【ビールde バトンリレー】ナガノトレーディング 卸売営業部 マネージャー 佐藤健さん
2021年の3月に終了したビール専門の姉妹サイト「ビアパレット」の好評連載記事をたのしいお酒.jpで紹介します。今回は、REVO BREWING の水沼さんからご紹介頂いたナガノトレーディング 佐藤さんを取材しました。取材日:2019年10月
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目次
ビールを愛する、ナガノトレーディング 卸売営業部 マネージャー 佐藤さん
ビールを愛する、ナガノトレーディング 卸売営業部 マネージャー佐藤さん
もう一度飲んでみたくなった一杯のビールがナガノトレーディングとの出会い
ナガノトレーディングに入社する前は、ウイスキーやスピリッツ、カクテルなどを中心に提供する池袋の飲食店で働いていました。
そのお店からほど近い目白にある「田中屋」さんでは珍しいものを含めて数多くのお酒を扱っていることもあり、よく通っていました。そんな時に出会ったのが、ナガノトレーディングが輸入しているGreen Flash BrewingのWest Coast IPAでした。
初めて飲んだ時は、アメリカ西海岸スタイルのIPAについて「苦すぎるな」と思ったのですが、しばらくして再度飲んでみたところ、その苦みがクセになるほど、最初に飲んだ時の印象よりも「おいしい!」と魅了されていました。すぐにナガノトレーディングに電話を入れ、当時働いていたお店での取り扱いを始めることになりましたが、そこが始まりですね。
その後、ナガノトレーディング直営小売部門のアンテナアメリカ関内店の立ち上げの時にお声掛けをいただき、マネージャーとしてナガノトレーディングに入社しました。これがこれまでの人生の中で一番大きな出来事です。
ビールは日常の中で楽しむお酒
ビールは、“毎日・Daily”で楽しむものだと思います。ウイスキーなどは、どちらかというと非日常的なお酒ですが、ビールは、時間を区切って飲むのではなく、「遊びながら」や「仕事が終わった後」など気軽に日常で楽しむお酒だと思っています。
ナガノトレーディングでは品質管理を徹底しています
現地アメリカのブルワリーで飲んだ味をそのまま日本でも味わってもらいたい為に品質管理は、徹底しています。2006年に業界で初めてクラフトビール100%冷蔵輸送管理を実現しました。
アメリカのブルワリーでビールが造られてから、日本で販売するまで、その間のトラック輸送、海上輸送、倉庫保管、配送、店頭すべてで冷蔵管理をしています。
ナガノトレーディングの品質管理
現在の日本で飲めるビール類の値段は、100円を切るものから1000円以上のものまで幅広くなっています。クラフトビールの値段が他の一般的なビールよりも高いからこそ、“1杯から感動してほしい”という強い想いを持っているので、お客様に納得して頂けるビールをアメリカから日本に大切に届けたいと思っています。
心の底から感動してほしい
仕事をしていて嬉しいことは、ビールを飲んだお客様が “なにこのビール!こんなの飲んだことがない!”と心の底から感動してくれる時ですね。私も一杯のビールがきっかけとなり、ビールの世界に入ってきたので、もっとクラフトビールのおいしさを多くの人々に伝えていきたいなと思っています。
アメリカのクラフトビールがずらっと並んでいます。
日本でもおいしいビールをどこでも飲めるように
現在、日本では、ローカルのクラフトビールが次々に誕生しています。品質の高いビールを提供するためには、ビールを提供する機材などの洗浄や流通を構築しないといけないなと思っています。アメリカのクラフトビール業界でも品質管理がアメリカクラフトビール全体を発展させているように感じられるからです。
品質管理はよく流通や冷蔵保管冷蔵販売のことと思われがちですが、実は樽から提供されるビールの場合はその提供される機材の洗浄など、常に清潔に保つこともとても大事なことです。丹精込められたビールは、そういった日々の管理により、本当のおいしさが伝わり、そのことがビール好きの数を増やし、アメリカではどこでもおいしいクラフトビールが手に入るという循環につながっているように感じています。
日本もアメリカのように、品質が高くおいしいビールを日本のどこでも楽しめるようになってほしいです。
アメリカだから新しいクラフトビールが生まれる
アメリカのクラフトビールは、世界のビール好きの好奇心が集まる最先端のビールだと思っています。極端な言い方かもしれませんが、アメリカ人がいなかったら、今皆さんが飲んでいるホップが強調されたIPAなどは生まれていなかったかもしれないなと思っています。
アメリカは、多民族国家の国であり、それぞれの背景があり、多種多彩なアイディアが溢れています。
その受け皿が沢山あることで、ボーダーレスなスタイルのクラフトビールが発展してきたと思っています。ビール伝統国のヨーロッパはその伝統的な味わいが魅力でもありますが、様々な国の移民で成立しているアメリカでなければ生まれなかったかもしれない、と思わせられるような新しいスタイルや奇想天外な味わいを生み出す土壌と、そういった新しいビールを楽しんで受け入れる環境が整っているのではないかなと思っています。
店内ではアメリカの雰囲気が味わえます
サンディエゴのすべてが好きです!
