【ビールde バトンリレー】 ISANA BREWING 千田 泰弘さん
ビールを愛する人にインタビューする連載企画です。2021年3月に終了したビール専門の姉妹サイト「ビアパレット」の好評連載記事をたのしいお酒.jpで紹介します。今回は、RIOT BEER江幡さんにご紹介いただいた「ISANA BREWING」の千田さんを取材しました。取材日:2019年7月
- 更新日:
目次
ビールを愛する、 ISANA BREWING 千田さん
ビールを愛するISANA BREWING 千田さん
ビールにはまったきっかけは、「小樽ビール」の醸造所を見学したこと
小樽へ旅行した時に、たまたま小樽ビールの醸造所を見学させてもらう機会がありました。そこでクラフトビールの説明を受け、クラフトビールの文化に初めて触れたんです。
醸造所に併設しているレストランで、香り高いヴァイツェンを飲んだ時に、とてもフルーティーな香りで、「こんなビールがあるのか!」と思いました。そこからクラフトビールを意識して飲むようになり、ビアバーや醸造所に行くようになりました。
一杯目のビールは、必ず好きなビールで!
ビールを飲むときのスタイルは、“好きなビールを先に飲むこと”です。薄い色やアルコール度数が低いビールから飲む人もいますが、最後のほうになり酔っ払ってくると、味がわからなくなってしまうんですよね。だから、好きな黒ビールも早めに頼みます!
クラフトビールは、“造っている人の顔が見える、飲んでいる人とも近い”というのはすごくいい文化だと思っています。だからこそ工場でつくるのではなく、ブリューパブでコミュニケーションの場を作りたいなと思ったんです。
2018年5月にISANA BREWINGを昭島にオープン
サラリーマンとして働いている時から、カフェを経営したいという妄想をしていました。小さな施設でビールをつくれると知ってから、コーヒーとビールを作ったら武器になると思い勉強を始めました。
昭島でビール造りをしようと思ったのは、深層地下水100%で賄っている水道水が美味しかったからです。2018年5月に東京都昭島市にISANA BREWINGをオープンしました。
昭島は、商業圏が狭いのでなかなかいい物件が見つからなくて苦労しましたね。また、タンク等の機械はスロベニア製なので、日本向けに電気試験や改造をしないといけなくて時間がかかりました。
“ナイトロビールを出したい”という想い
ナイトロビールは泡が落ち着くまで3,4分。泡が落ちつくのを見るのも楽しいです。
ISANA BREWINGの特徴であるナイトロのビール(柔らかい泡が表面を覆う窒素抽出ビールのこと)は、お店を開店する半年前に決めました。
ブリュードッグのビアバーでナイトロの黒ビールを飲んだ時に、泡の細かさと美しさに驚きました。他のお店でもあまり置いていないので、自分の店で提供したい!と思いました。
お店を開いてから、ビールをつくり始めた9月までの間は、他社のリアルエールを買ってきてナイトロで提供していました。日本で売っているリアルエールは一通り買って試してみました。
その際に気を付けていることは、醸造家さんの意図と違う提供方法なので、“ナイトロビールとして提供していいですか?”と必ずお伺いしています。その中にはごめんなさいと言われることもありますし、時にはこれをナイトロ化するとおいしいよと勧めてくれる所もありました。
ナイトロビールというと基本的には黒ビールというイメージですが、ISANA BREWINGでは、ペールエールでもヴァイツェンでもなんでもナイトロにして提供しています!
他店では、二酸化炭素の力も借りて窒素を溶かしているところが多いのですが、当店では、純窒素を使っています。そのため、泡が落ち着くまで3,4分かかります。他では飲むことができないクリーミーな泡ができます!
ナイトロビールを知らない人もいるので、“とにかく泡がふわふわなので飲んでみてください”とオススメすると、ハマってくれる方が多いですね。もっとナイトロビールが流行ってほしいと思っています!
