「カティサーク」は初心者におすすめの高コスパウイスキー! 種類や味わい、飲み方を徹底解説
「カティサーク(カティーサーク/カティ・サーク)」は、1923年にロンドンでアメリカ市場向けに開発されたブレンデッドスコッチウイスキー。ブランド名はイギリスの快速帆船の名に由来します。今回は「カティサーク」の歴史やおもなキーモルト、ラインナップ、味わい、飲み方などを紹介します。
- 更新日:
目次
「カティサーク」は、複数のモルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドして造られる、ライトで飲みやすいブレンデッドスコッチウイスキーです。
「カティサーク(CUTTY SARK)」は日本でも古くからおなじみのブレンデッドスコッチウイスキー
viennetta / Shutterstock.com
「カティサーク」は、初心者でも飲みやすい、軽い口当たりが評判のブレンデッドスコッチウイスキー。「カティーサーク」「カティ・サーク」と表記される場合もあります。
世界で高い知名度を誇り、日本でも古くからおなじみのロングセラー商品として親しまれています。1980~1990年代に放送されたテレビCMを覚えている人もいるのではないでしょうか。また、小説家・村上春樹氏の作品中に登場することでも有名で、『ダンス・ダンス・ダンス』『ねじまき鳥クロニクル』『1Q84』などを読んで「カティサーク」を知ったという人もいるかもしれません。
「カティサーク」にはスコットランドでも名高い複数のモルトウイスキーがブレンドされています。それにもかかわらず、価格は1000円台からとコスパがよいのも人気を集める理由となっています。
「カティサーク」の歴史と名前の由来
出典:バカルディ ジャパン 「カティサーク」ブランドページ
「カティサーク」は、ロンドンのワイン商BB&R社(ベリー・ブラザーズ&ラッド社)により、1923年に誕生しました。その歴史と名前の由来を紹介します。
「カティサーク」誕生から現在までの歴史
「カティサーク」は、1923年、禁酒法時代のアメリカ向けにロンドンで開発されました。
禁酒法時代のアメリカ国内では、粗悪な偽物のウイスキーが横行していました。そこに当時のアメリカ人好みに造られた、ライトな味わいでナチュラルな色合いの「カティサーク」が密輸されると期待どおりの評判に。密輸を続けたビル・マッコイ船長は、本物を運ぶ船長としてギャングの間で「リアルマッコイ」と呼ばれるようになりました。今でも英語の「real mccoy」は、本物を意味する慣用句として知られています。
禁酒法時代が終わると、「カティサーク」はアメリカでの人気に止まらず、日本をはじめ世界中で愛されるようになりました。
BB&R社が手がける「カティサーク」は2010年にイギリスのエドリントングループに売却され、その後、フランスの大手酒類メーカー、ラ・マルティニケーズ社に移りました。2022年現在、日本ではバカルディ ジャパンが輸入しています。
nafterphoto / Shutterstock.com
「カティサーク」の名は大型快速帆船に由来
英語表記で「CUTTY SARK」、日本語で「カティサーク」または「カティーサーク」、「カティ・サーク」などと表記されるブランド名は、イギリスの大型快速帆船「カティサーク号」に由来します。
スコットランド生まれのカティサーク号は1870年代に活躍した、中国からイギリスに紅茶を運ぶ「ティー・クリッパー」と呼ばれる帆船のひとつです。当時はいかに早く一番茶を届けられるかで競っていたそうで、好成績を収めていたことで語り継がれています。
ティー・クリッパーとしての役目を終え、ポルトガルに売却されていたカティサーク号をイギリス人が買い戻し、帰還すると再び話題に。その話題性にあやかって、BB&R社は自社のウイスキーに「カティサーク」と名づけたのです。ボトルラベルにも描かれている帆船は、今もブランドのトレードマークとして親しまれています。
「カティサーク」の味わいの核となる「グレンロセス」とは
Smit / Shutterstock.com
「カティサーク」には数種類のキーモルトが使用されていますが、なかでも味わいの核となるのが「グレンロセス」です。
「グレンロセス」は、スコットランドのウイスキー産地のひとつ、スペイサイド地区ローゼスで造られているスコッチウイスキー。造り手のグレンロセス蒸溜所は、ザ・マッカラン蒸溜所を経営していたジェームズ・スチュワート社によって1878年に設立されました。
フルーティーさとスムースな味わいが特徴の「グレンロセス」は、そのほとんどが、「カティサーク」をはじめとしたブレンデッドウイスキーに使われていて、シングルモルトとして流通するのはわずか5%ほどといわれています。
なお、現在使用されている「グレンロセス」以外のキーモルトは非公開。どのようなキーモルトが使われているのか、想像を巡らせながら「カティサーク」を味わってみてはいかがでしょう。
「カティサーク」の種類:香りや味わい、アルコール度数は?
