日本有数の米焼酎「球磨焼酎」とはどんなお酒?

日本有数の米焼酎「球磨焼酎」とはどんなお酒?

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地名がついた「球磨焼酎」とはどんなもの?

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球磨(くま)という地名をご存知ですか? 熊本県の南端にある球磨郡と人吉市を合わせて、球磨地方と呼ばれています。険しい山々に囲まれ、日本三大急流のひとつでもある球磨川に沿って風向明媚な景色がたのしめる一帯です。

鎌倉時代から約700年に渡って武将・相良(さがら)一族が統治し、「相良700年が生んだ保守と進取の文化~日本でもっとも豊かな隠れ里・人吉球磨~」として、2015年、日本遺産に認定されました。

この球磨地方でも他の九州エリアと同じように焼酎が作られているのですが、とくに米から作られる焼酎は、地名を冠した「球磨焼酎」として世界貿易機関(WTO)に地理的表示の産地指定を受け、国際的にそのブランドが保護されています。スコッチウィスキー、ボルドーワイン、バーボンウィスキーなどと肩を並べる、日本有数の米焼酎です。

その歴史は古く、室町時代の16世紀前半には焼酎造りが始まっていたといわれています。もっとも古い記録は、1546年にポルトガル船の船長だったジョルジュ・アルバレスがイエズス会のフランシスコ・ザビエルに宛てた書簡です。「飲み物として、米から作るオラーカおよび身分の上下を問わず皆が飲むものがある」とあり、このオラーカという単語が米焼酎のこと。

お隣の薩摩地方では、火山灰の堆積したシラス台地が米を栽培しづらかったのに対し、豊かな水をたたえる球磨川流域には水田が広がり、米作りが盛んに行われていました。江戸時代には多くの隠し田があったといわれ、そこから収穫される米で焼酎を造っていたそうです。財政的に潤うことはもちろん、保存の面でも米をそのまま貯蓄するより、酒に加工した方が安心して長期保存をすることができました。

お米のみを100%原料として、人吉・球磨地方の地下水で仕込んだ醪(もろみ)を蒸留し、ここで瓶詰めした焼酎のみを「球磨焼酎」と呼ぶことが出来ます。口当たりが良く、のど越しもすっきりしていて、日本の主食であるお米から作られているので、素材の味を引き出す和食ととてもよく合います。お刺身、大根の煮物、きゅうりの酢の物…。料理の味わいを引き立てる、まろやかな味わいです。地元ではロックかストレートで飲むのが一般的です。

そのブランドを守るために、製造方法にも様々なこだわりを持つ酒蔵が多く、日本が世界に誇る球磨焼酎の飲み比べをするのも一興ですね。

特徴ある酒器で球磨焼酎を飲もう!

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球磨焼酎をたのしむのにとっておきの酒器があります。球磨焼酎酒器「ガラ」というフラスコの胴に長い注ぎ口を付けた酒器と、「チョク」というやや小ぶりの猪口です。「ガラ」は「二合五勺」(約0.45リットル)が入るように作られていて、このまま1分程度、火にかけて温めて飲みます。前割りもおすすめ。薄めでも熱すぎず、濃いめでもぬるくなりません。

他に「ソラギュウ」という独特な形の猪口もあり、コマのように底が尖っていて、テーブルに置けません。お酒を注がれたら飲み干さなくてはならないというルールがユニークです。

「球磨焼酎」を肥の国から世界へ発信する

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清流球磨川に沿って「球磨焼酎ヴァレー」と呼ばれるエリアには、約30の蔵元が点在しています。上流の湯前町には「ゆ乃鶴」で知られる「豊永酒造」、あさぎり町の「松の泉酒造」は炭を用いた米づくりで知られ、蒸気機関車でも知られる人吉市エリアには「武者返し」が人気の「寿福酒造場」を始め、個性的な蔵元があります。

また、「米の日」である8月8日を「球磨焼酎の日」に定めたり、「球磨焼酎案内人」という球磨焼酎エキスパート制度を設定したり、様々な取り組みを行っています。

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