嬉しかったことは、この場所に思い出があるお客様が来てくれたこと
このお店はお花屋さんの跡にできたお店なんです。そのお花屋さんで結婚式の生花の花輪を作ったというご夫婦が結婚記念日のディナーにいらっしゃったことは嬉しかったですね。
店内から見える醸造所
ビール人生で最大の出来事は、「ビール大全」との出会い
ビール人生で最大の出来事は、世界各国のビアスタイルと文化について紹介している『ビール大全』という本を友人から借りたときです。
イギリスビール文化が古いということを知らなかったので、思い立ってロンドンまで行き、ビアバー巡りをしました。イギリス系のビールにハマるきっかけになりましたね!
休日は家族と一緒に過ごす
週に1回の定休日は、3歳の娘と一緒に過ごす家族の時間にしています。
趣味は、カフェ巡りやドライブ、カメラで写真を撮るが好きですね。その他にも博物館や美術館、映画館にもよく行きます。
おすすめしたいビールは、「とりあえずビター」
オススメの「とりあえずビター」
オススメしたいビールは、「とりえずビター」です。イギリスタイプの泡が少なめ、麦だけのビールです。ほどよい苦みとモルト感を楽しむことができます。今は、アルコール度数を変えたりしながらも、試行錯誤しながら作っています。
(ABV 6.0/IBU 27/ Small:590円,Medium:890円,Large:1,250円 すべて税抜)
あとは、「あきしまホップソーダ」(600円 税抜)もおすすめです。ホップを水で溶いて濃いホップの汁を作って、それを炭酸水で割っているホップソーダです。妊婦さんやビールを飲むことができない方にもホップを楽しんでもらうことができます。
ビールが飲めない方にもオススメ「あきしまホップソーダ」
ランチメニューも豊富
今年の5月からランチを始めました。11時半からランチは自社ビール100円引きで提供しています。ランチメニューはアメリカンガレットというがっつり系のガレットです。ステーキが350gも載っているガレットもあります。11時半から飲めるお店は周りにあまりないので、ぜひ来ていただきたいですね。
都心から離れていてもお店を訪れてくれるビールを作りたい
ランチは女性が多いですが、ディナーは大学生から60歳まで幅広い年齢性別の方が来てくれますね。
ビール初心者の方も多く訪れてくれて、こんなに色んな味わいのビールがあるんだと感動して帰ってくれるのは嬉しいです。昭島は都心から離れており、何もないと来づらいと思うのですが、そういう距離を気にしないおいしいビールを作りたいと思っています。
【千田 恭弘さん プロフィール】
大学時代に機械設計を学び、半導体製造装置、航空宇宙関係等のセンサー等のエンジニアの仕事をしていた千田さん。
大学時代にコーヒーショップで働いていたこともあり、いつかはカフェを開いてみたいと思っていた時にクラフトビールと出会い2018年5月に東京都昭島市にISANA BREWINGをオープン。
<取材協力>ISANA BREWING
東京都昭島駅から徒歩3分にあるブルワリー&ロースタリー。昭島のおいしい深層地下水を使い、店舗で醸造しているオリジナルクラフトビールだけでなく、自家製のコーヒーも楽しむことができます。フードやスイーツも充実していてどなたでも楽しむことができるお店となっています。
ISANA BREWINGの「ISANA」は万葉集にある「勇魚(いさな)」からきています。「勇魚」とは、「鯨(クジラ)」の事で、昔海の底だった昭島の地で、クジラの化石が見つかったことから昭島市の公式キャラクターもクジラです。ISANA BREWINGのお店のロゴにもクジラがモチーフとして描かれています。
・TEL
050-5327-9884
・所在地
〒196-0015
東京都昭島市昭和町2-7-15 エクセレンス昭島 1F-B
・アクセス
JR青梅線昭島駅南口より徒歩3分
・営業時間
平日:ランチ 11:30~14:30(L.O 14:00) ※火曜、水曜はランチ休み
ディナー 17:30~22:00
土・日・祝:11:30〜22:00(L.O 21:30) ランチから通し営業
・定休日
水曜日、祝翌日
不定休
・公式HP
https://www.isana-brewing.com/
※本記事は「ビアパレット」で掲載していた記事を再編集しています。
記事内の情報や商品の価格は取材当時の情報ですので、ご了承ください。