「盛若(もりわか):神津島(こうづしま)酒造」伊豆諸島・神津島で造られる麦焼酎ブランド【東京の焼酎】

「盛若(もりわか):神津島(こうづしま)酒造」伊豆諸島・神津島で造られる麦焼酎ブランド【東京の焼酎】
出典 : 神津島酒造株式会社サイト

「盛若」は、伊豆諸島・神津島の焼酎ブランドです。神話の時代、神々の会議場だったという神津島。自然豊かで水に恵まれたこの島の焼酎にはどんな特徴があるのでしょう。神津島の紹介なども含め、豊富なラインナップを持つ「盛若」の魅力に迫ります。

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「盛若」は伊豆諸島・神津島生まれの焼酎

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「盛若」の蔵元と「盛若」を育む神津島の特徴をかんたんに紹介します。

「盛若」の蔵元は明治27年創業

「盛若」は、東京都神津島村の蔵元・神津島酒造の焼酎ブランドです。

神津島酒造は、明治27年(1894年)の創業以来、130年近くの間、神津島に住む人々に愛されるお酒を造ってきました。

造りの厳格さに定評がある蔵元が手掛けるのは、麦を原材料とする酒類。現在は、看板商品の「盛若 樫樽貯蔵」をはじめとする本格麦焼酎や、「盛若」の原酒に連続式蒸溜焼酎(甲類焼酎)をブレンドした乙甲混和焼酎、そしてスピリッツを造っています。

「盛若」が造られている神津島とは

「盛若」の蔵元がある神津島は、伊豆諸島のほぼ中間、東京から約170キロメートル南の太平洋上に位置している自然豊かな火山島です。

神話の時代、神々が集う会議場だったという神津島には、命の源である水を伊豆諸島の島々にどう分配するか神々で話し合ったという「水配り伝説」が残されています。この伝説によれば、遅れてやってきた利島(としま)の神様が、水をほとんどもらえなかったことに怒り、残りの水に飛び込んでまき散らしたことから、神津島ではいたるところで水が湧き出るようになったのだとか。

島内には東京都の「東京の名湧水57選」にも選出された「多幸(たこう)湧水」や「つづき湧水」など、伝説のとおり多くの湧き水が見られます。焼酎造りにも欠かせない良質な水に恵まれた地で、「盛若」は造られているのです。

「盛若」は減圧蒸溜で造る麦焼酎

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神津島の焼酎「盛若」の特徴や製法、たのしみ方などを確認しましょう。

「盛若」はどんな焼酎?

「盛若」ブランドの要となる原酒は、神津島のほぼ中央にそびえ、神代の昔には伊豆諸島の神々が集ったという天上山(てんじょうさん)の天然水と、30%磨いた国産の二条大麦を使用し、「減圧蒸溜」によってまろやかな酒質に仕上げられた麦焼酎です。

この原酒で造られた焼酎のクオリティーは高く、東京国税局酒類鑑評会では何度も優等賞を受賞。神津島の名産品として広く知られています。

なお、「盛若」という酒名は、かつて島を切り盛りしていた漁師たちに、この焼酎を飲むと「若い盛り」のころのように元気はつらつとなると親しまれたことにちなんで名づけられました。

「盛若」のまろやかさを生む「減圧蒸溜」とは

「盛若」は「減圧蒸溜」で造られる焼酎です。

減圧蒸溜とは、単式蒸溜機を用いる蒸溜方法のひとつ。減圧も加圧もせずに大気圧下で蒸溜を行う「常圧蒸溜」に対し、文字どおり気圧を下げて蒸溜します。

「減圧蒸溜」を行うと、大気圧下での沸点が約78度のアルコールが約40~50度で沸騰します。そのため、それより沸点が高い雑味の成分が抽出されにくくなり、原材料由来の風味が色濃く反映される「常圧蒸溜」に比べ、軽快でクリアな味わいに仕上がります。

