山形の焼酎【たるへい:樽平酒造】純米酒にこだわる老舗蔵が造る、粕取り焼酎とダリア焼酎
「たるへい」は、日本酒「樽平」で知られる山形の蔵元、樽平酒造が造る焼酎ブランドです。焼酎はひらがな、日本酒は漢字という表記の違いはあっても、どちらも蔵元の名前を冠した、蔵元を代表する銘柄です。ここでは、そんな「たるへい」と樽平酒造について紹介します。
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焼酎「たるへい」や日本酒「樽平」で知られる樽平酒造のこだわり
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樽平酒造の創業は元禄年間
「樽平」ブランドで知られる樽平酒造は、江戸時代中期の元禄年間(1695年ごろ)に創業して以来、約300年に及ぶ歴史を誇る、山形県きっての老舗蔵です。
樽平酒造の真価は、ただ歴史が古いというだけでなく、長きにわたる酒造りの伝統を大切に守り続けている点にあります。日本の伝統的な食文化である「米から造る酒」にこだわり、減農薬・減化学肥料で育てた米を用いて、40%精米以上の純米酒のみを造り続けています。
加えて、昔ながらの「手造りの酒」を追求し、すべての商品を炭素ろ過せずに出荷。お酒本来の山吹色をした、飲みごたえの確かな樽平酒造の酒は、まさに「酒のなかの酒」として、全国に多くの愛好家を生んでいます。
「たるへい」とは「気持ちよく酔った様子」を指す言葉
樽平酒造を経営する井上家は、現在の山形県南部、置賜(おきたま)地域を治めていた米沢藩・上杉家から名字帯刀を許された家柄で、現当主で12代目となります。
「樽平」の名が生まれたのは、昭和3年(1928年)、東京神楽坂に居酒屋「樽平」を開店したときのこと。置賜地方では、昔から気持ちよく酒に酔った様子を「たるへい」と表現していて、そこから命名されたのだとか。
日本酒銘柄「樽平」も、居酒屋「樽平」のオープンと同時に誕生しました。山形から樽詰めして直送される「樽平」は都民の人気を集め、居酒屋「樽平」は新宿や銀座などにも店舗を拡大(現在は内神田にて営業)。昭和40年(1965年)には会社名を「井上酒造」から「樽平酒造」に改め、現在に至っています。
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「たるへい」は清酒粕から生まれたまろやかな粕取り焼酎
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「たるへい」は樽平酒造がその名を冠した焼酎銘柄
樽平酒造の銘柄としては、伝統的な辛口の「住吉(すみよし)」と、辛さを感じさせない「樽平」、そして日本初の生酒「雪むかえ」という3つの日本酒銘柄が知られています。
加えて、樽平酒造にとって4つ目の柱となる銘柄が、粕取り焼酎「たるへい」です。粕取り焼酎とは、日本酒の醪(もろみ)を搾ったあとに残る「酒粕」を原料とした焼酎のことで、「酒粕焼酎」とも呼ばれます。
日本酒「樽平」と、日本酒を醸した際に得られる副産物から造られる焼酎「たるへい」。まさに兄弟銘柄と呼べる両者を、飲み比べてみるのも一興では。
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