのわ)】

明治19年(1886年)に創業した月の輪酒造は、「企業ではなく家業」をモットーに酒造りを続けています。現在、杜氏として指揮を執るのは、代々続く家業を継いだ女性杜氏、横山裕子氏。
地元の原料と風土で造ったお酒にこだわり、およそ9割を地元・紫波町産の米で仕込んでいます。「地元の名産品を酒造りに活かしたい」という想いから、生産量全国一位のモチ米を使用した酒造りにも挑戦しています。素材の味を引き出した「月の輪」のなかでも「月の輪 大吟醸」は新酒鑑評会で金賞に輝いた逸品です。

製造元:有限会社月の輪酒造店
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個性派の美酒【酉与右衛門(よえもん)】

「酉与右衛門」の造り手である川村酒造店は、小規模ながら個性的な酒を造る蔵として知られています。淡麗系が多い岩手県の日本酒のなかで、芳醇でしっかりした味わいを追求。米も自家田の「美山錦」や契約栽培の「亀の尾」を使用し、どっしりとした旨味とキレを実現しています。「日本酒に華やかな香りは必要ない」という蔵元の言葉どおり、控えめな香りが心地よく、食中酒にも最適。日常使いしたい日本酒です。

合資会社川村酒造店
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湧き水が引き出す穏やかな味わい【七福神(しちふくじん)】

「七福神」の造り手、菊の司酒造は、夏はアユ、秋にはサケが遡上する美しい川、中津川の水で酒造りをしています。
酒蔵を代表する銘柄「七福神」の名前は、「七福様のめでたさにあやかれますように」と願いを込めてつけられたものだとか。その特徴は、軟水仕込みならではの口当たりのやわらかさ。岩手県産の飯米「ひとめぼれ」を使った純米酒はマイルドな味わいで、料理の味をじゃましない穏やかな飲み口が魅力です。

製造元:菊の司酒造株式会社
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岩手のそのほかの注目銘柄

岩手のそのほかの注目銘柄

kathayut kongmanee /Shutterstock.com

人気銘柄が豊富な岩手県の日本酒から、ぜひ、注目してほしい銘柄を紹介します。

美しい酒をめざす【南部美人(なんぶびじん)】

岩手の日本酒になかでも、全国的にその名前が知られている「南部美人」。国内はもちろん、海外の品評会でも高く評価されています。その美しい味わいを造り出しているのが五代目の久慈浩介氏と若き杜氏、松森惇次氏。南部美人ではすべての米をデータで管理し、品種ごとに麹の種類を変えながら仕込んでいます。「美しい酒」をめざしているだけあって、どの酒も雑味のないすっきりした味わいで、素材の味が存分に活かされています。

造り手:株式会社南部美人
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名工が手掛ける酒【関山(かんざん)】

「関山」とは世界遺産・平泉の中尊寺の山号で、緑豊かな岩手県関市に蔵をもつ、両磐酒造株式会社が製造しています。
2014年に「現代の名工」を受賞した南部杜氏、高橋康氏の醸す酒は、旨味がありながらも後味がすっきりしていると評判です。米、水、麹とすべてを岩手県産にこだわった「オール岩手」のシリーズも人気です。

製造元:両磐酒造株式会社
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地元でしか味わえない【鷲の尾(わしのお)】

「鷲の尾」は、岩手県の最高峰・岩手山の山麓から湧き出す清らかな水で醸造された日本酒です。その名は、岩手山の別名である「巌鷲山(がんじゅさん)」から命名されました。県内限定販売のため、県外で出会う機会は少ないだけに、岩手に行ったときにはぜひ飲んでおきたい逸品です。

製造元:株式会社わしの尾
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幸せを呼ぶ酒【福来(ふくらい)】

「福来」の名は、「飲む人、売る人、造る人に福が来るよう」命名されたもの。その名のとおり、米の風味を大切にした豊かな味わいは、飲む人の気持ちをほっとさせるのだとか。
岩手産の米にこだわりながら、2012年には全国新酒鑑評会で金賞に輝くなど、全国的にも高く評価されている日本酒です。

製造元:株式会社福来
公式サイトはこちら

清らかで透明感のある酒【あさ開(あさびらき)】

南部流一筋に酒造りを続け、数々の賞を獲得した実力派杜氏、藤尾正彦氏が醸す銘酒が「あさ開」。蔵のそばには名水百選に選ばれた「大慈清水」があり、敷地内にも湧き出ていることから、創業以来、変わることなく酒造りに使用。繊細さを感じるやわらかな飲み口の湧水は、そのまま、お酒の味わいになっています。地元岩手県で栽培された「吟ぎんが」「結の香」など10種類近くの酒米を積極的に使用し、「岩手の地酒ならではの味」を大切にしています。

「現代の名工」の技術と情熱で進化を続ける、南部杜氏の里 岩手の銘酒「あさ開」

南部杜氏の伝統の技を受け継ぎ、自然豊かな風土を活かした岩手の酒。じっくりと味わいたい名酒がそろっているので、自分好みの銘柄を見つけてください。

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