新婚旅行は、私がクラフトビール好きになるきっかけとなったGreen Flash Brewingがあるサンディエゴに行きました。旅行中は、Stone BrewingやPizza Portなどのブルワリーを巡りました。サンディエゴは、土地柄や気候も良く、アメリカの西海岸のコーストカルチャーも楽しめます。
海やカルチャー、クラフトビールも全部ひっくるめてサンディエゴが好きです。
佐藤さんオススメのPizza Port スワミズIPA
休日はBBQスキルを上げています
休日には、趣味のBBQをしています。毎年、何回BBQを行っているかを数えていて、今年は「#bbqhistory2019」 としてインスタグラムに写真を上げています。1回と数えることができるBBQの定義を自分で決めていて、「外でやること」「クラフトビールを飲むこと」の2つが揃わないとBBQとしてカウントしません。自宅やお取引先のお店、アウトドアでBBQパーティーを行っています。
コミュニケーションの場として、色々な人を呼ぶことがあるので、満足してもらえるように研究しながらBBQスキルを上げています。ちなみに今年は、9月までで47回開催しています。
好きなビールは、Pizza Port
好きなビールは、南カリフォルニアのピザ屋から始まったPizza Port(ピッツアポート)がつくったビールです。典型的な南カリフォルニアスタイルのIPAが売りで、Pizza Portのビールを樽で飲んだ時に、ものすごくおいしくて、大好きになりました。Pizza Portが造るビールの名前は、地元の人から愛されているローカルスポットが名前になっているんです。
例えば「ポント セッションIPA」の“ポント”という場所は、サーフポイント(サーフィンをする場所)です。河口の先端でサーフィンをする人にとっては、最適な場所となっています。味もそうですが、そういうカルチャーが好きなんですよね。
Pizza Port クロニック アンバーエール 右:Pizza Port スワミズIPA
アンテナアメリカで体感してほしい
ビールの輸入卸業者のナガノトレーディングが何故「アンテナアメリカ」というお店を作ったかというのは、「アメリカ」の食文化を体験できる「アンテナショップ」を作りたい、という思いからです。
東京には様々な地方のアンテナショップ、北海道のアンテナショップ、沖縄のアンテナショップなどがあります。それならアメリカのアンテナショップがあってもいいはず、というところから始まりました。そのうえで、ビールの輸入卸業者として、アメリカビールの多彩さとその背景や文化を体感できるような場所を作りたかったということがあります。
店内は些細な小物を含めてアメリカンな雰囲気となっています。2013年に関内店がオープンしてから、品川店、横浜店がオープンし、現在3店舗があります。
コンペティション受賞のビールも楽しめます。
アンテナアメリカでは、アメリカのクラフトビール情報もいち早くお届けしています。例えば全米最大のビールイベント「グレート・アメリカン・ビア・フェスティバル」が10月にデンバーで開かれたばかりですが、こちらのコンペティションの受賞情報をアンテナアメリカのウェブサイトから発信するなどしています。
各店頭に並んでいるビールの中にはコンペティションで賞をとったビールもありますので、そういった商品を手に取ってみて受賞した商品の味を日本でも楽しんでいただきたいですね。
おすすめはこちらです!
Pizza Port 「Chronic Amber Ale/クロニック アンバーエール」(Ordinary or Spcial Bitter 部門で金賞受賞)
Upslope 「Craft Lager/クラフト ラガー」(lnternational_Style Pilsener 部門で銀賞受賞)
Pizza Port クロニック アンバーエール 右:Upslope Craft Lager クラフトラガー
ビール以外も!
また、アンテナアメリカはビールシーンだけを発信しているわけではありません。アメリカ人のホームフードであるチキンウィングやタコスをはじめとしたアメリカの食文化も体験していただけます。
タコスTacosのTをかけた「タコチューズデー」やウィングのWをかけた「ウィングウェンズデー」はアメリカのレストランではよく見かけられる光景ですので、僕も大好きですが、ぜひ皆さんにもアンテナアメリカでぜひ体験していただきたいものの一つです!
そのほか、クラフトカルチャーとしてリンゴから造られているお酒「Cider(サイダー)」や巷で話題のプロバイオティック飲料でもある「Kombucha」(コンブチャ)、それから今やアメリカのクラフトシーンでは欠かせないアイテムとなり多くのブリュワリーでも作られるようになった「Seltzer(セルツアー)」などアメリカのクラフトシーンの流行最先端の商品も置いています。健康志向が高い人たちに、お酒を飲みながらも健康的でいられると人気になっています。
ビール以外のアメリカの食体験ができます
【佐藤 健さん プロフィール】
飲食店で働いている時に、ナガノトレーディングが輸入しているビールと出会う。2013年のアンテナアメリカの関内店がオープンする際に、マネージャーとして入社。現在、卸売営業部のマネージャーとして現在に至る。
<取材協力>アンテナアメリカ 横浜店
店内の様子
アンテナアメリカは、アメリカのクラフトを体験できるテイスティング&ボトルショップ。「いつでもアメリカ」体験をしていただける空間づくりをモットーとして、トップクォリティのブリュワリーからの新鮮ビールを楽しむことができます。200種類を超えるラインナップを取り揃えています。
・TEL
045-548-8733
・所在地
〒220-0005
神奈川県横浜市西区南幸1-5-1 相鉄ジョイナス 地下1階 Food&Time ISETAN YOKOHAMA内
・アクセス
横浜駅 西口 徒歩3分
・営業時間
11:00~23:00
・定休日
なし
・アンテナアメリカ公式HP
https://www.antenna-america.com/
・アンテナアメリカ公式Facebook
https://ja-jp.facebook.com/AntennaAmerica
・アンテナアメリカ横浜店
https://m.facebook.com/antennaamericayokohama/
※本記事は「ビアパレット」で掲載していた記事を再編集しています。
記事内の情報や商品の価格は取材当時の情報ですので、ご了承ください。