〜浅草から日本を元気に〜 全国の食品やお酒が揃う “まるごとにっぽん”がリニューアルオープン
2015年に浅草にオープンした複合型商業施設「まるごとにっぽん」が6月4日にリニューアルオープン。全国から選りすぐりの食品やお酒が揃い、新設された角打ちコーナーでは一杯から気軽に試飲をたのしめます。食とお酒に精通したバイヤーに、家飲みですぐに試したくなるペアリングをお酒ごとに提案していただきました。
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「地方創生」をテーマに、地域応援の専門店としてオープン
東京の観光地として人気の、台東区浅草・浅草寺の西側に位置する「浅草六区」は、かつて日本一の興行街で“エンターテイメントの聖地”と呼ばれたエリア。
この地に2015年に誕生した「まるごとにっぽん」は、全国各地の食品・酒類等の物販店舗や体験教室や飲食店が多数入居し、地方の魅力を体験できる複合型商業施設として地域の方々や観光客に親しまれていましたが、2020年の冬に全面リニューアルのため閉館。半年間の充電期間を経て、今年6月新たにオープンしました。
広報の田中想人さんは、「以前の施設の1階部分の店舗のみを残して、『日本のよいものを通して日々の暮らしを豊かにする』というテーマは以前と変わらず、よりお客様に親しんでもらえるコンパクトなお店に改装しました。バイヤーが全国各地を訪ね、地元で評判の食品をリサーチし、生産者さんとお会いして仕入れた商品はどれも自信を持っておすすめしたいものばかりです。食に対してこだわりを持つ30〜50代の女性には特に足を運んでいただき、ご自宅で味わってもらいたいですね。」と話します。
全国から厳選した食品やお酒は約2500点。
水産品・畜産品も充実。知る人ぞ知る人気の商品が並んでいます。
充実した調味料の品揃え。慣れ親しんだ地元の醤油を買いに来るお客さんも多いそう。
ユニクロとのコラボで生まれた大注目の「酒蔵Tシャツ」
改装した建物にはユニクロ浅草店も入居し、同日にオープン。現在ユニクロでは、写真やテキストなどを自由に組み合わせてオリジナルデザインのTシャツなどが作れるサービス「UTme!」を展開中ですが、今回新たに導入された浅草店では、浅草にゆかりのある企業のロゴやイラストを選んで作成することが可能で、この企画に「まるごとにっぽん」も参加。
17の酒蔵のロゴやラベルのデザインがプリントされたTシャツを2階の「UTme!」コーナーで作成でき、さらに、店舗が隣り合う1階に売り場を設け、プリントしたTシャツを販売したところ、大きな話題を呼んでいるそう。
「浅草店のみでの販売ということで、オープン初日からTシャツを目当てに来られるお客様が多くいらっしゃっています。若いカップルや家族連れ、年配のご夫妻など、購入される方の年齢層も幅広く、販売開始直後は通常よりも売り場にスタッフを多めに配置しました。反響は予想以上です」。(ユニクロ浅草店 田島店長)
各酒蔵の菰樽とともに陳列されるTシャツ。
「ユニクロでは珍しいディスプレイなので写真撮影されるお客様もいらっしゃいます。ステテコと合わせてご自宅でのリラックスウェアにされる男性も多いようです」。(田島店長)
2階の「UTme!」コーナー。
浅草にゆかりのあるロゴやデザインでTシャツやトートバッグが作れるほか、酒蔵のロゴを自分のオリジナルのレイアウトにデザインすることも可能。
日本酒、ワイン…全国の銘酒が並ぶ圧巻のお酒コーナー
食品と同じくらい力を入れているお酒の売り場では、日本酒は約300銘柄、日本ワインは約100銘柄が揃い、焼酎や国産ウイスキー、クラフトビールなども販売しています。
全国各地の定番酒から、季節に合わせて販売されるお酒までが並ぶ日本酒売り場。
近年注目を集めている日本酒の「カップ酒」は、全国から約40アイテムが集まる人気のコーナー。
日本酒ファンの間ではラインナップの豊富さが口コミで広がり、カップ酒を目当てに来店される方も多いとか。
そのまま口にできる手軽さと飲みきりサイズで人気のカップ酒。
おつまみと一緒に購入される方も多いそう。
また、日本ワインは以前の店舗よりアイテム数が増加。
「以前、日本ワインのイベントを開催したところ、30代を中心とした世代にかなり反響があったので、今回ワインの売り場を拡張しました。人気で入手困難なワインも扱っており、店頭に並べると瞬く間に売れてしまいます。ここ数年の日本ワインの注目度の高さを実感しています」。(田中広報)
若い世代にも人気の広がりをみせる日本ワイン。個性的なラベルも多く、陳列棚も華やか。
角打ちコーナーを新設、バイヤーおすすめのお酒を一杯から
リニューアルに伴い、店内の一角には角打ちコーナーを新設し、日本酒・日本ワイン・クラフトビールなどをグラス1杯から気軽にたのしむことができます。
立ち飲みスタイルでたのしめる角打ちコーナー。
日本酒は20銘柄以上が揃い、日本ワインはかなりレアなアイテムも。
飲み比べセットや、和洋それぞれのおつまみもあり、すべて店内で購入できます。
ユニクロとTシャツのコラボをした17の酒蔵のお酒もすべて飲めます。
角打ちコーナーをプロデュースしたのは、副店長を務める藤生安津子さん。
かつて関西の酒蔵で蔵人として勤務した経験を持ち、2015年のオープン以来、「まるごとにっぽん」のきき酒師兼バイヤーとして活躍。全国各地で出会った銘酒の素晴らしさを伝え続けています。
