沖縄の焼酎【忠孝(ちゅうこう)】世界で唯一! 蔵元にして窯元でもある忠孝酒造の琉球泡盛ブランド
「忠孝」は、沖縄県豊見城市で育まれる琉球泡盛。造り手の忠孝酒造は、仕込みに使う甕(かめ)や古酒(クース)熟成容器の開発でも知られるこだわりの蔵元です。今回は、蔵元と窯元の二刀流で挑む忠孝酒造の挑戦やこだわり、「忠孝」のラインナップなどを紹介します。
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「忠孝」は、世界で唯一、蔵元と窯元の二刀流を貫く忠孝酒造の看板銘柄。その魅力を余すところなく紹介します。
「忠孝」の造り手、忠孝酒造は酒甕製造も手掛ける唯一無二の蔵元
出典:忠孝酒造公式Instagram
「忠孝」は、沖縄県の忠孝酒造が手掛ける琉球泡盛の看板銘柄です。まずは造り手の情報からみていきましょう。
「忠孝」の蔵元・忠孝酒造が窯元としての顔をあわせ持つ理由
「忠孝」を手掛けるのは、沖縄本島南部に位置する豊見城(とみぐすく)市で、昭和24年(1949年)に創業した忠孝酒造。「泡盛文化の継承と創造」を基本理念に歩んできた琉球泡盛の蔵元ですが、泡盛の熟成に最適といわれる「南蛮甕(なんばんがめ)」の研究に情熱を注いだ前社長(現在の会長)が陶芸に打ち込み、焼き物用の窯を導入したことから、「蔵元にして窯元」という唯一無二の存在となりました。
泡盛造りのかたわら、古酒熟成用のオリジナル容器「琉球城焼(りゅうきゅうぐすくやき)」の製造も手掛ける忠孝酒造。「熟成こそ泡盛の命。甕(かめ)にこだわり味を極める」をモットーに、蔵元と窯元、二刀流ならではの泡盛の魅力を追求しています。
出典:忠孝酒造株式会社サイト
忠孝酒造のこだわりから生まれた泡盛のユニークな製法
忠孝酒造のこだわりは、琉球城焼のオリジナル熟成容器にとどまりません。ここでは、忠孝酒造ならではの工夫が生んだユニークな製法をほんの一部だけ紹介します。
よっかこうじ
「忠孝」シリーズのなかには、「よっかこうじ」と呼ばれる常識破りの泡盛があります。
「よっかこうじ」とは、麹造りに4日かけた麹のこと。泡盛の製造工程では原料の米を全量麹にしてから一度に仕込みますが、この麹造りには通常2日間(約48時間)かかるといわれています。
一方、忠孝酒造の「よっかこうじ」造りに要する時間は4日間(約96時間)。通常の2倍の時間をかけることで、黒麹菌の菌糸が米の内部までしっかり食い込み、酵素力が上がって泡盛の香りや味のもととなる成分を存分に引き出すことができるのです。
手間暇をかけて造られる「よっかこうじ」は、泡盛に華やかな香りとコクや甘味をもたらすといわれています。
黒麹菌を使った白い麹造り
泡盛の麹造りには黒麹菌を使いますが、通常の麹造りでは、黒麹菌が胞子を出すと麹は黒っぽくなります。そうなると、麹菌が持つお米の中へ食い込む力が弱くなってしまうため、「よっかこうじ」には、胞子が出ないように泊まり込みで管理を行う「胞子を出さない麹造り」を採用。お米がボロボロになるほど奥まで菌糸が食い込んだ麹は、黒麹菌を使っていても白くなるといいます。
出典:忠孝酒造株式会社サイト
シー汁浸漬(古式泡盛製法)
昭和30年後半ごろまで多くの酒造所で採用されていた泡盛の製法に「シー汁浸漬法」があります。原料米を洗わずに15〜24時間浸漬し、乳酸菌などの微生物により酸性状態となった浸漬液「シー汁」の一部を捨てずに次の浸漬に活用するというもの。
シー汁浸漬液に繁殖している微生物は、原料米の性質を大きく変化させ、泡盛にやわらかな味わいとコクのある甘味をもたらすといわれています。
なお、歴史のなかに埋もれていた「シー汁浸漬法」を掘り起こした忠孝酒造の熱田和史氏は、東京農大と共同で行った研究が評価され、同大学より醸造学博士号を取得。泡盛業界初の快挙として地元の新聞各紙を賑わせました。
