千葉のビール【柏ビール】こまいぬブルワリーがこだわる“造る”ではなく“育てるビール”とは?

千葉のビール【柏ビール】こまいぬブルワリーがこだわる“造る”ではなく“育てるビール”とは?
出典 : こまいぬブルワリー公式ホームページ

「柏ビール」は、千葉県柏市の「こまいぬブルワリー」が手がけるクラフトビールブランド。家族経営の小さな醸造所で造られる上質なビールは、各種コンテストで高く評価されています。ここでは、ブルワリーの成り立ちや地域密着型のビール造り、おすすめ商品などについて紹介します。

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「柏ビール」を手がける「こまいぬブルワリー」は、意外な専門分野を持つ一家によって運営されている小規模醸造所です。

「柏ビール」のふるさとは千葉県柏市のちょっと変わった醸造所

家族経営のこまいぬブルワリー

出典:こまいぬブルワリー公式ホームページ

「柏ビール」の魅力を探るにあたり、まずは造り手「こまいぬブルワリー」のプロフィールからみていきましょう。

「こまいぬブルワリー」はファミリー経営の醸造所

地元・柏の名を冠した「柏ビール」を造っているのは、父・母・息子2人の一家4人。一見、ごく普通の家族構成といった印象ですが、その経歴はとてもユニークです。

お父さんは東大農学部出身で元塾経営という経歴の持ち主、ベンチャー企業や流通商社に勤務経験のある兄に、ハンガリー在住経験とビアソムリエの資格を持つ弟という、それぞれが違う武器を持った最強の組み合わせです。お母さんの情報は明かされていませんが、異なる個性を持つ理系男性たちを支えてきたことからもヒューマンスキルの高さがうかがえますよね。

家長の丹羽文隆さんが学習塾の経営から一転、クラフトビール造りという新しい事業を立ち上げた理由のひとつに、ハンガリーに留学中の弟で3男の下山 一宇(かずひろ)さんが現地でブルワリー巡りをしていたことが挙げられます。

一宇さんは、日本にいるときはビールといえば大手が造るものというイメージだったのですが、ヨーロッパで地域に愛される、地域密着した小規模醸造所の魅力に触れ、ビール造りに興味を持つようになりました。

また、ビールが苦手だったお母さんが、偶然飲んだクラフトビールをおいしいと感じたことから、今までビールが苦手だった人でも好きなものを見つけられるクラフトビールの懐の深さに感動したこともあり、それぞれのメンバーのさまざまなきっかけが重なって「こまいぬブルワリー」を設立。2017年から、クラフトビール造りがスタートしたのです。

ちなみに、柏といえば日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)の「柏レイソル」でおなじみの土地。「こまいぬブルワリー」も「柏レイソル」のホームタウンパートナーとして名を連ねています。

出典:こまいぬブルワリー公式ホームページ

各種コンテストで数々受賞

3男の一宇さんを醸造長に「柏ビール」の製造を手がける「こまいぬブルワリー」は、クオリティの高さでも知られています。

これまで、世界のビールを対象とした「インターナショナル・ビアカップ」をはじめとする各種コンテストで、数々の賞を獲得。地元である柏の名を冠したクラフトビールの存在感は、年々高まっています。

「柏ビール」を手がける「こまいぬブルワリー」のこだわり

柏はじめIPA

出典:こまいぬブルワリー公式ホームページ

「こまいぬブルワリー」が大切にしているのは、「ビールの多様性」と「地域への貢献」。どのようなこだわりと活動を行っているのかをまとめてみました。

多様性のあるビールを醸造

「こまいぬブルワリー」のある千葉県柏市は、東京からのアクセスもよく、ベッドタウンとして知られる街です。ショッピングモールなどの商業施設が充実している一方で、豊かな自然も残されています。利根川水系の恩恵を受けられる土地柄を利用した農業も盛んで、「こまいぬブルワリー」代表の丹羽さんは、学習塾を経営していたころから農作物の栽培も行っていたそうです。

「日本ウイスキーの父」と呼ばれる竹鶴政孝氏がニッカウヰスキーの工場を柏に設立したように、じつは、酒造りに適した地域でもあります。そんな恵まれた環境下で「こまいぬブルワリー」がめざしているのは、それぞれ好みの違う人が自分が一番好きなビールを見つけられるような「ビールの多様性」を大切にしながら、より多くの人に地域の魅力を知ってもらい、地域の生活がよりたのしくなるようなビール文化を発信していくこと。