現在日本で入手可能な「カティサーク」は2種類。それぞれの香りや味わい、アルコール度数をみていきましょう。
カティサーク(CUTTY SARK)
出典:バカルディ ジャパン公式サイト カティサーク
1923年の発売以来変わらない山吹色のラベルが目を引く「カティサーク」。ハーブやバニラ、ミルクチョコレートのような香りや、ライトでスムースな味わいが魅力で、すっきりした余韻のなかにほんのりフルーティーさも感じられます。アルコール度数40%の軽やかで飲みやすいブレンデッドスコッチウイスキーです。
写真は容量700ミリリットルの「カティサーク オリジナル」。1000ミリリットルの「カティサーク 1リッター」もあります。
カティサーク プロヒビション (CUTTY SARK PROHIBITION)
出典:バカルディ ジャパン公式サイト カティサーク
アメリカの禁酒法(プロヒビジョン)の廃止から80年目を記念して造られた、ブレンデッドスコッチウイスキー「カティサーク プロヒビジョン」。100%アメリカンオークの樽で熟成した高品質のモルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドして、冷却ろ過をしないノンチルフィルタリングでボトリングされています。禁酒法時代をイメージした、アルコール度数50%の力強い香りと味わいが印象的です。容量700ミリリットル。
「カティサーク」のおすすめの飲み方と作り方
Brent Hofacker / Shutterstock.com
「カティサーク」はソーダや炭酸飲料と相性がよく、力強い風味の「カティサーク プロヒビジョン」はウイスキーカクテルにぴったりです。おすすめの飲み方と作り方をかんたんに紹介します。
ハイボール(ウイスキーのソーダ割り)
「カティサーク」を、よりなめらかな飲み心地で、より長く味わいたい人に最適な飲み方がハイボール。
作り方は、グラスを氷で満たし、「カティサーク」約35ミリリットルとソーダ(炭酸水)を注ぎ、カットレモンを搾って、そのままグラスに入れます。
炭酸飲料割り
「カティサーク」はソーダ以外の炭酸飲料で割るのもおすすめです。組み合わせ次第でいろいろな表情をたのしめます。
コーラ割り
氷入りのグラスに「カティサーク」約35ミリリットル+コーラを注ぎ、オレンジピール(オレンジの果皮)を入れます。
Goskova Tatiana / Shutterstock.com
ジンジャーエール割り
氷入りのグラスに「カティサーク」約35ミリリットル+ジンジャーエールを注ぎ、カットライムを搾ってそのままグラスに入れます。
レモンソーダ割り
氷入りのグラスに「カティサーク」約50ミリリットル+レモンソーダを注ぎ、カットレモン2つ分を搾ってそのままグラスに入れます。
スパークリングオレンジジュース割り
氷入りのグラスに「カティサーク」約50ミリリットル+スパークリングオレンジジュースまたはソーダを注ぎ、カットオレンジを搾ってそのままグラスに入れます。
ロブロイ/ロブ・ロイ(カクテル)
ロブロイは、スコッチウイスキーをベースとした赤い色合いが美しいカクテルです。
作り方は、ミキシンググラスに「カティサーク プロヒビジョン」約60ミリリットルと、フレーバードワインの「スイートベルモット」約30ミリリットル、苦味のあるリキュール「アンゴスチュラ アロマティック ビターズ」2ダッシュを入れて、ゆっくりなめらかに混ぜます。
冷やしたカクテルグラスに混ぜ合わせた液体を注ぎ、レモンピールか、砂糖漬けのサクランボ「マラスキーノチェリー(マラスキノチェリー)」を飾れば完成です。
Brent Hofacker / Shutterstock.com
ペアクーラー(カクテル)
ペアクーラー(ペアークーラー)は、基本的には西洋梨(ペアー/Pear)のリキュールで作るカクテルですが、生の西洋梨で作ることもできます。
公式サイトがおすすめする作り方は、ミキシンググラスにスライスした西洋梨1/8個とフレッシュレモンジュース約15ミリリットル、はちみつ大さじ1/2杯程度、ジンジャーシロップ小さじ2杯を入れて洋梨を潰しながら混ぜ合わせ、「カティサーク プロヒビジョン」約50ミリリットルを加えてさらに混ぜます。
マグカップに混ぜ合わせたものを濾しながら入れて、お好みの量のジンジャーエールを加え、スライスした洋梨を飾ればできあがりです。
西洋梨のリキュールで作る場合は、氷を入れたタンブラーグラスにペアリキュール約40ミリリットルとレモンジュース約20ミリリットル、ジンジャーエール適量を入れて軽く混ぜ、スライスしたレモンを加えます。
ブレンデッドスコッチウイスキー「カティサーク」は、コスパのよさと軽やかな飲みやすさが魅力です。日本でも古くから親しまれてきた味わいを、今回紹介したハイボールやカクテルなどでゆっくり堪能してみてくださいね。