日本酒生産量第2位、伏見をはじめとする京都の酒の実力

日本酒生産量第2位、伏見をはじめとする京都の酒の実力

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日本酒生産量第2位。その大半を造る酒の都伏見

日本酒生産量第2位。その大半を造る酒の都伏見

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伏見は、かつて「伏水」とも書かれていたほどに、質の高い伏流水が豊富な地。きめ細かく、まろやかな風味は、そのまま口当たりのいいやわらかな酒となり、「女酒」とも呼ばれます。

伏見の清酒の歴史は古く、日本に稲作が伝わった弥生時代に始まったとされています。以来、脈々と受け継がれてきた酒造りの伝統が花開いたのは、安土桃山時代のころ。太閤秀吉の伏見城築城とともに伏見は大きく栄え、需要が高まる中で一躍脚光を浴びるようになりました。

さらに江戸時代には、水陸交通の要衡として、伏見はますます発展。酒造家も急増し、銘醸地の基盤が形成されます。明治の後半には、天下の酒どころとして全国にその名とどろかせるようになりました。

月桂冠、松竹梅、黄桜。有名蔵が目白押し

月桂冠、松竹梅、黄桜。有名蔵が目白押し

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伏見が日本を代表する酒どころとなったのも、天然の良水に恵まれていたことが大きな要因です。カリウム、カルシウムなどをバランスよく含んだ中硬水で、酒造りに最適の条件を満たしています。伏見には1万石以上の大きい生産量を持つ酒蔵が多く、誰もが一度は耳にしたことのある有名な酒造メーカーがたくさんあります。

たとえば「月桂冠」は、徳川三代将軍家光の時代に、初代大倉治右衛門が京都南部の笠置から伏見に出て、酒屋を創業したことが始まりです。月桂冠の歴史や酒造りのことが分かる資料館「月桂冠大倉記念館」は、明治期の酒蔵の姿を現代に伝えます。

また、「松竹梅」の宝酒造、「黄桜」「玉乃光」「蒼空」の藤岡酒造なども伏見に蔵を構えます。

京都を代表する日本酒

京都を代表する日本酒

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豊かな自然風土に恵まれ、京文化に磨きあげられた日本酒をいくつか紹介します。
◆澤屋まつもと うるとら/純米大吟醸
料理に寄り添う、透明感と旨味と爽やかさをあわせ持つ酒。米の蒸しの作業を大切にすることで、この味わいが出せるといいます。200年を超える歴史とともにはぐくまれた伝統を守りつつ、新しい技術を取り入れる酒造りに挑戦しています。

◆月桂冠 超特撰 鳳麟/純米大吟醸
大手酒造メーカーが提案する最高級の日本酒は、華やかな吟醸香となめらかな味わいを持つ純米大吟醸。山田錦と五百万石を使い、低温でじっくり醸造することで、日本酒通をうならせる味わいに仕上がっています。

◆玉川/純米酒(山廃)無濾過生原酒
イギリス人の杜氏がいる酒蔵として、テレビなどでも紹介される木下酒造。22歳で来日し英語教師をしていましたが、日本酒に魅せられ杜氏になったそうです。旨味が凝縮された山廃造りの純米酒は、しっかりと重厚でキレのよい後味が魅力。創業当時からの土蔵の壁に住みついている酵母によって、酵母無添加の酒を造れる数少ない蔵です。

古都で生まれる酒の味を体験しに旅してみたくなりますね。

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