マンゴー酵母
泡盛は長く寝かせることでより芳醇で味わい深い酒質に変化しますが、忠孝酒造では、熟成によってもたらされる甘く豊かな香りに着目しました。
古酒の魅力のひとつである甘い香りは、おもに「バニリン」と呼ばれるバニラの香り成分によるもので、泡盛に含まれる「4-VG」という成分が熟成の過程で変化したもの。従来の泡盛にはごく少量しか存在しなかったこの「4-VG」を多く生成する製法の研究に着手した結果、理想の新酵母をマンゴー果実から発見。「マンゴー果実酵母」を用いて、通常の10倍以上の「4-VG」を含む泡盛を完成させました。
「忠孝」の豊富なラインナップを種類別に紹介
出典:忠孝酒造オンラインショップ
さまざまなこだわりから生まれた琉球泡盛「忠孝」のラインナップを「新酒」と「古酒」に分けて紹介します。
「忠孝」の新酒(一般酒)
古酒ではない泡盛を「新酒(一般酒)」、または単に「泡盛」と呼びます。まずは、「忠孝」の古酒以外のラインナップをみていきましょう。
忠孝よっかこうじ(四日麹)43度
出典:忠孝酒造オンラインショップ
「よっかこうじ」「胞子を出さない麹造り」「シー汁浸漬法」で造り上げた常識破りの泡盛は、洋梨を想わせるフルーティーで華やかな香りと、なめらかな味わいが特長。43度と高アルコール度数の新酒ながら、度数を感じさせない甘味がたのしめます。
忠孝原酒
出典:忠孝酒造オンラインショップ
沖縄県産マンゴー果実酵母で仕込んだ泡盛原酒。こってりとした甘さと芳醇な風味が特徴です。マンゴー果実酵母由来の甘い香りは、古酒に育て上げることで、バニラを想わせる独特の香りに変化します。
忠孝30度
出典:忠孝酒造オンラインショップ
調和のとれた香りとコクのある甘味がたのしめるバランスのよい泡盛。忠孝酒造の定番商品です。どんな料理とも引き立て合う食中酒におすすめの1本。
「忠孝」の古酒
続いて、「忠孝」の古酒のおすすめ商品を紹介します。
三年古酒忠孝43度
出典:忠孝酒造オンラインショップ
公式オンラインショップの不動の人気No.1。芳醇な香りと甘くまろやかな味わいがたのしめる、食中酒におすすめの3年古酒です。
忠孝オリジナルの南蛮荒焼で古酒を育てる際の、仕次ぎ用のお酒としても人気です。
忠孝原酒三年古酒43度
出典:忠孝酒造オンラインショップ
沖縄県産マンゴー果実酵母で仕込んだ「忠孝原酒」を3年間じっくり寝かせた、バニラの香りが際立つ逸品。上品な甘味となめらかなのどごし、酵母由来の甘味の余韻を堪能してみては。
15年古酒忠孝40度
出典:忠孝酒造オンラインショップ
「三年古酒忠孝43度」に次ぐ人気を誇る、15年古酒。長期熟成泡盛でしか味わえない円熟した香りと風味がたのしめます。ギフトにも重宝しそう。
忠孝酒造オリジナルの琉球城焼で世界にひとつの古酒を育てよう
出典:忠孝酒造株式会社サイト
窯元としての忠孝酒造が手掛ける古酒熟成用の容器は、2年以上の歳月をかけて開発した琉球城焼の甕。熟成に向いた土の配合や形状、火の温度調整など、試行錯誤を繰り返しながら完成させた、熟成の魅力を知る醸造家だけが到達し得た至高の熟成甕です。
職人の手でひとつひとつ丹念に造られた忠孝酒造オリジナルの古酒甕は、琉球泡盛「忠孝」とともに公式オンラインショップで購入できます。文字の彫り込み加工も可能なので、人生の節目に、記念日に、大切な人への贈り物にチョイスしてみてはいかがでしょう。
「忠孝」は、蔵元と窯元の二刀流で泡盛造りに挑む忠孝酒造の看板銘柄。こだわり製法で仕上げた泡盛は新酒でも十分すぎるほど飲む価値がありますが、機会があったら、蔵元独自の甕で熟成させた古酒も味わってみてくださいね。
製造元:忠孝酒造株式会社
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