「減圧蒸溜」は、「盛若」の蔵元・神津島酒造がめざしている酒質を実現するために必要な蒸溜方法なのです。

「盛若」をはじめとする麦焼酎の特徴とたのしみ方

「盛若」は、二条大麦を原材料とする麦焼酎です。

麦焼酎の特徴は、麦特有の香ばしさと飲みやすさ。さまざまな銘柄がありますが、多くはマイルドな味わいであと味もスッキリしています。

軽やかでやさしい香味を持つ麦焼酎は、どんな料理にもよく合うことから食中酒としてたのしめます。またソーダなどとの相性もよく、近年ではカクテルベースとしても注目されています。

「盛若」ブランドの看板商品「盛若 樫樽貯蔵」など、麦焼酎のなかでも個性がしっかりあるタイプは、豊かな風味を損なうことなく味わえる飲み方がおすすめです。ストレートやロック、水割り、お湯割りなどでたのしんでみてはいかがでしょう。

「盛若」の熟成酒は大人気

神津島酒造株式会社サイト

ここでは、「盛若」の樫樽貯蔵酒の特徴と長期熟成酒の人気の秘密を見ていきます。

「盛若 樫樽貯蔵」はどんな焼酎?

「盛若 樫樽貯蔵」は、「盛若」の原酒をフランス製の樫樽で貯蔵・熟成させた本格焼酎です。樽貯蔵酒ならではのほのかな琥珀色と独特な香り、そしてまろやかで上品な味わいを併せ持っています。

酒を木樽で熟成させると色がつきますが、焼酎は透明度に決まりがあります。色がつきすぎると規格から外れてしまうため、本格焼酎「盛若 樫樽貯蔵」の熟成期間は1年以内とされています。

なお神津島酒造では、さらに長期で熟成させるなどして規格から外れたものを、焼酎ではなく「スピリッツ」として販売しています。

「盛若 樫樽貯蔵」をはじめとする熟成焼酎の魅力とは

「盛若 樫樽貯蔵」をはじめとする熟成焼酎の魅力は、そのおいしさにあります。

一般的に本格焼酎は、酒質を安定させるため、一定の貯蔵期間を経て出荷されます。1~3か月ほど貯蔵すると刺激臭などのもととなる成分が揮発し、油臭や劣化のもととなる油分も分離・浮上してきて取り除きやすくなるからです。

一方、「盛若 樫樽貯蔵」のように3か月以上にわたり貯蔵・熟成する場合、その目的は焼酎のおいしさをさらに引き出すことにあるといえます。焼酎をじっくり熟成させると、香味が落ち着いてまろやかさが増し、コクや深みも出てくるのです。「盛若 樫樽貯蔵」で、熟成焼酎ならではの味わいをぜひ堪能してみてください。

「盛若」ブランドのラインナップ紹介

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最後に、「盛若」の焼酎とスピリッツのラインナップを紹介しましょう。

「盛若」ブランドのラインナップ:焼酎編

「盛若」ブランドのうち、「盛若 樫樽貯蔵」以外の焼酎には以下のような商品があります。

【盛若 華】
「盛若」の原酒に神津島の天然水を加水。アルコール度数を25度にした本格麦焼酎。

【盛若 和(なごみ)】
単式蒸溜焼酎(乙類焼酎)である「盛若」の原酒に連続式蒸溜焼酎(甲類焼酎)をブレンドした乙甲混和焼酎。

【盛若 島】
「盛若」の原酒を樫樽で貯蔵し、甲類焼酎をブレンドした乙甲混和焼酎。

「盛若」ブランドのラインナップ:スピリッツ編

「盛若」ブランドのうち、現在の焼酎の規格から外れる要件があるため、酒類品目が「スピリッツ」となっている2商品を紹介します。

【盛若 赤】
赤ワインを貯蔵した古樽を再生し、「盛若」の原酒を貯蔵して仕上げたお酒。

【盛若 白】
白ワインを貯蔵した古樽で「盛若」の原酒を貯蔵したお酒。


(結び)
「盛若」は離島で造られていることもあり、入手先が限られているブランドです。見つけたらぜひ、その唯一無二の味わいを試してみてくださいね。



製造元:神津島酒造株式会社
公式サイトはこちら

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