そのためにも、エール系のビールを基本としつつも、ヨーロッパスタイルに限定することなく、さまざまなビアスタイルにチャレンジしています。

柏産原料にこだわり! 自社農園も稼働中

大麦やホップなど原料の一部は海外や県外から取り寄せていますが、豊かな自然に恵まれた地元柏産の原料を使ったビールの開発にも意欲的に取り組んでいます。

自社農園でも、大麦やホップ、小麦、野菜などを栽培。ビール造りに活かしているそう。

自社農園ではホップや野菜を栽培

出典:こまいぬブルワリー公式ホームページ

ビールを通じて地域の活性化に協力

「こまいぬブルワリー」は「『ビールを通じて地域がよりたのしくなる』文化の発信活動」として、チャリティーをはじめとしたさまざまな活動に取り組んでいます。

チャリティー活動

医療ケア児や障がいを持つ子どものための「すくすくハウス」プロジェクトに賛同。チャリティービールの販売などを通じて活動に協力しています。

食品ロス削減活動

学校の休校によって余ったコッペパンや、台風災害で出荷できなくなった梨、賞味期限切れ間近の災害備蓄品をビール造りに使うなど、食品ロス削減に関わる活動にも積極的に取り組んでいます。

各種教室

地域活動の一環として、子どもたちにはホップ畑の作業体験を、大人にはビール造り教室などの催しを提供。「ビアソムリエ」の資格を持つ醸造長による、ビール文化を広める活動も随時展開しているそう。

「柏ビール」のおすすめ商品を紹介

こまいぬブルワリーラインナップ

出典:こまいぬブルワリー公式ホームページ

「こまいぬブルワリー」が手がける「柏ビール」のおすすめ商品を紹介します。

柏はじめIPA

柏ビール「柏はじめIPA」

出典:こまいぬブルワリーネットショップ

4種のホップをブレンドしたIPA。柑橘系の華やかかつ豊かな香りとどっしりとした苦味、麦芽のコクがたのしめる芳醇な味わいの定番ビールです。
ジャパン・グレートビア・アワーズ2019で金賞(ダブルレッドエール部門)受賞。

柏太陽のエール

柏ビール「柏太陽のエール」

出典:こまいぬブルワリーネットショップ

地元のサッカーチーム「柏レイソル」をイメージして造られた、黄金色で少し濁りのあるニューイングランドIPA。ホップ由来のフルーティーでトロピカルな香りと苦味が少なくジューシーな味わいで、ビールが苦手な人からも支持を集めています。

将門麦酒(まさかどびーる)

柏ビール「将門麦酒」

出典:こまいぬブルワリーネットショップ

平将門をイメージして造られたストロングダークエール。力強さとやさしいコクをたのしめる飲みごたえのある1本です。
柏市や近隣の都市には、英雄として人気の高い、将門にまつわる伝説がいくつも残っています。地元の歴史からインスパイアされた「将門麦酒」も、「柏ビール」定番商品のひとつです。

こまいぬエール

柏ビール「こまいぬエール」

出典:こまいぬブルワリーネットショップ

ブルワリー名を冠した「こまいぬエール」は、「思わずおかわりしたくなる」飲みやすさを追求した定番のエールビール。通常より低めの温度で発酵させることで、スッキリとしたキレと麦芽のやさしい風味を実現。さまざまな料理と相性がよく、食中酒としても人気です。

手賀沼(てがぬま)ポーター

柏ビール「手賀沼ポーター」

出典:こまいぬブルワリーネットショップ

深くローストした麦芽を使用することで、コーヒーやチョコのような香りを引き出した、スッキリとした味わいの黒ビール。柏の自然のシンボル、手賀沼から昇る朝日のラベルが目印です。「ジャパン・グレートビア・アワーズ2019」で銅賞受賞。

「柏ビール」は家族経営の「こまいぬブルワリー」が生み出した、地域に根ざしたクラフトビール。併設のレストランでは、新鮮な食材を使った料理と個性豊かなビールを味わうことができます。機会があったら現地を訪れて、食とビールのペアリングをたのしんでみてください。

製造元:こまいぬブルワリー
公式サイトはこちら
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