「以前から地方創生には興味を持っていたので、「まるごとにっぽん」での仕事はこれまでの経験を生かすことができて、やりがいを感じています。酒蔵が活気づくことは、ゆくゆくはその地域の活性化に繋がっていくので、ここ浅草から全国の酒蔵を応援しています」。(藤生さん)
おすすめのペアリング ①「産地を合わせて」
藤生さんに、店内で販売している商品の中から、家飲みでたのしめるペアリングを提案していただきました。
まず日本酒は、富山県氷見市 高澤酒造場の「有磯曙(ありそあけぼの) 純米酒」。
「生産量が少ない酒蔵なのであまり見かけない銘柄だと思いますが、昔ながらの手作りにこだわって造っています。ラベルは有磯海に曙(日の出)をのぞむデザインなのですが、現地で実際に見た光景もとてもうつくしくて心に焼きついています」。(藤生さん)
富山 高澤酒造場 「有磯 曙 純米酒」1,650円(税込)
「合わせるおつまみは、“ほたるいかの姿干し”でこちらも富山産。噛むごとに口の中に広がるわたの渋みと旨味が、日本酒のまろやかさと相まってとてもおいしいです。富山の日本酒は魚介のおつまみととても相性がよいですね」。(藤生さん)
「ほたるいか姿干し」 531円(税込)
続いてクラフトビールは、沖縄県那覇市の公設市場すぐそばに醸造所がある「浮島ブルーイング」。おそらく、東京で購入できるのは「まるごとにっぽん」だけではないかと藤生さん。※取材時2021年6月現在
「数年前に開設したばかりのマイクロブルワリーですが、個性あるビールを造っています。沖縄のビールと聞くと軽い味わいのイメージがあるかもしれませんが、しっかりとしたコクを感じる味わいです」。(藤生さん)
左から「浮島WEIZEN」「浮島GOLDEN ALE」「仲村渠(なかんだかり)WHEAT X」
すべて 800円(税込)
こちらに合わせるおつまみは、同じ沖縄の商品の「鶏ハム」。月桃の香りがほのかに香る、南国らしい一品です。
「長期熟成 無添加 鶏ハム 月桃」 756円(税込)
おすすめのペアリング ②「味の組み合わせをたのしむ」
日本ワインのおすすめは、近年、海外からも注目が高まっている甲州ワイン。
山梨県の勝沼にある「シャトージュン」は、G20大阪サミットでも振る舞われた甲州ワインの醸造元。こちらの「甲州2020」は、和食にも洋食にもよく合うことで評判です。
おつまみは、岡山県の「牡蠣の家 しおかぜ」の牡蠣のオイル漬け。岡山瀬戸内の牡蠣を添加物や化学調味料を使用せず、国産にんにくや唐辛子でオイル漬けにした商品。
「牡蠣は食べきりサイズが3種類なので一人飲みにちょうどよいサイズです。国産の牡蠣と甲州は味わいのバランスがとてもよく、このオイル漬けはパンやクラッカーに乗せて味わってもおいしいです」。(藤生さん)
シャトージュン「甲州 2020」 2.200円(税込)
「牡蠣の家 しおかぜ」 1,474円(税込)
最後は知る人ぞ知るウイスキーを。
富山県砺波市の若鶴酒造が運営する「三郎丸蒸留所」は、北陸で唯一のウイスキーの蒸留所として知られ、冬は日本酒を仕込み、夏の間のみウイスキーを蒸留していますが、スモーキーなウイスキー造りにこだわり、日本では珍しく、ヘビリーピーテッド麦芽のみで仕込んでおり、全国のウイスキーファンから熱い支持を得ています。
「MOON GLOW Limited Edition 2020」 10,120円(税込)
熟成年数が10年以上の原酒のみを使用。
ウイスキー好きの間では大評判で、店頭に並ぶとすぐに完売してしまうそう。
「こちらには愛媛県の“フルーツチップス”がオススメです。旬の7種類の果実を無添加で乾燥していて、砂糖も不使用なので、フルーツ本来の味を感じますが、ウイスキーのスモーキーな香りにフルーツのさっぱりとした甘酸っぱさがよく合います」。(藤生さん)
「フルーツチップス」 441円(税込)
地元の方たちの生活の一部に
観光地のイメージが強い浅草ですが、一歩路地に入ると下町の風情を感じる住宅地が広がり、駅から徒歩圏内のエリアにある「まるごとにっぽん」は、地元の方たちの食卓を支えるお店としての存在感があります。
「安心安全でおいしい食品が揃っていますし、角打ちコーナーでホッと一息つくこともできるので、地元の方たちには気軽に立ち寄ってもらいたいですね。
また、季節によって商品ラインナップも変わりますし、角打ちコーナーでは蔵元やワイナリーの方をお呼びして小さなイベントも開催していく予定なので、食品やお酒に興味のある方にはぜひ足を運んでもらいたいです」。(藤生さん)
全国各地のおいしい魅力が勢ぞろいした「まるごとにっぽん 」は、浅草を代表する食の発信地として、今後さまざまな情報を提供してくれそうです。
まるごとにっぽん 浅草店
〒111-8535
東京都台東区浅草2-6-7東京楽天地浅草ビル1F
TEL 03-3845-0510
アクセス つくばエクスプレス浅草駅徒歩1分
都営・メトロ・東武浅草駅徒歩10分
営業時間 11:00〜20:00
※緊急事態宣言中は角打ちコーナーは営業休止となります
https://marugotonippon.com
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ライタープロフィール
阿部ちあき
全日本ソムリエ連盟認定 ワインコーディネーター