「紫芋焼酎」をご存知ですか?ワインのような味わいを楽しもう!
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焼酎に適したサツマイモとは?
土地に根づいた作物を原料として造られる焼酎は、各地域によって味わいが異なり、それが魅力となっています。焼酎は様々な原料から造られていますが、中でも特徴的なものが芋焼酎です。独特の味わい深さを持つ芋焼酎は、原料のサツマイモによって味が大きく変わってきます。
芋焼酎の原料となる芋類は、一般的にデンプンの多い作物と思われがちですが、米や麦などの穀類と比較するとデンプン含有量は意外と少なめ。穀類が60~70%なのに対して芋類は25%前後。芋類は、アルコールの元になるデンプンが少ないために、その不足分を米や麦などの穀類で造った麹で補っています。
芋焼酎は、様々なサツマイモ品種から造られていますが、大きく分けると2種類。「食用サツマイモ」と「焼酎醸造用サツマイモ」です。食用サツマイモは、糖度が高めで水分が多いのが特徴。ベニアズマや鳴門金時などが有名です。それに比べ焼酎醸造用サツマイモは、デンプンが多いためほくほくした食感です。
最近では、より効率的にアルコールを造り出せるように品種改良が重ねられ、デンプンの多い理想に近いサツマイモが登場しています。その代表格が焼酎醸造用サツマイモの「コガネセンガン」や「ジョイホワイト」です。これらのサツマイモは、カットすると表面から白いデンプン質が染み出てくるほどの含有率です。
紫芋とサツマイモ、味わいの違い
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焼酎醸造用サツマイモのコガネセンガンが原料の芋焼酎は、甘味のあるコクと喉ごしのよさが特徴。ジョイホワイトは、芋焼酎の味を変えたといわれるサツマイモ。フルーティーな香りと爽やかな飲み口が飲みやすいと人気が高い品種です。
一方、半分に割ると濃い紫色が目に鮮やかな紫芋は、同じサツマイモでもかなり味わいが異なります。
紫色の色素、アントシアニンは、ブルーベリーやブドウなどに多く含まれる成分です。紫芋を使った焼酎は、まるでワインのような華やかな香りとフルーティーさ。この香りは、アントシアニンによるものです。通常の芋焼酎よりもスッキリした飲みやすさは、芋焼酎初心者でもおいしく飲めることでしょう。
紫芋焼酎を味わう
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ここでは、紫芋焼酎を紹介しましょう。通常の芋焼酎と飲み比べて味の違いを確かめてみるのもたのしいですよ。
◆赤霧島(霧島酒造)/
宮崎の有名ブランド焼酎「霧島」の「赤」。紫芋のムラサキマサリを使い、香り高くフルーティーな甘味が後をひくおいしさ。ムラサキマサリに含まれるポリフェノールと麹が生成するクエン酸に反応して、醪(もろみ)が真っ赤になることからこの名はついたそうです。
◆赤薩摩(薩摩酒造)/
南薩摩の頴娃(えい)地区でだけ栽培される紫芋のエイムラサキを使用。アントシアニンとポリフェノールを豊富に含むエイムラサキは、まろやかな香りと爽やかな旨味が特徴です。
芋焼酎の印象がかわる紫芋焼酎をぜひ飲んでみてください。